お屠蘇にお雑煮、おせちまで。知らないと恥ずかしい「正月の常識」クイズ

2021年1月1日(金)12時30分 食楽web


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 謹賀新年。いよいよ2021年がスタートしました。

 古来より、元旦は幸福をもたらす年神様が高い山から降りてくるとされています。「無病息災、良い年になりますように」と毎年願うのはいいですが、年神様を正しくお迎えし、お正月の特別な“食の作法”もきちんと知ったうえでお願いしなければ、失礼というもの。

 そこで今回は、お正月の祝い膳の作法を○×クイズにしてみました。近年、簡略化されていることも多いので、案外、知らない人も多いと思います。ぜひ、今年の正月は、本来の作法や意味を知って、自分の常識レベルを再確認してみてください!

「祝箸」の正しい使い方はどれ?

 正月になると、誰が用意したのかどこからともなく登場し、おせちやお雑煮などをこれで食べることになる祝箸(いわいばし)。普通の箸と何が違うのでしょうか。これについて、3つのうち正解はどれ?

1:元旦の朝におせち料理に使用したら袋に戻して処分する

2:箸の先端が両口になっているので、片方はおせち料理の取り箸に使う

3:使い終わった祝箸は、神社の「お焚き上げ」に持っていく

解説

「寿」と書かれた祝箸。元旦用に用意している家庭も多いと思います。この祝箸、元旦に使ったら、洗って清め、「松の内」と呼ばれる日まで使用します(松の内は地域によって異なります)。なので、1度使ったからといってすぐに捨ててはいけません。

 また、祝箸は通常の割り箸とは違い、両方の先が細くなっているのが特徴。これは、一方は神様用、一方は人用。「神人共食」と呼び、神様と食事を共にすることを意味しています。誰ですか? ひっくり返して取り箸にしてるのは。ダメですよ。

 ちなみに祝箸は持ち方の作法もあります。箸先から約3cm、かなり下のほうを持ち、箸の先を汚さずに食事するのが正しいと言われていますが…これは難度が高すぎますね。なお、松の内まで使用した祝箸は、自宅で処分せずに、天に返す意味を込めて神社のお焚き上げに一緒にするのが良いとされています。

回答

1:× 2:× 3:○

「お屠蘇」の正しい飲み方は?

 ややこしや〜、と誰もが心のうちで思っていそうな正月のお屠蘇のマナー。親やおばあちゃんに促されてなんとなくやってきたはいいものの、深く意味を考えずに大人になった人も多いハズ。では次の3つのうち、正しいのはどれ?

1:お屠蘇は本来、日本酒だけでなく漢方を入れるものである

2:元旦の朝、お屠蘇は大人だけで盃を廻し飲みする

3:お屠蘇は、家族の一番年長者→年少者の順で飲む

解説

 お屠蘇とは、新年の邪気を払い、長寿を願って元旦にいただく“薬酒”のこと。この薬酒は本来、日本酒とみりんに「屠蘇散」という漢方(10種類ほどの漢方素材を処方)を加えたものです。ちなみに屠蘇散は薬局等で買うことができます。

 お屠蘇の正しい飲み方は、元旦の朝、家族が揃ったら、おせち料理やお雑煮をいただく前に、年少者から年長者の順で一人ずつ飲み、新年の挨拶をするというのが正しい作法。順番の意味は、若い人の精気を年長者に伝え、無病息災、長寿を願うためです。

 なお、年少者〜年長者の順で小盃を飲み、続いて中盃、大盃の3回繰り返すと言うのが正しい飲み方です。ちなみに未成年の子どもは口をつけるだけでOKです。

回答

1:○ 2:× 3:×

「お雑煮」の正しい作り方は?

 餅のかたちや出汁のとり方など、同じお雑煮でも、地域ごとにかなり味の個性が出るのがこの料理です。とはいえ、基本の考え方はどこもほとんど同じ。というわけでクイズです。正解はどれ?

1:元旦に食べるお雑煮のお出汁は、大晦日に予めとっておく

2:元旦に食べるお雑煮のお餅は飾っておいた鏡餅を使う

3:お雑煮は、本来、男性が作るものである

解説

 お雑煮を作る際のお出汁のお水は、新年の元旦に初めて汲むお水=「若水」を使用するのが習わし。なので、大晦日に雑煮用の出汁を先にとっておくのはNG。

 また、お雑煮のお餅は、本来は神棚の年神様にお供えしておいたものを使用します。年神様の魂が宿ったお餅(年塊)で、ご利益にあやかろうというわけです。しかし、これは「鏡餅」とは別のお餅で、丸餅を重ねた「鏡餅」は、年神様がいる松の内まで飾っておきます。

 ちなみに、お雑煮は男性が作る風習が全国各地に残っています。この理由には諸説あり、(1)若水を汲むのが男性の仕事なので、その延長で男性が作ることになったから。(2)お雑煮は武家社会の料理で、武士が作るとされたから。(3)正月三が日は女性が台所に立ってはいけないから——など。

 お雑煮の家庭内トラブルで、夫が「実家の味と違う」と不満をもらすケースをよく耳にしますが、そういうときは上のようなウンチクを持ち出して雑煮担当にしてしまうのが吉です。

回答

1:× 2:× 3:○

「おせち料理」の正しい食べ方は?

 近年は「一人用おせち」なども人気で、「おせちに飽きたらカレー」などとみんな好き放題に言いがちですが、そもそも我々は、おせちの何を知っているというのでしょうか? さあ、お答えください。

1:元旦のおせち料理の場合、重箱は隅からつついてOK

2:最初に箸をつけていいのは年長者である

3:縁起ものをひと通り食べ終えたら、お重から直接つまんでも良い

解説

 元旦にいただくおせち料理。最近は2段、3段などのものが売られていますが、正式な段数は四(与段)です。お重の中には、祝い肴くち取り、焼き物、酢の物、煮物で、それぞれにおめでたい意味やいわれがあるのは周知の通り。

 おせち料理をいただく際のマナーですが、まずはお屠蘇を全員がいただいてから。そしてお重で食べ始める順番は、一の重、二の重…と順番にいただきます。なお、重箱の四隅を空けるのは縁起が悪いとされているので、重箱の真ん中からとるのが正解。隅をつつくのはNG。

 さらに箸を付けるのは、年長者から順番に。自分の番が回ってきたら、一の重から順に取り皿に取っていきます。なお、お重から直接食べるのはどんな場合もマナー違反です。

回答

1:× 2:○ 3:×

「鏡餅」の正しい開き方は?

 鏡餅ほど正月気分を盛り上げてくれるものはありません。三が日にいくら酒を飲みすぎようとも、ダラダラと過ごし過ぎて「やべっ」と思っても、部屋の片隅に鏡餅があるだけで安心します。だってまだ休んでいい気がするから。さあ、与太話はこれまで。クイズにチャレンジしてください!

1:鏡餅は、飾りなので食べなくても良い

2:鏡開きは、三が日を過ぎたら早めに食べる

3:鏡餅は包丁で切ってはいけない

解説

 お正月にお供えする「鏡餅」は、年神様の居場所と言われています。だから年神様がいるとされる「松の内」の日までお供えし、終えたら下ろします。なお、鏡開きは、この下ろした鏡餅を開く(“割る”と言う言葉は縁起が悪いので“開く”と言う)ことを言います。

 松の内の日に「鏡開き」をしなくても良いのですが、松の内が開けたら、一般的には4〜5日後に鏡餅を開き、お汁粉やお雑煮などにしていただくのが一般的です。この鏡餅は、年神様の魂が宿っているので、その力を授けてもらうと言う意味があります。

 捨てずに必ずいただくようにしましょう。ちなみに鏡餅を開くときに、包丁を使ってはいけません。手で開くか木槌などで叩いて開くようにします。

回答

1:× 2:× 3:○

 というわけで、皆さんはどのくらい正解できましたか? 現代、日本のお正月の作法は、簡素化されたり、はたまた間違った方法で習慣化されたりしていることも結構あるようです。祝箸を取り箸に使っていたり、お屠蘇をガブ飲みしたり、おせち料理を重箱からつまみ食いしたり。ついついやっていませんか? ぜひ、この機会に、正月の祝い膳の本来の意味を、しっかり見直しておきましょう。

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