自転車の交通事故ゼロへ! JA共済が、栃木の駅伝大会で自転車の交通安全を啓発
2025年1月28日(火)16時46分 マイナビニュース
栃木市総合運動公園では1月26日、「第17回栃木県小学生駅伝競走大会」および「第66回栃木県郡市町対抗駅伝競走大会」が開催。駅伝大会に協賛するJA共済は特別ブースを出展し、自転車の交通安全の啓発活動を行っている。
○■「すまいる号」で体験してみた
冬晴れの下、栃木市総合運動公園で行われた駅伝大会。陸上競技場には、朝の早い時間帯から元気な子どもたちの姿があった。
JA共済は、陸上競技場の正面入口にブースを設置。自転車の交通ルール、危険予測、安全運転について学べるシミュレーターを搭載した「すまいる号」を通じて交通安全を啓発した。
筆者も体験した。貸してもらった自転車用のヘルメットをかぶって準備万端。はじめに「普段、自転車に乗る機会は多いですか? 」「自転車を運転する場所は、クルマの交通量が多いところですか? 」といったヒアリングに答えるとコースが決まった。
自転車にまたがり、診断がスタート。ペダルを漕ぐと画面も進み、ブレーキをかけると止まるようだ。まずは車道の脇の自転車レーン(自転車専用通行帯)を走る。
ハンドルの動きも再現している。ついヨロヨロと車道に寄り、すぐ脇を走り抜けるトラックにヒヤッとする筆者。交差点に差し掛かったとき、担当スタッフは「自転車も軽車両に当たりますので『止まれ』の道路標識のあるところでは一時停止してくださいね」と声をかける。
いつしかビル街の路地に入った。左右の見通しが悪いのでこわごわ進んでいると、目の前をセダンタイプの乗用車に猛スピードで横切られて肝を冷やす。最後、これは歩道を走っていたときのこと。「左にコンビニがあるな」などと注意力が散漫になったところで、右側の車道から、路上駐車でつくられた死角から飛び込んできたクルマと衝突しそうになった。コンビニの駐車場に入ってくるところだったようだ。
最後に、診断結果が出た。筆者の成績は「B」。危険予測の項目で「ヒヤリ・ハット1回」と記入されていた。担当スタッフは、自転車の運転で気をつけるべきポイントについてあらためて教えてくれた。
○■誰でも被害者になる
栃木県本部 JA支援部 総合企画室 普及グループの椿慶人氏に話を聞いた。駅伝大会に「すまいる号」を出展した理由について、椿氏は「普段から自転車に乗っている若年層の方を中心に、あらためて自転車の交通ルールや危険予測を学んでいただく機会になれば、という思いがあります」と説明する。
自転車に関わる交通事故の件数は全国的には減少傾向にある。とは言え、依然として交通事故件数全体の約2割ほどを占めている。椿氏は「自転車による交通事故は、運転者の交通ルールの理解不足、ルール軽視などにより起こるケースも多いんです」と指摘する。
「すまいる号」では、小学校低学年、高学年、中学生以上、シルバー世代の4世代それぞれに9種類のコースを用意。その人に最適なコースを走ってもらうことで、効果の最大化を狙っている。
シミュレーションを体験した人の反応については「もう一度、自分の運転を見直すきっかけになりました」「子どもには『危険な場所を理解して自転車に乗るように』と、あらためて話します」「とてもリアルでした。横切るクルマ、後ろから迫ってくるクルマが恐かったです」「安全運転の大切さを再認識しました」といった声が寄せられている、と明かした。
近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら