元銀行員が教える!通帳はいつまでとっておくといい?

2024年2月4日(日)21時40分 All About

店舗のある銀行を利用している人の多くが、通帳の発行を受けていると思います。ただ、取引を重ねれば重ねるほど、通帳の数は増えていってしまいます。利用済みの通帳は、いったい、いつまでとっておくとよいのでしょうか?

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店舗のある銀行を利用している人の多くが、通帳の発行を受けていると思います。ただ、取引を重ねれば重ねるほど、通帳の数は増えていってしまいます。利用済みの通帳は、いったい、いつまでとっておくとよいのでしょうか?

通帳にはどんなことが記録されている?

銀行の通帳は、「自分がお金を出し入れするときの記録のためにある」と考えている人がほとんどだと思います。お金をATM等で入金・出金をしたときに、通帳に記載されますよね。
そのほかにも、通帳にはお金が入金されたときの記録も残ります。勤務先からの給料やボーナスの振込や、フリーランスや自営業の場合、取引先からの振込等です。
口座からお金が引き落としされるときにも記録されます。公共料金の引き落とし、各種ローンの返済、クレジットカードの利用料、サブスクなどの定期的引き落とし、積立預金の引き落とし等です。

通帳の収支は家計の見直しに役立つ

じつは通帳に記録された内容は家計を振り返る上で大切な情報となります。
家計の見直しをするために、家計簿をつけることをアドバイスしているのですが、最近では、キャッシュレス決済が進んでいます。通帳で引き落とされたものには、必ず項目が記載されています。
もし、各種支払いが口座引き落としとクレジットカードの利用がメインの人の場合、通帳を見るだけで、何にどれくらい使っているのかを確認することが可能です。
家計簿をつけるのが面倒な人なら、通帳で毎月の入出金の記録を集計するだけで、お金の流れが把握できます。また、季節によって利用料が変動する公共料金の場合、どの月にどれくらいの支払いをしたのかの記録が残っているため、今後の予算を組みやすくなります。

いろいろな記録が残る通帳は5〜6年保管しておく

このように利用済みの通帳であっても、遡ることでいろいろなデータを取れるため、ある程度の期間、残しておくとよいでしょう。
具体的におすすめする保存期間は5〜6年です。
その理由は、万が一、相続トラブルが起こったとき、侵害された相続権の返還を申し立てるのは侵害を知ってから5年と決まっています。他にも生前贈与にかかる贈与税の申告期限が6年となっている等もあります。相続や贈与を考えている人は、通帳をなるべく長期間保管するようにしたほうがいいでしょう。
特に親子間では後からもめないためにも、口座を介してお金のやり取りすることがよいのですが、そのときに通帳を残しておけば、お金の流れが簡単に把握できるので便利ですよね。
もちろん、通帳をなくしてしまっても、有料で入出金記録を発行してもらうことが可能ですが、手間もかかります。スピーディーに確認するためには、現物である通帳を残しておくことが得策といえます。
その他にも子どもが2人以上いる場合、通帳が残っていれば、上の子にかかった費用がどれくらいかを知ることもできますので、お金を準備するタイミングを知ることができるようになります。
5〜6年という期間は、公的な面でも私的な面でも、通帳が役立つ期間といえるのではないでしょうか。
ただし、定期的に通帳を記帳していない場合、まとめて入金、出金が記されてしまい、内容を確認することができなくなってしまいます。通帳は、さまざまな記録の集まりです。有効活用できるよう、こまめに記帳するようにしてください。
文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)
金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。
(文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー))

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