<乱視>があるのは必ず「悪い」?乱視のおかげでピントを合わせられる範囲が広くなることも…眼科医「見え方が気にならない場合は矯正の必要なし」

2025年2月22日(土)6時30分 婦人公論.jp


(写真:stock.adobe.com)

私達は日常生活で得られる情報の8割を<視覚>から得ているそう。しかし、さまざまなデジタル機器を駆使しなければならない昨今、目にまつわるトラブルは増加傾向に…。「人生100年時代と言われる今、ずっと目が見える生活を送っていくなら、早めの検査、早めの生活改善、早めの治療が大事」だと主張するのが真鍋眼科の真鍋佑介先生です。今回は先生の著書『一生目が見える人のすごい習慣』の一部引用、再編集してお届けします。

* * * * * * *

乱視は「悪い」もの?


「乱視(らんし)」と聞くと、あまり良いイメージを持たれない方が多いかもしれません。

乱視が強いとものが二重に見えたり、ぼやけて見えたりと、日常生活に支障をきたすこともありますが、乱視は程度の差こそあれどなたにでもありますし、乱視があれば必ず悪いというわけでもありません。

乱視とは、目のレンズの役割を果たす角膜が歪んでいるために、焦点が合わない状態を言います。

大きく乱視は2種類に分けられる


乱視は大きく2つの種類に分けられます。

1つは角膜のカーブの程度が方向によって違うことによって生じる「正乱視」で、もう1つは円錐(えんすい)角膜などの角膜の病気やケガなどの視力障害によって生じる「不正乱視」です。

この不正乱視は眼鏡では矯正できないため、一般的に乱視といえば眼鏡やコンタクトで矯正できる正乱視のことを言います。

正乱視にも種類があり、上下方向につぶれるように歪んでいると「直(ちょく)乱視」、反対に横方向に歪んでいると「倒(とう)乱視」、また斜めに歪んでいるのであれば「斜(しゃ)乱視」といいます。

乱視が全く0の人はほとんどいない


若い方は、瞬きをする際のまぶたの圧力によって角膜が上下に圧迫され、直乱視になりやすい傾向があります。

その後加齢に伴いまぶたの圧力が低下すると、角膜が横方向に広がりやすくなるので、直乱視から倒乱視へと変化していきます。

このうち斜乱視は視力への影響が大きく、次に倒乱視、直乱視の順に影響されやすいとされています。

乱視の種類は加齢ととともに変わっていくことがあります。

少しでも乱視があれば矯正が必要なわけではなく、 弱い乱視で生活に大きな支障がなく、見え方が気にならない場合は乱視の矯正は必要ありません。

そもそも人の目は完全に球体ではなく多少は歪みがあるので乱視が全く0の人はほとんどいません。

必ずしも“悪”とは言えない


乱視は必ず0にしないといけないものでもないですし、ある程度の乱視は焦点深度(鮮明に見える範囲)を深める働きもあり、乱視のおかげでピントを合わせられる範囲が広くなることもあります。

ですので、乱視が必ずしも“悪”にはならないとも言えます。

矯正が必要であるかどうかは、乱視であるかどうかではなく「どの程度の乱視なのか」が重要になります。

ある程度以上の場合には視力の低下だけではなく、眼精疲労の原因になってしまいます。ですので、自分にどの程度の乱視があるかを理解したうえで眼鏡、コンタクトレンズでの矯正を行うようにしましょう。

※本稿は、『一生目が見える人のすごい習慣』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

婦人公論.jp

「眼科」をもっと詳しく

「眼科」のニュース

「眼科」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ