【株主優待】ビックカメラやワールド…3,000円分が6,000円分に!長く持てば「株主優待」が “増える”6銘柄

2025年3月3日(月)11時0分 婦人公論.jp


株主優待券各種(筆者撮影)

「株主優待の内容が増えていく」銘柄を保有すれば、株価の一時的な変動に左右されず中長期で保有しやすくなります。例えば、初年度は500円分のQUOカードがもらえていたとして、継続保有をすれば6倍の3,000円分になったとしたら? また、3,000円分の自社商品券が継続保有で2倍の6,000円分になったとしたら? 長期保有特典のある銘柄は、売買せずとも現物で保有していれば「株主優待」の利回りも自然と上がっていきます。※株価は2月21日終値

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長期保有で増える銘柄はどれだけある?


長く株を保有するほどたくさんの商品券やQUOカードなどがもらえる銘柄は多く、中には6倍にまで“増える”銘柄も存在します。

まず、家電量販店のビックカメラ(3048※)(株価1,636.5円、最低投資額16万3,650円)があります。

「株主優待」は年2回。100株では2月に2,000円分、8月に1,000円分、合計3,000円分の買物優待券がもらえます。そのうち、8月に長期保有特典があり、1年以上で1,000円分、2年以上で2,000円分が追加。つまり、100株で初年度は3,000円分でも、長期特典で5,000円分まで増えていきます。権利月は2月8月です。

※証券コード…証券取引所に上場する企業に割り振られる識別コードです。従来は数字のみの4桁で構成されていましたが、2024年1月以降に新規上場した企業には、数字だけでなく英文字も入ったコードが設定されるようになっています。

他企業のIR支援を行うプロネクサス(7893)(株価1,257円、最低投資額12万5,700円)も紹介しておきます。この銘柄は、長期保有で「株主優待」が6倍にもなります。

「株主優待」はQUOカードで、100株では1年未満は500円分、1年以上は1,000円分、そして3年以上、5年以上と段階的に増えていき、10年以上なら3,000円分がもらえます。

配当+優待利回りを計算すると、1年未満では4.53%なのに対して、“10年修行”を終えると6.52%になります(※現在の株価で計算)。権利月は3月です。

洋服ブランドのワールド(3612)(株価2,337円、最低投資額23万3,700円)も、長期保有で「株主優待」が増え、3年以上だともらえる株主優待券が倍額になります。

100株だと半年以上で1,500円分の株主優待券がもらえ、3年以上では3,000円分と倍に。また、100株のほか、300株だと半年以上で5,000円分、3年以上で1万円分。500株だと半年以上で1万円分、3年以上で2万円分になります。

さらに、ワールドの洋服だけでなく、キッチン用品も株主優待券で買えるのが魅力です。筆者は、キッチングッズショップ「212 KITCHEN STORE」で優待券を使ったことがあります。権利月は2月8月です。

リコーリース(8566)(株価5,240円、最低投資額52万4,000円)の「株主優待」も長期特典で増えていきます。

「株主優待」はコンビニエンスストアなどで使えるQUOカードで、100株、1年未満では2,000円分ですが、1年以上保有で4,000円分、3年以上保有で5,000円分がもらえます。権利月は3月です。

なお、リコーリースは最低投資額が50万円以上なので、少し割高と思うかもしれません。ただ、連続増配銘柄でもあり、2025年3月の配当予想(1株あたり175円)が実施されれば25期連続増配銘柄になります。株価が高いと思うなら、暴落時に買うなどと決めて準備をしておくのもよさそうです。

家電量販店のエディオン(2730)(株価1,721円、最低投資額17万2,100円)も、増えていく「株主優待」です。

カード式のギフトカードがもらえ、100株だと1年未満3,000円分、1年以上だと1,000円分加算、2年以上だと2,000円分が加算となり、3年以上だと3,000円分加算されて合計6,000円分にまでなります。

これが500株だと1年未満1万円分、3年以上4,000円分加算となり、合計1万4,000円分に。最高1万株保有の優待まであります。家電量販店の「株主優待」ではあるものの、エディオン公式通販ではペットボトル飲料などが買えて食費節約にも効果があります。権利は3月です。

通信機器のリースなどを行うNECキャピタルソリューション(8793)(株価3,820円、最低投資額38万2,000円)も、長期保有で増えていきます。「株主優待」はオンラインカタログギフトで、100株では1年未満2,000円相当額ですが、1年以上は3,000円相当額に。500株になると1年未満1万円相当額、1年以上1万5,000円相当額になっていきます。権利月は3月です。

「株主番号」を変えないテクニックは?


長期保有をするために大事なのは「株主番号」を変えないことです。そのためには、ちょっとしたテクニックや守っておきたいことがあります。

「株主番号」とは、株主の情報を管理するための番号で、売買や貸株などで「株主番号」が変わってしまっていては、長期保有とみなされません。

基本的には、売買をあまりせずに100株は残しておくようにしましょう。

また、少し上級者向けのテクニックですが、200株以上保有しているなら暴落時は“100株だけ残して”早めに売って「安く買いなおす」方法もあります。うまく売買すれば、これで損失を大きくしないばかりか、平均取得価格も下げられます。

また、「株主番号」を変えない裏ワザ的なテクニックもあります。それは、端株・単元未満株(1単元100株で単元に満たない株)でまずは1株だけ保有して、権利のタイミングごとに株主優待が取得できる株数(100株以上)を一瞬だけ保有する方法です。ただし、「長期保有」のため、半期(1年に2回)や四半期(1年に4回)のいわゆる“抜き打ちチェック”のような株主の確認(企業が行う株主確認)があるなら、そのタイミングで「株主優待」が取得できる株数を保有しておく必要もあり、失敗するリスクもあると理解しておきたいところです。

なお、3月の権利でも、3月と9月の半期ごとのチェックのほか、企業によっては四半期ごと(3月、6月、9月、12月)の確認をする企業もあります。

また、「貸株(株式を機関投資家などに貸して金利を受け取るサービス)」を利用しても「株主番号」が変わってしまうこともあるため、注意が必要です。

そして、改めての確認ですが、「株主優待」制度の突然の廃止があれば、せっかく期待していた長期保有特典も受け取れなくなることは覚えておきましょう。まさかと思っていたことも「起こりえるかもしれない」と考え、配当利回りが高めの銘柄を買っておく、分散投資を心がけるなど、ご自身なりの対策も取っておけるとよいでしょう。


NECキャピタルソリューションのオンラインカタログギフトのみかん(筆者撮影)

〈「株主優待」とは?〉

ここで、「株主優待」について説明しておきます。私たちが株を買うと「株主」になれます。企業は株主に対し、割引券や優待券、お米やカタログギフトなどをプレゼントすることがあり、これが「株主優待」です。

〈「権利付最終日」とは?〉

権利付最終日とは、株主がその銘柄を保有することで、配当金や優待などの株主権利を得られる最終取引日のことです。

つまり、配当金や「株主優待」などを取得するためには、企業が決める「権利確定日」に、株主として株主名簿に記載されている必要があります。

例えば、2025年3月末の権利付最終日は3月27日、権利落ち日は3月28日です。そのため、3月末に優待を実施している企業の「株主優待」の権利を受けるためには、3月27日までに株を買っておかなければなりません。

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