「そんなの関係ねぇ!」…じゃない!? 小島よしおが小学生150人に教えた“お金と人生”の特別授業

2025年3月10日(月)11時4分 マイナビニュース


東京・日本橋で3月3日、小学6年生を対象に「学校では教えてもらえない」お金にまつわる特別授業が行われた。講師を務めたのは、教育系YouTube動画や子育てに関する発信などで親子に人気のお笑い芸人・小島よしおさん。ひな祭りである当日、会場となるCOREDO室町15階の日本橋三井ホールには、日本橋エリアの3つの中央区立小学校、常盤小学校・日本橋小学校・阪本小学校の6年生、合計150名超が集まり、大盛り上がり。学びへの意欲と笑いで包まれた。
○小島よしおさんが考える「3つの資産」とは
三井不動産が日本橋エリアの小学6年生に向けて、「学校では教えてもらえない」をコンセプトに実施する授業形式のイベント「日本橋みらいスクール」。今回の特別授業はその第4回目。今回の授業で取り上げるのは「金融」だ。大人であっても苦手意識を持つ人が多いテーマだが、授業内容は「資産」というものをもっと根源的・本質的に考えるところから始まるものだった。
3種類の制服の子どもたちが一堂に会する風景は、なかなか見られないもの。時間になると、それまで賑やかにしていた生徒たちもみな、真面目に着席。静かに授業が始まった……かと思ったら、いきなり講師の小島よしおさんが登場! 会場の小学生たちは大喜び。会場の子供たちとの掛け合いで、楽しく授業が始まった。
小島さんが、「“資産”と聞いてイメージするものは?」を挙手で子どもたちに問いかけると、「経験」「思い出」など、それぞれに深い回答があがった。小島さんが考える資産は、「人脈資産」「ギャグ資産」「金融資産」の3つ。自分の経験を引き合いに出しながら、人の繋がりがあって自分の持ちネタが生まれたことや、芸人にとっての「商品」にあたるギャグ、つまりネタはいくらあっても良いという点で資産に通ずる、言い換えれば「スキル資産」であると説明。さらに、そのスキル資産を得るためには、お金が必要だと解説した。
「資産っていうのは、あればあるほどいい、増えたら嬉しいなっていうものだと私は思ってるので、このギャグ(スキル)もやっぱりあればあるほどいいんじゃないかな」
また、これらの「資産」を得るためには何より「心の健康」が必要だと続け、そのためには「人と比べないこと」を推奨。SNSを通してすぐに他人と比べてしまいがちな現代において、キーワードとして「比べるのを止める」を短縮して「比止(ピーヤ)」だと、自らの持ちネタに繋げる小島さんならではの処世術を披露した。
「なるべく自分のやっていることだったり、自分の目標に向かってしっかりと毎日積み上げてことが私は大事だと思うので、この比べるのをやめようっていうのをですね、ぜひ心の中に置いておいてほしいなと思う」
○「ワクワクする未来」をまず考え、次に必要な物とお金を準備する
2時間目は、金融の専門家として三井住友トラスト・資産のミライ研究所 研究員の矢野礼菜さんが講師に立ち、よりお金という側面から学んでいく内容に。会場の小学生たちがあらかじめ考えてきた「私のワクワクする未来とそのために必要なもの」に紐付ける形で、お金とのあるべき付き合い方について解説。矢野さんは「ただお金はたくさんあればいいわけではない」という。一番重要なこととして、「考える順番」について強調した。
「皆さんの幸せのために必要なのは、自分にとってワクワクする未来。これがなんだろうって考えることがめちゃめちゃ大事です。たとえたくさんお金があっても、どうしたら自分が楽しいのか、嬉しいのか、幸せなのか、ワクワクするのかっていうことがわかっていないと、お金はその力を発揮することはできません。お金がなくても作れる資産というのはたくさんあります。なので、まずは自分のワクワクする未来がどんな未来なんだろうということを考えることが必要で、それを考えた上で、その未来を実現するために必要なものとお金を準備するということが大切になります」
そしてお金の上手な使い方として、もらったお金を使う前に一部を貯め、残ったお金を使う方法=「先取り貯蓄」を解説。さらに、そのお金をどう貯めるのかその「お金の置き方」の方法として、「貯蓄」と「投資」という2つの方法があると説明した。
「どっちの置き方が正しくてどっちかが間違っているというものではまったくなくて、どっちも違う特徴を持っているので、それぞれこういうものだってことを理解した上で、皆さん自身がどういう風にお金を置いてくかを考えないといけません」
その上で、日本とアメリカで比較すると貯蓄に回すか投資に回すか、真逆といえるほど割合が異なることを紹介。「これから学ぶ機会はたくさんあるので、ぜひそのチャンスを逃さないようにして貯蓄と投資のへの理解を深めて欲しい。今後、皆さんが大きくなって、自分で自分のお金を管理するようになった時に、どういう割合で置いておけばいいかっていうことを考えて実践していってもらえたら」と締め括った。
○グループで3つの「資産」とその理由を発表
3時間目からは実践形式の時間。まず個人ワークとしてそれまでの2人の授業を聞いて、改めて自分で考えてきた「ワクワクする未来とそのために必要なもの」について、さらに必要だと気づいた「資産」について書き出す時間が設けられた。スタートの合図とともに、子どもたちはそれぞれに一斉にシートに書き始める。
ある程度書き出しが終わったタイミングで、今度はグループごとに分かれて自分が考える「未来」と「資産」について発表して書き出し。最終的には、その中から特に大事だと思う資産を話し合いで3つに絞り、それを模造紙にまとめて発表するというグループワークの時間になった。
真っ白な模造紙とカラフルなペンを与えられて、表現は自由。子どもたちはそれぞれ思い思いに自らの意見を出し合い、ああしたらこうしたらと夢中になって自由にまとめていく。
あっというまのグループワークの時間が終わり、発表会。「重要な資産3つとその理由について発表してくれるチームは手を挙げてください」と司会が声をかけると、我こそはと次々に元気な声とともに挙手が。時間の関係で限られたグループにはなったが、それぞれグループごとに個性を発揮し、どの小学校からもどのグループからも考え抜いた意見が提示された。
同級生が良い発表内容だと思えば、グループは異なっても、自然と拍手で讃える姿も。大人のセミナーやイベントで、こんなに目を輝かせて積極的に学びを自分のものにしようとする姿勢はなかなか見られない光景だ。
○「挑戦する心を持ち続け、誰かの挑戦を応援してあげられる人に」
小島さんは、発表で資産の一つとして挙げられた「挑戦」という言葉を出し、「みんなぜひこの挑戦する心をずっと持ち続けてほしいし、誰かが挑戦していることを応援してあげられる、そういう心の広い人になってほしいなって思います」と締め括った。
そして突然、みんなの期待に答える形で、お決まりの海パンスタイルになり、持ちネタを披露。会場の子どもたちは大喜び。一緒にやりたいと手を挙げた子どもたちをみんなステージに上げ、最後はみんなで一緒にステージで「そんなの関係ねぇ」「おっぱっぴー」と締めて大盛況で授業は終わりとなった。
かつて金融街だった兜町も内包する日本橋。また、この地域は江戸時代から寺子屋や私塾が集まる文教エリアでもあった。お金という資産をいかに上手に使い、他者との関係性も築きながら自らの人生を切り拓くのか。真に自主性をもつ子どもたちが増えるほど、街の未来、国の未来、世界の未来はきっと明るい。彼らの笑い声と、真剣に幸せを考える眼差しに、大人たちの私たち自身も学べることは無限にあると教えられた特別授業だった。
吉澤志保 よしざわしほ 雑誌出版社、不動産広告代理店、不動産アプリ・SaaS開発会社を経て、フリーランスに。文章と写真をベースに、紙やWEB、SNS、アプリなど媒体を横断し、多角的な視点で見た構成・切り口設計を考えるのが得意。地方好き・移動好き。都心のミニマムな戸建賃貸で、日々地方とよりよく繋がり続ける方法を模索中。 この著者の記事一覧はこちら

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