福井県職員、新幹線延伸が嬉しすぎて「オリジナル応援歌」2曲も制作 妙に胸がアツくなるから全人類に聞いてほしい
2024年3月13日(水)8時0分 Jタウンネット
ようやく......ようやくである。2024年3月16日、北陸新幹線が延伸する。
15年3月14日に長野〜金沢間が開業してから8年。流線形の車両は、福井県の敦賀まで走るようになる。楽しみにしている人も多いことだろう。
だがしかし、こんなモノを作ってしまう彼ら以上に開業を心待ちにしている人は、居ないのではなかろうか。
北陸新幹線応援歌「北陸新幹線がやって来る。ヤァ!ヤァ!ヤァ!」——その名の通り、北陸新幹線を応援する歌は、23年9月28日にYouTube上で公開された。
投稿者は福井県新幹線建設推進課。動画の紹介文には、こう書かれている。
令和6年3月16日の北陸新幹線(金沢・敦賀間)開業を記念して、職員が自ら応援歌を作詞、作曲しました。
長い間、新幹線が来ることを待ち望んでいた思いをシンプルかつストレートに歌ってみたので、是非聴いてください。(良ければ、一緒に歌ってみてください。)
なんと、福井県新幹線建設推進課は、新幹線が福井にやってくることが嬉しすぎて、オリジナルソングを作ってしまったというのだ。県庁職員自ら応援歌を作詞作曲とは、かなり気合が入っている。一体、どんな歌なんだ......!?
さあ皆さん、イヤホンの準備をどうぞ。一緒に「北陸新幹線がやって来る。ヤァ!ヤァ!ヤァ!」を聞いてみようではないか。
ほとばしる熱い思いに何故か感動
なんだろう、この感動。なぜだろう、この感動。24年3月11日夜の時点で1085回しか再生されていないのが信じられないほど、熱くて良い曲だな......。
皆さんだってもう、サビのフレーズが歌えるようになっているはずだ。「新幹線が来るよ 新幹線が来るよ 新幹線が来るよ かがやきが来るよ」。ほら、もう節を付けずには読めないでしょう?
妙に頭に残るサビのフレーズ。やたら中毒性のあるメロディ。しつこいくらいに「新幹線が来るよ」と繰り返されたからこそ、胸に迫ってくる彼らの思い。
すごい速さでやってきて、すごい速さで走っていく新幹線。彼らは長い間、彼らの街にそれがやってくるのを待っていた。
そして、3月16日。待ちに待った新幹線がやってくる。
「自分の街に新幹線がとまる」。それがどれほど特別なことなのか。生まれた時から新幹線と共にある横浜生まれの記者が当たり前に享受していたすばらしさを、この歌は教えてくれる。
そうだ、新幹線って、思わず歌を作っちゃうほど、すごい電車なんだよね——!
福井県新幹線建設推進課自身も、「新幹線が福井に来て嬉しいよ〜!」の気持ちをより多くの人に伝えたかったのだろう。「北陸新幹線がやって来る。ヤァ!ヤァ!ヤァ!」の他にもう1曲、応援ソングを作り、公開している。
「SHALL WE GO TO FUKUI BY KAGAYAKI?」。メロディもガラッと変わり、歌詞は英語だ。こちらも23年9月28日に公開されていて、今のところ987回再生。
動画の説明欄には「世界中から "かがやき"に乗って福井に来て欲しい」という思いから英語で作詞しました」とある。これなら、インバウンドにも気持ちが伝わるね......!
2曲ものオリジナルソングが生まれるほど、福井で心待ちにされている北陸新幹線。
まもなく開業! とドキドキが高まりつつある3月4日、Jタウンネット記者は楽曲の制作者の思いを聞くことが出来た。
「自分たちだからこそ伝えられることがある」
北陸新幹線応援歌2曲の制作を発案したのは、福井県職員の中村浩規さん。現在は丹南土木事務所だが、以前は新幹線建設推進課に所属していた。楽曲はその際に作ったのだという。
「新幹線の建設工事が進んでいき、地元から期待が高まっていくのを肌で感じていく中で、福井県が長年待ち続けていた『新幹線開業』を後押ししたいといった思いから、応援歌を作って歌いたいと思いました」(中村さん)
作詞作曲は中村さんが務めた。ギターボーカルも担当した。「現場を誰よりも知っている自分たちだからこそ伝えられることがある」と、ベースとコーラスに同僚の塚谷義昭さん(現在は福井県三国土木事務所に所属)を誘った。2人で力を合わせて作った応援歌だ。ちなみにドラムは打ち込みだ。
楽曲作りは、聞いてすぐに歌詞やメロディが頭に残るように意識して行ったという。老若男女関係なく覚えてもらうためだ。
たしかに、一度聞いてから、記者の頭にはずっと「新幹線が来るよ」が流れている。中村さんの狙い通りだ。
「演奏もすごくシンプルなので、誰でも練習すればすぐ弾けます(笑) みなさん歌ってください」(中村さん)
さて、中村さんと塚谷さんの熱い思いがこもった応援ソングは今のところ、残念ながら何にも活用されていない。勿体ないことこの上ない。もっと皆で歌ったらいいのに。
「特に予定はありませんが、要望があれば中村、塚谷は世界中どこでも駆けつけて歌います。お待ちしてます」と、中村さんも前向きな姿勢を見せていることだし......。
2曲が公開された23年9月28日から、約5か月。福井・敦賀開業がいよいよ目前になった今、新幹線を心待ちにしていた彼らは何を思うのか。
中村さんに問うと「個人の思いとしてですが」と前置きし、こう答えた。
「(新幹線建設推進課で)用地買収を担当していた頃は様々な懸案があり、本当に開業できるのか? と疑問視していたので、未だに信じられないな、という思いです。
福井県が長年待ち望んだ北陸新幹線をみんなで盛り上げましょう」
応援ソングを聞いていると、福井県民にとって北陸新幹線は、まさに「かがやき」のような存在なのだなと、ほろりときてしまう。
来る3月16日まで、記者はこの「応援ソング」を口ずさんでしまうことだろう。皆さんもどうか一緒に歌って、記念すべき延伸日を待っていてほしい。