麻しん(はしか)患者急増、国内感染が増加
2025年3月27日(木)16時15分 リセマム
麻しん累積報告数の推移
国立感染症研究所は3月25日、麻しん(はしか)発生動向調査(3月19日現在)の速報を公開した。2025年の累計報告数は32人。このうち、第10週(3月3日〜9日)の報告数が10人、第11週(3月10日〜16日)の報告数が12人で、少なくとも22人は3月以降に感染していた。
第11週の麻しん報告数を都道府県別でみると、「埼玉県」3人、「東京都」2人、「千葉県」「神奈川県」「滋賀県」「京都府」「大阪府」「兵庫県」「山口県」が各1人。
2025年第1週〜11週の患者を年齢別にみると、「20〜29歳」44%、「30〜39歳」25%、「40〜49歳」16%、「0歳」13%、「5〜9歳」3%の順に多い。
推定感染地域は第5週〜第10週まで海外がもっとも多かったが、第11週は海外感染が4人に対し、国内感染が8人となり、感染経路が身近になっていることがうかがえた。海外の推定感染地域は、ベトナム、タイ、イタリア、フランス、パキスタンなどの報告が寄せられている。
麻しん(はしか)は麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症。感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2〜3日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹が出現する。感染力が強く、空気感染もするので、手洗いやマスクのみで予防はできず、予防接種がもっとも有効な予防法となっている。免疫を持っていない人は、ほぼ100%発症。先進国であっても1,000人に1人は死亡することがあるという。