「子どもがなかなか勉強しない」ときは、机周りと休憩時間の声掛けを見直して
2025年4月3日(木)8時25分 All About
中学受験は、親のサポートが合否を左右すると言われています。しかし、子どもが自ら進んで勉強する姿勢も大切です。今回は『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』から子どもが勉強する環境づくりと声かけの仕方について抜粋し、紹介します。
とはいえ、子どもが自分から進んで勉強する姿勢も中学受験には大切です。どんな環境を整えたら、子どもが自ら進んで勉強するようになるのでしょう。休憩時間に親が子どもに声をかけるポイントは?
今回は、8人きょうだいの長男が通塾なしで開成中学校へ合格したオトクサさん宅の自学自習法を、書籍『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』から抜粋し、紹介します。
まずは環境を整える
目的:子どもの集中力を維持させるやり方:余計なものを机に置かない、壁に貼らない、余計な声かけをしない
ここでいう環境とは物理的に勉強に集中できる環境を整えるということです。オトクサ家は8人きょうだい10人家族で暮らしているため、勉強中にきょうだいがうるさいというのは仕方ないと割り切るしかありません。代わりに、それ以外の点で集中の妨げになるようなことは、できる限り取り除きたいと考えています。 まず、机周りの整理は以下のことを徹底しました。
・机の上には、手の届く範囲には何も置かない
・勉強中、視界に入るところに余計なものを貼らない
・勉強の途中に飲食はしない
当たり前のようですが、多くの家庭ではあまり意識していないことなのではないでしょうか?
もちろん何も置いていなくてもぼーっとすることはあります。ただ、机の前に別の教科の問題集がおいてあったり、手がすぐ届く場所に漫画の本棚があったりしませんか? この誘惑を取り除くのも親の仕事なのかなと考えています。
また、歴史表など暗記ポスターを部屋の壁に貼ってしまいがちです。しかし、他の科目の勉強中に目に入ると、むしろ集中力の妨げになると私は考えています。算数の問題を解いていて、ふと目の前を見たら植物の一覧があったらイヤじゃありませんか?
部屋でなければいいだろうと、トイレやお風呂の壁に貼るタイプの語句や理科の暗記シートを購入したこともありました。しかし、オトクサ家の場合は以下の理由で効果がありませんでした。
・風呂に浸かりながら見上げるので首が痛くなる
・ちびっこたちがやぶる
・一瞬で景色のひとつとなり存在に気づかない
結果として、「これのおかげでいつの間にか暗記していました」といった実感はほぼありませんでした。
おやつは、「子どもの」休憩時間に
「がんばってるね〜」と妻が、寒い日の朝にココアを持って行ったり、夕飯以降におやつを部屋に持って行ったりするので、止めさせるのに毎回オトクサは必死でした。子どものがんばりを労いたい気持ちはわかりますが、そろそろ疲れたかなぁと保護者が勝手に決めるタイミングではなく、本人にとって勉強の区切りが良いタイミングで休憩をとらせ、勉強とのメリハリをつける方が良いのです。
今やっている勉強の妨げになる可能性を排除するのも、子どもの自走のお手伝いのひとつではないでしょうか。
POINT
・勉強机に座った時に、視界の範囲に置く物は必要最小限に・壁に貼る暗記系ポスターは成果につながらなかった
・休憩は、子ども自身の区切りがいいと思うタイミングで
勉強時間の変更は、事前に予告して
目的:十分な時間を与えることで、心の準備と覚悟をさせるやり方:新しいチャレンジについては、必ず事前に具体的な内容を伝える
受験勉強を始めてしばらくすると「このままの勉強量だとヤバい」「1日30分でも勉強時間を増やしたい」そう思うことはどのご家庭でもあると思います。そしてそれは、親子喧嘩の種でもあります。
テストの点数が悪くて、「明日から6時起き!」と言ったり、夏休みの直前に「夏期講習は週6日もあるからね!」と伝えたり。こういった「突然の勉強量アップ宣言」は、確実に子どもが反発します。
「何それ、聞いてないよ」
「え! 絶対やだ」
そのような親子喧嘩を回避するため、オトクサ家では事前通告を徹底しています。たとえば、
「4年生になったら、朝6時起きで勉強ね」
「6年生になったら、友達と放課後に遊ぶのは週1回ね」
「夏休みは、1日10時間の勉強スケジュールね」
遅くても2か月ほど前には伝えるようにします。子どもにとって、2か月先なんて、もはや1年先と同じくらいの感覚なので、何を言っても「ふ〜ん、わかったぁ」くらいの感じで捉えます。
19世紀のフランスの哲学者ポール・ジャネが発案した「ジャネーの法則」によると、「人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する」そうです。わかりやすくすると、10歳の子どもは40歳の親の4倍時間を長く感じるということ。「あぁ受験本番まで1年きったよ」、と親が焦っていても、子どもにとっては4年も先の感覚ということです。
親が焦っていくら声がけをしても、子どもはまったくエンジンがかからない……といった悩みは、もしかしたらこれが理由なのかもしれませんね。
早めに宣言することに加え、ことあるごとに口に出すことで親の本気度を伝えると共に、本人に心の準備もさせていきます。もちろんそれでも納得しない子どももたくさんいるはずですが、ここにもオトクサ家ではひと工夫し、最初はあえて高めの目標を提案しています。
たとえば、実際は「6年生の夏休みは、1日8時間は勉強してほしい」と思っていても、最初は「10時間」と提案します。
「え! 10時間なんて絶対に無理」
「じゃあ8時間にしようか」
「うん、それならいいよ」
そうやって少し緩くしたように見せて、実は子どもにさせたかった本当の勉強時間に着地させるのです。
さらにもうひとひねりして、実際に数日間、その厳しい方のルールでやって大変さを実感させます。思ったより問題なさそうならそのまま継続するし、やはり大変そうなら、「よし、がんばってるから時間を減らそうか」と提案します。
POINT
・大きな変更は、遅くとも2か月前には内容を伝える・実際より少し厳しめの目標を示して様子を見る
・子どもの様子次第で柔軟に調整できる余地を残す
特別な仕掛けは必要ない
オトクサさんの語る家庭学習法は、特別な仕掛けはありません。まずは子どもと一緒に机の周りを片付け、言葉かけの方法を変えるだけ。とてもシンプルに、子どものやる気を引き立たせる方法ばかりです。『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』には、これまでの中学受験の在り方を覆すような「オトクサ流」勉強法が多数載っています。中学受験のみならず、普段の自宅学習にも役立つこと必見の一冊です。
オトクサ プロフィール
1981年大阪府大阪市出身。小学生の時、自ら志願し 中学受験に挑戦し、私立の中高一貫校である清風中学校へ進学。中学・高校は塾に通わずに大阪大学に現役合格。現在、妻と8人の子どもとともに東京で暮らしている会社員。長男が塾なしで中学受験に挑戦する様子を描いたプログ『オトクサのほったらかし受験』では、子どもたちが自ら学び進めるための取り組みや、大家族ならではの日常を発信している
(文:オトクサ)