今から気を付けたい 更年期に悩まされがちな夜間頻尿対策 知っておきたいポイントとは【薬剤師監修】

2024年4月4日(木)19時30分 ココカラネクスト

 更年期になり、夜のトイレの回数が増えたと感じる人もいるのではないでしょうか? 夜間頻尿になると、単に夜のトイレの回数が増えるだけではなく、日中の生活にも悪影響がでる可能性があります。今回は、夜間頻尿の原因や対処法をご紹介します。

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1.夜間頻尿とは

夜間頻尿とは、排尿のために夜間に1回以上起きなければならない症状のことです。(※1)

尿道を締める筋肉である骨盤底筋のゆるみが、夜間頻尿の原因のひとつといわれています。

閉経により女性ホルモンであるエストロゲン濃度が低下すると、骨盤底筋のゆるみにつながるといわれているため、更年期になると夜間頻尿に悩む人が多くなるのです。(※2)

また、夜間にトイレに起きることで、睡眠不足になったり眠りが浅くなったりすることもあり、日中の眠気や集中力の低下を引き起こしてしまう可能性があります。

2.夜間頻尿のセルフケア

夜間頻尿は、セルフケアで解消できることもあります。普段の生活で取り入れられるセルフケア方法を、2つご紹介します。

2-1.就寝前の水分摂取に注意する
就寝前の水分摂取が習慣になっている場合、控えることで夜間頻尿を軽減できる可能性があります。

一日を通して適切な水分量を摂取していれば、就寝前に水分補給しなくても脱水の心配はありません。一日の飲み物での水分摂取量は1.5Lを目安に、夕方以降の水分摂取を控えめにすることがおすすめです。(※3)

また、アルコールやカフェインには、利尿作用があります。夜、これらの飲み物の摂取を控えることも夜間頻尿の対策に重要です。

2-2.むくみを解消する
むくみを解消することも、夜間頻尿の予防になります。

むくみとは、下半身の筋力の低下や重力の影響などによって水分を含む血液が下半身にたまっている状態のことです。

下半身がむくんでいる人の場合、就寝時に横になると、ふくらはぎにあった水分が血管内に戻り、その水分が尿となって膀胱に蓄えられます。就寝中に蓄えられた尿によって、夜中トイレに行くために目が覚めてしまうのです。

日中に着圧ソックスを着用したり、夕方に30分程度仰向けになり足を高くして過ごしたりすることで足のむくみを解消すると、夜間頻尿への効果も期待できます。

3.夜間頻尿の解消には漢方薬も役立つ

夜間頻尿の解消には、漢方薬の活用もおすすめです。実際に、泌尿器科などで自然由来の治療薬として漢方薬が処方されることがあります。

夜間頻尿には、「からだの水分代謝を整える」「膀胱の機能を正常化する」「ホルモンバランスの乱れを整える」「自律神経の乱れを整え、排尿のコントロールを改善する」といった働きのある生薬を含む漢方薬を選びます。

漢方薬は西洋薬と比べて、一般的に副作用が少ないともいわれています。根本からの体質改善を目指す人にもおすすめです。

<夜間頻尿におすすめの漢方薬>

・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
泌尿器系の働きを高めることで排尿困難や頻尿に働きかける漢方薬です。下半身の冷えや、足のむくみがある人におすすめです。

・清心蓮子飲(せいしんれんしいん)
尿を作る働きを調整し、残尿感や頻尿に働きかける漢方薬です。胃腸が弱く疲れやすい人に向いています。

漢方薬は、体質に合うものを選ばないと、効果を感じられなかったり、副作用があらわれやすくなったりする場合があります。漢方薬を使う場合には、漢方の専門家に相談できる「あんしん漢方」のようなオンラインのサービスを利用してみるのもおすすめです。

●あんしん漢方

4.朝まで熟睡して一日を元気に始めよう

夜間頻尿になると夜のトイレの回数が増えるだけでなく、睡眠不足や集中力の低下など、日中の生活にも影響します。

水分摂取のタイミングや量、むくみの解消など普段の生活のなかで取り組めることはたくさんあります。セルフケアで解消しない場合には、病院を受診するといいでしょう。

夜、トイレに起きることなく朝までしっかり熟睡して、元気な日々を送りましょう。

参考サイト
(※1)「夜間、何度も排尿で起きる」日本泌尿器科学会
https://www.urol.or.jp/public/symptom/03.html
(※2)「腹圧性尿失禁(stress urinary incontinence; SUI)」東京女子医科大学附属足立医療センター 骨盤底機能再建診療部
https://twmu-amc.jp/mce/prsurgery/type/1.html
(※3)「夜間頻尿」桜十字病院
https://www.sakurajyuji.or.jp/ambulatory/subject/nocturia/

[文:あんしん漢方]

<この記事を書いた人>あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

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