仕事での孤独感「ほとんどいつも」8%、長時間労働・年収400万円以下などで強まる傾向
2025年4月19日(土)20時28分 読売新聞
東京大学
企業などに勤める人のうち、12人に1人が仕事で孤独を感じ、長時間働く人は割合が高いとする調査結果を、東京大と北里大などの研究チームがまとめた。長時間労働の場合、同僚との雑談や会食などの機会が限られて職場内での人間関係が築けなかったり、精神状態の悪化が影響したりしている可能性があるという。
仕事での孤独感はコロナ禍以降、働き方の変化などに伴って注目されている。調査は2024年10月、オンラインで実施し、企業や役所で働く約2万4000人から回答を得た。仕事での孤独は「ほとんどなかった」「ときどきあった」「しばしばあった」「ほとんどいつもあった」の4択から選んでもらった。
その結果、「ほとんどいつもあった」と答えた人は8・3%(約1980人)だった。週61時間以上働く人では15・8%に上り、週60時間以下の人と比べ約2倍となった。男性は女性に比べ高く、未婚や年収400万円以下、30〜50歳代で孤独感が強かった。
チームの川上憲人・東大特任教授(精神保健学)によると、仕事での孤独感が強い人は、半年後の離職リスクが2・5倍になるとの調査結果もあるという。川上特任教授は「長時間労働をなくすことが職場内外での人間関係の改善につながり、仕事での孤独感を防ぐ対策になる可能性がある。離職防止になることも期待される」と指摘している。