都教委「モンスターペアレンツ」対応マニュアル策定へ、全国教職員16%が保護者対応にストレス
2025年4月28日(月)16時56分 読売新聞
東京都教育委員会は24日の定例会で、教職員に高圧的な態度をとる「モンスターペアレンツ」と呼ばれる保護者の対応マニュアル策定の有識者会議を、5月9日に設置することを明らかにした。学校の対処方法などを議論してもらい、これを基に今年度中に対策をまとめる。教職員と保護者の良好な関係構築や働きやすい職場実現につなげる。
都教委によると、有識者会議は教育学が専門の大学教授や教育問題に詳しい弁護士ら7人で構成。教職員を対象に保護者対応に困った経験を聞いたアンケートや保護者側からの聞き取り内容も参考に、対処方法や教職員のケアを議論する。12月に報告書をまとめ、マニュアルに反映させる。
定例会では、会議設置について委員から「家庭や地域とのより良い関係作りにつながることを期待している」など、賛同する意見が相次いだ。
都教委の教職員専用の相談窓口には、保護者との関係に悩む相談が寄せられている。都は、今月施行された都カスタマーハラスメント防止条例の指針で、保護者の不当な要求もカスハラ行為と明記されたこともあり、具体的な対処法をまとめることにした。
公立学校共済組合が、2022年度に全国の公立学校で教職員が受けたストレスチェックの結果を分析したところ、高いストレス状態にあると判定された約3万7000人のうち、16%が「保護者対応」を要因に挙げていた。