月に5万3千食が売れる鮮魚チェーン『角上魚類』の絶品弁当BEST3

2021年4月29日(木)10時50分 食楽web


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 首都圏郊外と新潟など全22店舗を展開する巨大魚チェーン『角上魚類』。いずれの店舗も地域密着型のため、エリア外の人は名前すら知らない人も多そうですが、各エリアでは絶大な人気を誇り、ある種のカリスマ的な支持もある人気チェーンです。

 巨大チェーンでありながら「昔ながらの魚屋」にこだわる『角上魚類』は鮮魚の対面販売のほか、寿司、惣菜など、「魚類」にまつわるあらゆるものをラインナップしています。特に惣菜カテゴリーの中でも根強い人気があるのがお弁当です。


『角上魚類』の厨房では惣菜と弁当が続々と調理されています

「たかがチェーン店のお弁当」と侮ることができません。新鮮な魚を丁寧に調理したものばかりですが、それでいて一般的なスーパーや惣菜店よりも安く設定されています。中には、惣菜コーナーがある『角上魚類』合計で月5万3千食も売り上げる弁当もあるとか。

 それだけの人気を誇る『角上魚類』の弁当の秘密を探るべく、今回は『角上魚類』へ突撃! 『角上魚類』の佐藤光徳惣菜課長のお話をお聞きしながら、その中身を徹底レポートします。

『角上魚類』の人気弁当BEST 3とは?


『角上魚類』の弁当のなかでも最も売れているという「海鮮天丼」627円(以下すべて税込)

 それでは『角上魚類』で展開される弁当のうち、特に人気のものを3つピックアップしていきます。ダントツの人気は「海鮮天丼」(627円)で、これこそが月に5万3千食、合計3千万円オーバーを叩き出す弁当です。

 乗っている天ぷらはさつまいも、キス、あなご、海老、ピーマンなどの全6種。いずれも新鮮な魚類・野菜を採用している上、天ぷらを使った弁当にありがちなフニャフニャ感はありません。いずれもサクッとした衣と、素材の旨みを感じられる贅沢な味です。

「『角上魚類』では150円で売っているえびフライと同じものを使っているので、だいぶお得だと思いますよ」(佐藤課長)


「海鮮弁当」627円の天ぷらだけを取り出したもの。新鮮な素材と、絶妙な調理が活かされています

 また、天ぷらだけでなく、タレもサラッとしたものが採用されており、天ぷらの味の良さを引き出しています。さらにシャリも、程よいパラパラ感があるお米で、冷めた状態で食べても十分美味しいです。

「他店の天丼弁当にはドロっとしたものを採用されていることもありますが、『角上魚類』では天ぷら専門店ようなサラッとした独自開発のタレを使用。また、冷めても口当たり良く感じる米を使っています」(佐藤課長)


実は最もお買い得の「銀ダラ西京焼き弁当」735円

 続いて、「海鮮弁当」に次ぐ人気弁当の一つという「銀ダラ西京焼き弁当」(735円)。『角上魚類』仕込みの絶品銀ダラに加え、副菜(エビチリ、ホタテの磯辺揚げ、ひじきなど)がのってこのお値段。銀ダラの西京焼きの濃厚な味を味わえる上、いずれの副菜も惣菜コーナーでは人気メニューとして販売されているもの。仮に、デパ地下などであれば千円代後半の値付けにしても良さそうなクオリティです。

「実は、弁当や惣菜部門で最も利幅が少ないのが、この『銀ダラ西京焼き弁当』です。735円ですけど、銀ダラ単体で486円で出しているので、ご飯や副菜をつけると利益が少なくなるので困るんですが(苦笑)。でも、前述のように他の惣菜の利幅と調整して、なんとか756円切りでお出ししています」(佐藤課長)


「牡蠣飯」411円。イレギュラーではあるものの、時期ごとに異なる旬の素材も弁当に

 そして、仕入れ時期によって異なる旬の素材を活かした弁当も人気とのことで取材時は「牡蠣飯」(411円)が飛ぶように売れていました。小ぶりのパッケージではありますが、味付けされたご飯の上に天然の牡蠣のつぶが6つも乗っています。プリップリの牡蠣の食感と、香ばしくも上品な味のご飯を楽しめます。

「こういった旬の素材を使った弁当目当てに来られるお客さんもいらっしゃいます」(佐藤課長)

何故この味にして、低価格を実現できるのかの謎


『角上魚類』業務部惣菜指導課・課長、佐藤光徳さん。角上魚類の本拠地・新潟県出身で、2001年に入社。会長から「好きにやれぇい」と言われて以来、角上魚類の惣菜を提案し続けているそうです

 弁当・惣菜ともにクオリティの高い味でありながら、低価格を実現する『角上魚類』。素人目に見ても「何故この味を、この価格で実現できるのか?」が謎であり、何か特別なカラクリがあるのではないかと勘ぐってしまうほどです。

「低価格は、惣菜や弁当ごとの利幅で調整しているんですよ。例えば、旬のホタルイカは、惣菜として303円で販売していますが、この価格でも十分利益が出ます。一方でえびフライや一部の弁当は利幅が少なく、正直値段を上げたいものも。でも、特に弁当の場合、千円近くの価格にはしたくない。そこで、前述のような利幅が多い惣菜とのバランスを調整しつつ、利幅が少ない弁当などをご提供しています」(佐藤課長)

仕入額を落としハイクオリティ・低価格を実現


人気の弁当以外にも、様々な素材を使った弁当、惣菜が展開されています

 さらに『角上魚類』全体で扱う食品ロス率は0.05%以下だそうです。通常の鮮魚店のロス率が6〜7%と言われていることを鑑みると、驚異的な数字を実現していることになります。もしかしたら「仕入れた鮮魚で、売れ残ってしまいそうな魚類は、全て惣菜にして売り切る」といった裏ワザで実現しているのかな、とも思えますが……。

「確かに昔は多少そういったこともありました。しかし、鮮度のクオリティを落としてガッカリするのはお客さんですから。今は発注の段階から『鮮魚や寿司でも売るし、惣菜でも売る』という連携を作り、お客さんに美味しくて安いものを提供できるものを仕入れています。もちろんきちんと売り切れるような徹底もしています。『角上魚類』はあくまでも『魚屋』ではありますが、これからもお客さんに喜んでいただける味、価格を実現して提供していきたいと思っています」(佐藤課長)

『角上魚類』のある種のカリスマ的な人気は、単に「美味しい」「安い」だけでなく、お客さんや食品ロスを徹底して削減など社会に対する強い思いにもあるように思いました。今回ご紹介した『角上魚類』の弁当の数々は、誰でも美味しくいただける商品だと思います。ぜひ一度お試しください!

(撮影・文◎松田義人)

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