【住宅ローン】「ペアローン」首都圏の利用率は? 返済設定期間の長期化は全国的な傾向に

2025年5月1日(木)12時54分 マイナビニュース


三井住友信託銀行が設置する「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」は4月28日、住宅ローンに関する調査結果を発表した。調査は2025年1月、全国の18〜69歳(関連業種(金融、調査、マスコミ、広告)従事者を除く)を対象にインターネットで行われた。
○直近5年以内の住宅購入者をエリア別にチェック
足元では首都圏における住宅価格や住宅ローンの借入実態に注目が寄せられる一方で、国土交通省が公表する不動産価格指数をみると、住宅価格は首都圏だけでなく全国的にも上昇傾向にあることがわかる。
住宅価格が上がるにつれて、住宅ローンの借入も高額化・長期化の傾向になるが、実際に注目が集まりやすい首都圏と、首都圏以外のエリアで住宅ローンの借入方法に差はあるのだろうか。
足元の住宅ローンの借入実態を把握するため本調査では、3大都市圏(首都圏、近畿圏、中京圏)とそれ以外(その他)の4つのエリアに分け、過去5年以内(2020年〜2025年)に住宅ローンの借入を開始した人を対象に深堀りしている。
○エリア別の住宅ローン利用実態
住宅購入者の年代は、どのエリアでも20代・30代が過半数を占めており、足元では若い世代の住宅購入者が多くいることがわかった。
また、「分譲マンションの平均価格○○万円超え」など、メディアではマンション価格に注目が集まることが多いが、住宅購入者の住居形態としては、「戸建て」の選択割合が首都圏で約7割、首都圏以外では8割以上と圧倒的な割合となっている。
住宅ローンの借入形態については、首都圏ではペアローン利用が約3割と最も高い結果となったが、中京圏や3大都市圏以外のエリアでも約2割が利用しており、ペアローン利用率の高まりは全国的な潮流であることがわかる。
金利形態については、3大都市圏では変動金利選択が7割超の一方で、3大都市圏以外のエリアでは約6割となっており、3大都市圏に比べて変動金利の選択が少ない傾向が見られた。
返済比率(年収に対する年間の住宅ローン返済額の比率)については、どのエリアも世帯年収の3割以下が主流だが、20%前後が世帯年収の4割以上となっている。
住宅ローンの返済設定期間を短くして、戦略的に返済比率を高めている、といったケースも一定数あるものと想定されるが、返済負担が大きい世帯も少なくないようだ。
返済設定期間については、どのエリアでも「35年以上」が4割超となっており、返済設定期間の長期化は全国的な傾向となっているようだ。加えて3大都市圏以外のエリアでは「36年以上」の返済設定期間も1割超と、3大都市圏よりも割合が高い結果となった。
これらのデータから、ペアローンの利用増加や返済設定期間の長期化は首都圏だけではなく、全国的な傾向であることがわかる。
○首都圏
住宅価格自体が高いことに加え、ペアローン利用も約3割と全エリアの中で最も高い結果となった。借入額5,000万円以上の割合も首都圏以外のエリアと比較して2倍以上だが、意外にも返済設定期間40年や50年といった超長期ローンの利用は少なく、住宅ローンの返済比率が世帯年収の4割以上の割合も少ない結果となっている。
○近畿圏
住宅価格は首都圏に次ぐ価格で、20代で住宅を購入する割合が約4割と、近畿圏以外のエリアよりも早期に購入する傾向かつペアローンの利用が少ないといった特徴が見られた。返済比率が世帯年収の4割以上を占める割合が高くなっているが、同時に返済設定期間35年未満の割合も高いため、返済設定期間を短めに設定している故に返済比率が高くなっているケースが一定数想定される。
○中京圏
20代・30代での住宅購入が約7割で、住居形態の内訳は新築中古含めて「戸建て」が約85%となっている。ペアローン利用は約2割、返済設定期間は35年以上が約半数、世帯年収に占める返済比率についても、中京圏以外のエリア比で特筆して高い傾向は見られなかった。
○その他
住居形態は「戸建て」の選択割合が約86%と3大都市圏よりも高く、ペアローン利用は約2割と首都圏に次ぐ割合となった。返済設定期間は、35年以上が50%超、36年以上の選択割合13.7%と3大都市圏よりも高い結果となった。返済比率については、世帯年収の3割以内に収まっている割合が3大都市圏と比較して高いことから、返済設定期間を長期化することで返済負担を抑制している可能性も推察される。

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