Y2K再燃、推し活...じゃら付けバッグが大流行の訳は?
2025年5月2日(金)15時0分 大手小町(読売新聞)
大きめのチャームやキーホルダーをバッグにじゃらじゃら付ける「じゃら付け」。最近よく目にするこのスタイルの主な担い手は、Z世代を中心とした若い女性たちです。「2000年頃」を意味する“Y2K”のアイテムだったアクセサリーがリバイバルしているのが人気の主な理由ですが、近年の「推し活ブーム」も、じゃら付け人気の背景に潜んでいるようです。

キーホルダーやチャームなどの品ぞろえでは都内最大規模を誇るのが、東京・原宿の竹下通りに面した「WEGO 1.3.5...原宿店」です。その数、実に2000種類以上。
大きな売り場の目立つ場所に、動物やモンスターなどのキーホルダーに加え、リボンがモチーフのガーリーなビーズキーホルダーなどが所狭しと並んでいます。
同店によると、10代から20代前半の女性が、購入者の多くを占めるそうです。ほぼぬいぐるみと言ってもいいくらいの大ぶりなものが目につきます。
安いものだと300円台、高いものでも700円台くらい。価格の中心帯は600円前後と財布に優しく、ティーン層でも気軽に複数買いができます。

同店を運営するウィゴー(東京・芝浦)の後藤千咲さんによると、「大人の女性、男性にも注目されています。とにかく大きくてインパクトのあるもので、動物モチーフを中心に、売り上げ好調です」と語ります。人気の注目株は、髪形がポニーテールのモンスターぬいぐるみ(税込み770円)なのだとか。「ヘアクリップを付けたり外したりして髪形を自在に変えられる点が人気の理由です」(後藤さん)
2000年代前半、女子高生がスクールバッグにじゃら付けしたキーホルダーに、サインペン「ポスカ」で落書きするブームがありました 。歌手の浜崎あゆみさんが火付け役となって、動物のしっぽのような形をした「ファーしっぽ」も大流行。当時は、ギャルっぽいファッションとして受け入れられていましたが、現代ではよりかわいらしさを強調する形で、Y2Kのアイテムが取り入れられているそうです。

アメリカで1986年に創業した世界最大規模のぬいぐるみブランド「Ty(タイ)」のキーリングも売れ行き好調です。2025年4月現在で約50種類のキーリングを販売していますが、ユニコーン、ウサギ、ネコなど動物のかわいい姿が目を引きます。どの商品も825円(税込み)とリーズナブルです。
Tyの国内での取り扱いを担っているメテオAPAC社のプレスチーフ、大野泰代さんによると、「高級で小ぶりな大人向けのバッグにじゃら付けする女性が多いです。Tyの商品は色彩が鮮やかなので、黒や茶色のバッグに差し色として活用されている方も多いようです」と語っています。
Tyのぬいぐるみ、キーリングには、すべて名前と誕生日が設定されている上、色の種類が豊富なため、意外な活用法もあるそうです。アイドルグループでは、メンバー1人につき1色のメンバーカラー、いわゆる「推しカラー」が決められていることが多いのですが、「自分の大好きなアイドルと同じ推しカラーの商品、同じ誕生日の商品をバッグなどに付けることで、間接的に推しを応援する方もいらっしゃいます」(大野さん)。
Tyのキーリングは韓国でも大流行しているのだとか。人気のアイドルグループのメンバーたちがバッグに付けたり、ベルトループに通して腰回りのアクセントにしたりといった着こなしをしているためです。日本の文化を高く評価し、模倣する「日本感性」というキーワードが当地でも注目されています。大野さんによると、韓国だけでなく、欧米の購入者も多いそうです。(読売新聞メディア局 市原尚士)