【ネタバレあり】「いちばんやりたかった」圧巻の伏線回収…「ガンニバル」シーズン2
2025年5月5日(月)12時0分 シネマカフェ
「ガンニバル」シーズン2© 2025 Disney
累計発行部数400万部を超える二宮正明が放つ衝撃のサスペンスコミックを、日本を代表するキャスト・スタッフが集結し、実写化。完結編シーズン2は3月19日から配信がスタートし、村の真相に迫るため、狂気と暴力の渦に自らを投じる主人公の警察官・阿川大悟役の柳楽優弥をはじめ、供花村を支配する後藤家の当主となった後藤恵介役の笠松将、大悟の妻・阿川有希役の吉岡里帆らが続投。
新キャストとして、妖艶と狂気を孕み、供花村に狂気のはじまりをもたらす女・若き頃の後藤銀役に恒松祐里、銀に見初められ、惑わされ、やがて渦巻く供花村の呪いに取り込まれていく神山正宗役に倉悠貴が参加。
大悟が真実にたどり着く寸前のところで幕を閉じたシーズン1だが、シーズン2では村に隠された全ての真実がついに明らかに。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
阿川大悟と後藤恵介、警察として、当主として、一人の人間として、大切なものを守る信念を貫き通した相反する2人。不思議と共闘する関係性が完結を迎え、2人の顛末に感動の声があがっている。
シーズン1での初めての出会いから、敵意むき出しの2人。後藤家がひた隠す秘密を解き明かそうと奮闘する大悟に対し、激しい剣幕を見せ後藤家を守ろうとする恵介。根本的な構図は変わらないものの、お互いの目論見に警戒しながらも、一族と会食をしたり、一緒に狩猟に出るなど、微々と変化する関係性。
本作の監督・片山慎三は、2作品を通して中核となった要素について、2人の関係性を挙げている。
「物語としては、阿川大悟(柳楽優弥)と後藤恵介(笠松将)の関係がどう変わっていくかというのがいちばん重要だったんじゃないかと思ってます。警官と後藤家の人間……立場的には敵対するところに居る二人ですが、実はだんだん奇妙な友情を育み、ある種の共闘に向かっていく。彼らの間に芽生える絆が全体の軸になるということについては、S1を撮っている時からずっと考えていましたし、『これは二人の物語にしよう』とは自分の中で最初から決めていました」と物語の終着点を見据えた一貫したディレクションを語る。
また「S1の1話で恵介と大悟が初めて会う時に、大悟が『駐在の阿川大悟です』と名前を言いかけるんですけど、恵介が『そんなもんはどうでもええ』って遮る。そこから恵介はずっと大悟を『駐在』って呼ぶんです。でも刑務所の面会室のシーンで、最後に大悟を『阿川』って名前で呼ぶんですよ。僕はそれがいちばんやりたかった」と最終話に隠された伏線回収を明かしている。
演じる柳楽と笠松は、今作が初共演。笠松は「(シーズン2で再び)柳楽優弥さん演じる大悟と文字通り共に歩き出すシーンは、自信しかありませんでした。そこに至るまでとにかく様々なことがありましたが、やっとここまで来た、隣に柳楽さんもいるという安心感がありましたし、いち視聴者としてもワクワクできました。完成した作品を観ている時の感覚が演じていたときの感覚と同じだったことは興味深いですね。ここからどう終わらせるんだろう、という期待感にも繋がっていきました」とシーズン2撮影へ臨んだ当初の意気込みを回顧。
柳楽は「シーズン1から合計で1年ほど撮影を共にしていますが、ちゃんと膝を突き合わせて話し込める方で、本当に頼りがいがあります。完全に支えていただいていました」とふり返った。
今回、最終話の話題のシーンから、そんな大悟と恵介の“人間同士”として対面する場面写真が到着。
終末を迎えたのち、恵介が収容される刑務所に大悟が面会に赴く。「元気か」という大悟の言葉に対して、いちいち棘つく恵介とのお決まりの攻防戦も、静かなる刑務所ではとても切なく響く。大悟の口から語られるのは、恵介の大切な人たちの牢屋の外での近況。
このシーンの終盤、席を立ち牢屋に戻る恵介が大悟に対し、これまでの呼称である“駐在”ではなく「阿川」と発する一言。壮絶な物語の集大成にふさわしいセリフで、片山監督の渾身のワンシーンとなっている。
「ガンニバル」シーズン2はディズニープラス スターにて独占配信中(全8話)。