給食のサバの塩焼きを食べた園児が集団食中毒、一体なぜ? 加熱調理しても防げない菌とは

2022年5月13日(金)6時1分 マイナビ子育て

食中毒と聞くとウイルスや細菌によるケースを思い浮かべることが多いですよね。しかし実は、化学物質による集団食中毒も身近で起きています。給食のサバの塩焼きを食べた園児がヒスタミンによる集団食中毒を発症した事例について、内閣府食品安全委員会が注意喚起しました。

給食の「サバの塩焼き」で集団食中毒を発症

食中毒と聞くと、ノロウイルスやO157などのウイルスや細菌を思い浮かべることが多いかもしれませんが、身近な化学物質でも集団食中毒が起こることをご存じでしょうか?

最近では、給食のサバの塩焼きを食べた園児がヒスタミンと呼ばれる化学物質によって集団食中毒を発症したことから、内閣府食品安全委員会がTwitterで注意喚起を行っています。

給食のサバの塩焼きを食べた園児がヒスタミンによる集団食中毒に。ヒスタミンは、サバ、マグロ、イワシ等が常温で放置されると生成し、加熱しても分解しません。魚は冷蔵または冷凍し、鮮度の低下した魚を食べないようにしましょう。(内閣府食品安全委員会事務局_広報)

加熱調理で防げないヒスタミン食中毒とは

ツイートに記載の通り、ヒスタミンは熱に強いので一度できてしまうと加熱調理によっても分解せず、保育園や学校において大規模な食中毒が発生することがあります。また、一見アレルギーのように見えますが集団で起こっている場合、集団食中毒であるケースが少なくありません。

食品安全委員会のファクトシート(ヒスタミン概要)によると、ヒスタミンは以下の食品に含まれていることがあります。[*1]———————————————-✅サバ・マグロ・イワシ等の赤身✅上記の魚やその加工品等✅ワインやチーズ等の発酵食品———————————————-

ヒスタミン食中毒が発症した場合、食後数分〜30分位で顔面(とくに口の周りや耳たぶ)が赤くなり、頭痛、じんましん、発熱等の症状が出ることもあります。

しかしながら重症になることは少なく、多くの場合6〜10時間で回復します。アレルギー症状と似ており抗ヒスタミン剤を投与してもらえば速やかに改善するので、ヒスタミン食中毒を疑う場合はあわてず医療機関を受診しましょう。

ヒスタミン食中毒は予防できる

ヒスタミンは見た目や臭いで判断できないので、食品安全委員会は以下の方法での予防を推奨しています。

———————————————-✅魚は速やかに冷蔵、冷凍で温度管理を徹底✅鮮度の悪い魚は食べない✅内臓はできるだけ早く取り出す✅口に入れた時に唇や舌先に刺激を感じたら食べずに捨てる———————————————-

ヒスタミンは一度発生すると加熱しても分解されません。おかずやお弁当用での作り置きも常温で放置しないよう徹底し、食中毒を未然に防いでいきましょう。

(マイナビ子育て編集部)

参考[*1] ファクトシート(ヒスタミン概要)/食品安全委員会

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