たった1つのテクニックで、部屋がおしゃれに。インテリアデザイナーが教える、フォーカルポイントの効果と実践方法
2025年5月16日(金)12時30分 婦人公論.jp
(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
おしゃれな部屋には憧れていても、「めんどくさい」「どこから手をつけていいかわからない」などの理由から、なかなか模様替えに踏み切れない人も多いのではないでしょうか。インテリアデザイナーの飯沼朋子さんは、「心地よいインテリアの秘訣は、モノを減らすことではなく『足すこと』」だとアドバイスします。今回は飯沼さんの著書『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』から一部を抜粋し、新しい模様替えの方法をご紹介します。
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フォーカルポイント(=見せ場)とは
フォーカルポイントをつくることで、そこに人の視線を誘導できて、部屋を印象づけることができます。
イギリスでは、リビングのドアを開けた瞬間に大きな絵画が目に飛び込んできたり、暖炉まわりが装飾されていたり、印象的なフォーカルポイントがつくられています。
日本では、フォーカルポイントを窓の外に置くことがあります。これは「借景(しゃっけい)」と呼ばれ、外の景色を部屋の中のアートのように楽しむ考え方です。
窓の景色に恵まれている方は、夜にカーテンを閉めても部屋がすてきに見えるように、別のフォーカルポイントもつくっていきましょう。
フォーカルポイントは、1つに絞る必要はありません。第一印象を決める場所を美しく整えたら、視線が行く場所を次々につくっていけると理想的です。
フォーカルポイントの効果
効果1 部屋全体の印象がよくなる
部屋の印象は、最初に目に入るシーンやアイテムで決まります。居心地のよさそうなシーンがあれば、自分も家族も部屋が心地よく感じられます。家に帰ったときにホッとできます。
『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』(著:飯沼朋子/飛鳥新社)
効果2 視線が定まると心も落ち着く
フォーカルポイントがあると空間にメリハリが生まれ、視線が定まります。その結果、心も落ち着きます。逆にフォーカルポイントがないと、装飾の多い少ないにかかわらず部屋全体が散漫に見え、なんだか落ち着きません。
効果3 見たくない部分に視線が行かない
視線を見たい部分に誘導すると、ちらかりなど見たくない部分が気にならなくなります。ソファに服が脱ぎっぱなしでも、背後の壁にアートなどがあってすてきな光景ができていれば視線はそちらに誘導され、脱ぎっぱなしの服が目立たなくなります。
部屋を印象づけるフォーカルポイント。(写真:『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』より)
まずはリビングにフォーカルポイントをつくる
すべての場所にフォーカルポイントをつくるのは大変ですので、まずはリビングにフォーカルポイントをつくることを考えましょう。
リビングなどの部屋は、ドアを開けたときに視界に入るモノがより広範囲になります。
第一印象を決める場所は、ドアを開けた先の「対角線の角をはさむ2面の壁」です。
ここにフォーカルポイントをつくりましょう。
フォーカルポイントをつくる方法
どの部屋にも通じる考え方とテクニックをご紹介します。
「イマイチなインテリア」をおしゃれで心地のいい空間に整えてくれる方法なので、ぜひ実践してみてください。
【イギリス流インテリアのテクニック】「ウェルカム」
「ウェルカム」を意識しよう
家具の配置によって、部屋の雰囲気は大きく変わります。まずは「ウェルカム」を意識した配置にしましょう。
「背中を見せない」家具の配置にする
部屋に入った瞬間に「ようこそ!(ウェルカム)」と歓迎してくれる雰囲気の部屋と、せっかくドアを開けたのに、みんながそっぽを向いていると感じる部屋。どちらが魅力的かは一目瞭然ですよね。
歓迎してくれるような雰囲気の部屋をつくるには、片づけや花を飾ることももちろん正解ですが、「家具の配置(向き)」がとりわけ大きなポイントです。
※本稿は、『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
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