いじめ「いけないと思わない」2割、熊本県教委が児童生徒を調査…小学生の17%「いじめられた」
2025年5月19日(月)16時7分 読売新聞
学校でのいじめの実態を把握するために熊本県教育委員会が昨年度に行ったアンケート調査で、「いじめはいけないことだと思うか」との設問に約2割が「思わない」と回答した。県教委は「この状況を改善していくことが、いじめ件数の減少に直結していく」としている。
アンケート調査は昨年11、12月、熊本市立を除く県内の公立小、中、高校と特別支援学校の計10万7368人を対象に実施し、98・5%が回答した。
県教委によると、いじめの認識に関する設問は今回から新たに加えた。回答の内訳は「どんな理由があってもいけないことだと思う」が82・9%(8万7729人)を占めた一方、「理由によっては思わない」が15・7%(1万6606人)、「理由にかかわらず思わない」が1・4%(1453人)に上った。
このほか、「今の学年でいじめられたことがある」と答えたのは、小学校で16・6%(8625人)、中学校で4・3%(1177人)、高校で1・0%(247人)、特別支援学校で3・3%(50人)で、割合は前年度と同程度だった。相手はいずれも「クラスの人」が多く、内容は小学校では「殴られた、蹴られた」が最多の29%、中学校、高校では「冷やかし、からかい」がそれぞれ50・1%と42・9%で最も多かった。
また、「学級にいじめをゆるさない雰囲気があるか」には、2割前後が「分からない」と回答しており、県教委は「自信をもって『ある』と答えられる学級づくりに向けて支援をする」としている。
アンケート結果は13日に公表され、県教委のホームページで公開されている。