鹿児島焼酎Bar 鹿(ROKU)に聞く、初夏のイチオシ焼酎3選
2025年5月24日(土)10時0分 マイナビニュース
夏になるにつれて焼酎のおいしいシーズンがやってくる。だが焼酎大国・鹿児島には多様な焼酎があり、なかなか自分好みの一杯を選ぶのが難しい。そこで今回は「鹿児島焼酎Bar 鹿(ROKU)」で初夏に楽しめる焼酎を3本チョイスしてもらった。
○109社もの焼酎メーカーがある焼酎大国、鹿児島
言わずと知れた焼酎処、鹿児島県。とくに薩摩藩に由来する芋焼酎は全国に知れ渡っており、県内には数多くの蒸留所が存在している。どの蒸留所にもそれぞれ個性があり、自分に合った焼酎を探すのもお酒好きの楽しみのひとつだ。
とはいえ、鹿児島県内には109社(※2025年5月現在)もの焼酎メーカーがある。中心になるのは芋焼酎だが、米焼酎や麦焼酎、黒糖焼酎なども造られており、そのすべてを個人で試すのは難しいだろう。
そんなわけで焼酎メーカーさんに教えてもらったのが、鹿児島市の繁華街・天文館にある「鹿児島焼酎Bar 鹿(ROKU)」。
鹿は600種類以上の焼酎をラインアップしており、小瓶のみでしか販売されてない銘柄なども取り扱うという、焼酎好きにはたまらないお店だ。海外から来店される方も多いそうで、お酒好きの方はぜひ一度訪れてみてほしい。
同店の店長を務めるのは、アメリカ出身ながら焼酎に魅了されたというエイリー・麻弥さん。これからの暑くなる季節におすすめの焼酎を伺ってみよう。
○エイリーさんが薦める初夏の薩摩焼酎3本をいただく
一本目は、さつま町にある軸屋酒造の芋焼酎「麗 うるわし white」。ロックでいただく。
しっとり食感とやさしい甘さが特徴のサツマイモ「紅まさり」を使い、ワイン酵母を使ってかめ壺で仕込んだ数量限定商品だ。フルーティで華やかな香りで、甘すぎない上品な甘味があり、アルコール感はふわっと抜けて飲みやすい。なるほど、まさに5〜6月にぴったりの一本だ。これは芋焼酎が苦手な方でも楽しめるのではないだろうか。
「軸屋酒造さんは社長が女性の方で、ラベルなどもかわいく華やかにデザインされています。“THE 芋焼酎”という感じではなく、フルーティさがあって女性にも人気です」(エイリーさん)
二本目は、奄美市にある西平酒造の黒糖焼酎「ISLAND」。ハイボールでいただく。
奄美の海を表現しているというターコイズグリーンのデザインは焼酎っぽさを感じさせないが、アルコール分40%のれっきとした焼酎だ。飲み口はスッキリさわやか、クセがない。それでいて後から甘みを感じ、さっと抜けていく。カクテルベースにすることも想定して作られているそうで、食事にも合わせやすそうだ。ともすれば、焼酎だと気づかない人も多いだろう。
「黒糖焼酎は鹿児島県奄美市にある5つの地域だけで製造が許されています。“こくとう”に合わせて5月9日、10日にはイベントも行っているんですよ。西平酒造も社長は女性の方で、いままでにない焼酎、いままでにない楽しみ方を発信されています」(エイリーさん)
三本目は、鹿屋市にある大海酒造の芋焼酎「大海庵」。こちらはお湯割りでいただいた。
こちらはサツマイモの発酵途中に大隅半島産の茶葉を加え一緒に仕込んだという、一風変わった一本。40〜50度くらいのお湯で割ったことで、お茶と焼き芋のような香りがふわっと漂ってくる。芋焼酎のお湯割りは苦手という人も少なくないと思うが、口に含むとちょっと渋みのあるお茶の風味が開き、素敵な調和を楽しめる。暖かくなった夜に、じっくりと楽しみたい一杯だ。
「実は昨年、鹿児島県の荒茶生産量は静岡県を超えて日本一になったんですよ。ちなみに当店では、お湯で割るのではなく、水で割った後、燗付けしています。お湯の温度が高すぎるとアルコールが飛んで嫌な臭いが出やすかったりするんですね」(エイリーさん)
俳句において「焼酎」は夏の季語だそうだ。これから暑くなるにつれ、焼酎はどんどんおいしく飲めるようになっていくだろう。みなさんも鹿がオススメする焼酎を試してみてはいかがだろうか。