【仕事の任せ方】不人気リーダーは「用事」を言う、任せ上手なリーダーは何て言う?

2025年5月26日(月)7時0分 マイナビニュース


この記事では、2万人以上のリーダーと向き合ってきたエグゼクティブコーチが、現場で使える超実践的なメソッドを紹介する『チームが「まとまるリーダー」と「バラバラのリーダー」の習慣』(林健太郎/明日香出版社)から一部を抜粋してご紹介。今回のテーマは「チームがまとまるリーダーは『助かる』と言い、バラバラのリーダーは『用事』を言う。」
○チームがまとまるリーダーは「助かる」と言い、バラバラのリーダーは「用事」を言う。
「任せることが大事」と言うと、多くの人がこう言います。
「でも、やり方がわからない」
それもそのはず。ほとんどのリーダーは、前項の「転換点」を知らないままリーダーに任命されるため、正しい任せ方を教わる機会がありません。結果、自己流の任せ方になり、失敗しては悩むのです。
そこでまずは、知っていただきましょう。任せるとは、任せたい用事を伝えることでは「ない」、ということを。
例えば、チームがバラバラのリーダーはこんな風に仕事を依頼します。
「監査の日までに仕上げておくべき仕事は、1と2と3と4と……」
「あなたは1、あなたは2、あなたは3をお願い。提出形式はコレコレで……」
別に、間違ったことは言っていません。任せる際、必ず伝えるべき情報でもあります。「なのに、残念なものを仕上げてくるのはなぜなんだ!?」と首をひねります。
ちなみにその提出物を受け取る際、たとえ出来栄えがいいときでさえ、「問題ないです」としか言いません。
任せるときも受け取るときも、用事しか言わない。これで部下は、「やるぞ」という気になれるでしょうか?
「いやいや、仕事なんだからやって当たり前でしょ?」と反論されてしまいそうですが、実際、部下の仕事ぶりは今ひとつで、成長もしないでしょう。
一方、チームがまとまるリーダーの場合、用事を言うところまでは同じですが——
「○○してくれると『助かる』、『嬉しい』」
「○○さんに任せたら安心」
などの感情を伴った言葉で伝えます。
任せた後も、「今日も頼むね!」「あの件、順調?」と声かけをし、成果物を受け取った
ときは出来不出来にかかわらず「ありがとう!」を欠かしません。
このように、担当を割り振るだけでなく「任された喜び」を感じてもらうことが大事なのです。ここまでやって、はじめて「任せる」は完成します。
上司が「任せたよ」と言うのはまだ中途、部下が「私に任せて!」と思うのがゴールだと思ってください。
ここまで読んで「自分は部下時代、『用事だけ』の任され方だったけどな」と思った方もいるでしょう。
以前なら、それでよかったのです。有無を言わせず部下を引っ張るリーダーが、「統率
力があっていいリーダー」とされた時代だったからです。
しかし今どき、「俺についてこい」タイプのリーダーは支持されません。部下は「ハイ、ついていきます!」と答える代わりに、転職先を探しはじめるでしょう。
これからの時代に成果を出すのは、「ついてこい型」ではなく、メンバーのさまざまな能力を引き出して新しいものを作る「共創型」のリーダーです。
部下が仕事に喜びを感じない限り、共創型のチームを作ることはできません。その出発点が、「任せる」です。
「任されて嬉しい」と感じたとき、部下の仕事には熱が入ります。
やがてそれは、パフォーマンスに反映されます。結果、部下はさらに喜びを感じ、もっと成長しようと心に決めます。自分の強みや個性を活かそう、という意識も強まります。
そのサイクルを回していくこと——それはリーダーにとって、業務と同じくらい重要な役割なのです。
○『チームが「まとまるリーダー」と「バラバラのリーダー」の習慣』(林健太郎/明日香出版社)
部下のやる気・成果UP! 驚くほどチームが強くなる! 「まとめる力」を知ればリーダーはこんなに面白い。——リーダーの皆さん、こんな悩みを抱えていませんか?「チームがバラバラ、部下が何を考えているかわからない」「部下のモチベーションが上がらず成果が出ない」「リーダーとして自信がない」——世代間の差がますます広がり、働き方の選択肢も増えている今、これまでの「先頭に立って引っ張るリーダー像」とは、違うリーダー像が求められています。本書では、2万人以上のリーダーと向き合ってきたエグゼクティブコーチが、現場で使える超実践的なメソッドを紹介します。

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