親の関与は、週にたった1時間! 塾なし開成合格者の父が語る「効率的すぎる」自宅学習スケジュール
2025年5月27日(火)21時15分 All About
8人きょうだいの長男が通塾なしで難関中学校へ合格したオトクサさん。受験シーズンの限られた時間をどう活用したのか。今回は小学5~6年生の夏休みの過ごし方に注目してお話を伺いました。
【自走するために身に付けさせたこと】
・6時起床
・朝に勉強する習慣付け
・分からない問題の解き方を自分で調べる方法
・解答や解説の読み方
・自分自身で丸付け
そのおかげで、親が勉強に関わる時間は小学5年生以降、1週間で合計1時間程度になりました。
夏休み期間中も、基本は通塾なし
そんなオトクサさんが夏休み期間中に重視したのは、「目標を決めて、子どもに達成感を味わわせること」です。「『苦手単元を克服する』といった抽象的な目標ではなく、具体的な数字にするよう心がけました。例えば、小学5年生は『算数の問題集を1冊終わらせる』、小学6年生は『第2〜第4志望校の過去問を30年分終わらせる』というイメージです。達成できたことが子どもにも伝わりやすく、本人の自信につながります」
送迎時間が必要ない分、たっぷりと勉強時間を確保
オトクサさんの長男は、受験期の夏休みを次のようなスケジュールで過ごしました。【小学6年生の夏休みの過ごし方】
・6時起床
計算・漢字・語句を勉強。その後、算数テストを1時間実施。
・7時半 朝食
・8時 過去問に挑戦、午前中テスト
昼食休憩をはさんで、やり直しなど(随時休憩をとりながら)
・18時 夕食・休憩
・19時半〜21時 勉強(過去問のやり直しや、苦手問題のフォロー)
・21時 40分間の自由時間(主にゲーム)
・21時40分 暗記(10〜20分間)
・22時 就寝
「受験日が2日にわたる学校の過去問は、1日目に3教科、2日目に2教科と分けることもありました。2教科だけの日は、時間に余裕があるので別の学校の過去問も午後に挑戦しましたね。
わが家では基本的に、過去問やテストは間違った問題のやり直しまでがセットです。難関校の過去問は間違うことが多かったので、やり直しに時間がかかりましたけど、早く終わった日は、あらかじめ決めておいた問題集を進めていきました」
学校の夏休みの宿題は、なるべく早く終わらせておくよう声かけ。自由研究に関しては中学受験に向けた勉強内容をまとめて提出できるよう、担任教師に相談していたと言います。
「このほか、予備日を1〜2日程度作っておき、スケジュールが遅れた場合はそこで解消していました」
通塾なしで中学受験に挑むため、しっかりと勉強時間を確保した生活を送っていたことが伝わってきます。
フリーで遊べる日を作って、メリハリを意識
とはいえ、せっかくの夏休み。子どもの思い出をどう作るか悩みます。オトクサさんの家は子どもの友達が気軽に遊びに来る環境だったため、友達が泊まりにくる日を事前に決めて思い出作りに励んだそう。「家族旅行はゴールデンウイークに済ませておいて、夏休みはどこも行きませんでした」
お盆休み期間中は、塾が主催する志望校別の特別講習へ4〜5日間通ったそう。
「1人で勉強を続けるよりは、同級生と並んで勉強する機会も設けた方が気分転換になるだろうと受講しました」
子どもが取り組む問題集は、親が決める
夏休み期間中は、「子どもがギリギリ達成できる目標を親が決めた」と語るオトクサさん。子どもたちが取り組む問題集も、オトクサさんが選びました。しかし、親が子どもの勉強を見ようとすると、その実力や勉強の進捗(しんちょく)具合を把握する必要があり、難しそうです。「子どもの実力の把握は苦手分野の洗い出しを考えがちですが、僕が重視するのは問題の間違え方です。例えば、間違えたときに『もう一度考えてごらん』と促しただけで解けるのか、図に書いてみたら解けるのか。公式に当てはめて適当に解くのではなく、自分でしっかりと文章を読み込んでいるかどうかを見極めています。そうすることで、苦手な問題の傾向を知ることができ、子どものフォローに役立ちます」
勉強の進捗具合は日常会話で確かめているそう。そうすることで普段から、「この子なら、夏休み期間中これくらいのことはできるだろう」と見極めていくのだと言います。
夏休みは中学受験だけでなく自宅学習の習慣づけも大切です。オトクサさんの考え方は、日々の勉強生活でも取り入れられるヒントがいくつもありそうです。
オトクサさん プロフィール
1981年大阪府大阪市出身。小学生の時、自ら志願し 中学受験に挑戦し、私立の中高一貫校である清風中学校へ進学。中学・高校は塾に通わずに大阪大学に現役合格。現在、妻と8人の子どもとともに東京で暮らしている会社員。長男が塾なしで中学受験に挑戦する様子を描いたプログ『オトクサのほったらかし受験』では、子どもたちが自ら学び進めるための取り組みや、大家族ならではの日常を発信している。
この記事の執筆者:結井 ゆき江
フリーランスの編集者・ライター。中学受験雑誌の編集者として勤務した後に独立。小学校で発達障害グレーゾーンの児童をサポートした経験から、教育分野を中心にライターとして活動する。
(文:結井 ゆき江)