【定番名品シリーズ】どんなファッションにも合う黒縁メガネは?日本人顔も考慮したトムフォード、ayameなど5選

2024年6月12日(水)8時0分 JBpress

長年にわたって作られてきた定番品は、“当たり前”の良さを持っている。誰もが日常的に使えて、しかも品格あるスタイル作りの役に立つ。そして流行にとらわれず、末長く愛用できるところも魅力的。なかでも独自の哲学を込めつつ、素材や製法にもこだわりを尽くした真のマスターピースを紹介する

写真/青木和也 スタイリング/荒木義樹(The VOICE) 文/長谷川剛 編集/名知正登


男性服全般にマッチし適度な洒落感も併せもつ

 メガネも身に着けるアイテムである以上、服装の一部ととらえられる。ならばコーディネートの観点から、服装にマッチしたメガネを選ぶのが理想である。しかし世間的には、何かアクセサリーのように(もちろんアクセサリーも装いを考慮すべきだが)メガネのフォルムやスペックだけにフォーカスして選ぶ人がまだまだ多い。ただ、それではスタイルがチグハグになってしまうリスクがある。

 もちろん誰もが常に同じ服装をするわけではない。時にはドレッシーに、時にはカジュアルにも装うだろう。しかし成熟した男性は、シーンやトレンドが変わろうともトラッドスタイルがひとつの基本である。ジャケットや襟付きシャツにスラックス、それに革靴などなど、時代によって多少のアレンジはあるものの、こういったアイテムをメインに着こなすことがほとんどだ。

 であれば、メガネもそれにならってトラッドフレームから選ぶのが、トータルに考えて合理的なのだ。当然トラッドフレームにも種類はあるが、オンオフ兼用などある程度の汎用性を前提とするなら、ウェリントンと呼ばれるスクエア型に丸みを持たせたモデルがおすすめ。適度に誠実な印象があり、それと同時にファッショナブルな装いにも馴染むから。

 なかでも黒縁と呼ばれるブラック樹脂のフレームは、メガネの定番でありつつ顔自体を知的に引き締める効果を持つ。メタルフレームも似たような特性を持つが、黒縁の方がファッションとの親和性が高く、落ち着きつつも冷たく見えすぎることもない。自身の顔に馴染む黒縁メガネを一本用意しておけば、男らしい重厚感とセンスの確かさを、色々な服装にてアピールすることができるのである。

1. TOM FORD


日本人顔をも考慮した世界的ヒットモデル

 グッチを若返らせたクリエイティブデザイナーとして世界に知られるトム・フォード。モードの鬼才はかねてからメガネにも強い興味を抱き、自身のウエアブランドのローンチと同年に本格的なメガネコレクションもスタートさせている。なかでもアイコニックであるのが、艶やかなブラックフレームかつヨロイ部分にブランドの頭文字である「T」の金具をあしらったデザイン。重厚感あるトラッド型にして、ひと目でソレとわかるルックスから、リリースと同時に著名人など高感度なファッショニスタから強い支持を得ている。

 写真のモデルは、レンズの天地を狭め鼻梁を確実にキャッチする高めの鼻盛りなど、日本人の顔型に合わせた新定番。フレーム樹脂には植物繊維を原料とした肌に優しいセルロースアセテートを採用。トム フォードが手掛けるウエアに負けぬ高級感に加え、サスティナブルであるのもポイントだ。

2. OLIVER GOLDSMITH


リッチな重厚感を演出するブラック&ゴールドの色使い

 1926年に創業した英国のオリバー ゴールドスミスは、90年代に一度休止するも熱烈なファンに応えて2005年に復活を遂げている。以来同ブランドが世界的に隆盛を見た、1950〜70年代のトラッドモデルを中心に打ち出し人気を獲得。

 なかでも写真の「コンスル」は、歴史的定番品であり俳優のマイケル・ケインも着用した代表作。基本的にはスクエアウェリントン型だが、欧州ヴィンテージなスタイルを色濃く残す肉厚でなめらかな曲線、そして抑揚をつけたフレームデザインが最大の特徴。カシメ鋲には10金を奢り、堅牢な7枚丁番もゴールドに統一しており、リッチなパーツ使いも見逃せない。現在は日本にて生産し、職人的な念入りの磨き工程による奥行きある艶感も魅力のひとつとなっている。

3. JULIUS TART OPTICAL


ハリウッドセレブも魅了するヴィンテージテイスト

 1960年代に米国を風靡したブランドを、その創業家の親族であるリチャード・タート氏と、デザイナーのタミー・オガラ氏のタッグにより2017年に復活したジュリアスタートオプティカル。製造の拠点を福井県・鯖江に求めたのは、メガネにおける蓄積されたハンドメイド文化への敬意に加え、品質や仕上りをコントロールしやすい自社一貫生産が可能であったから。

 多彩なコレクションの中でも、特に人気を誇る一本がこのウェリントンタイプ。60年代風な味わいをしっかり残しつつ、現代的な素材や製法を駆使しており、プロダクトとして高いスペックをもつのもポイントだ。ちなみにこのモデルは、あのジョニー・デップの愛用品であり、彼は複数本コレクションしているという。

4. Lesca LUNETIER


フレンチらしいエッジの効いた個性派デザイン

 欧州でも古くからメガネ作りが盛んであった、フランス東南山岳部のジュラ地方。その地にて1920年代からメガネ工房を営むレスカ家が、ファミリーにて打ち出すブランドこそレスカ・ルネティエ。ジュラに根づくフレンチトラッドなスタイルを活かしており、特に1950〜60年代のアーカイブをアレンジしたフレームは、懐かしくも新しいとリリース直後から広く人気を博している。

 とりわけ代表的であるのが、エッジを効かせたこの黒縁フレーム。昨今トレンドでもあるクラウンパント型であり、レンズ上部をエッジのある王冠(クラウン)と下部のパントゥ(ボストン)シェイプを組み合わせたフランス伝統的な玉型だ。アセテート板を使い4人の熟練職人が各作業を手分けして行ない、それぞれ手作業の温もりを込めた仕上りが大きな魅力。掛けることで強い個性と優しい表情が同時に主張できる一本である。

5. ayame


有機的な曲線がもたらす流麗さと掛けやすさ

 2010年に突如登場し、あっという間に本邦メガネシーンの一角に陣地を築き上げたアヤメ。ファッション好きが思わず膝を打つ、トラッドながら都会的な洒落感を放つフレームは確かに一見の価値を持つ。見た目だけではなく技術的追求にも余念がなく、フロントからネジを完全に排した特殊フレームなど、機能美に対するこだわりもアヤメの個性のひとつ。

 特にトラッド好きから支持を得ているモデルが、この細身ウェリントンの「ニューオールド」だ。創業時から続く定番であり、その都度アップデートを繰り返すため、これ以上ない完成度を実現したという。顔に馴染むラインを意識し曲線のみを駆使したハンドデザインならではの、流麗な抑揚と掛けやすさが特徴。素材として国産のタキロン生地を採用しており、繊細ながら歪みにくく長年愛用できる一本として完成している。

筆者:長谷川 剛

JBpress

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