反則級のボリュームを誇る調布の名物料理「ナポとん」って何? 老舗とんかつ屋『とんかつ牧』で食べてきた!

2023年7月9日(日)10時48分 食楽web


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●地元民に愛される創業55年以上のとんかつ屋が生んだ新しい料理「ナポとん」とは? 実際に食べに行ってきた。

 京王線つつじヶ丘駅から歩いてすぐのところにある商店街「富士見街」。15店舗ほどの小さな商店街なのですが、実は調布市で一番おいしいと噂の焼肉店や、平日でも近所の人たちが列を作る老舗和菓子店など、名店が立ち並んでいます。

 その中でも何かと話題に上がるのが、富士見街で店を構えて55年以上の老舗とんかつ屋『とんかつ牧』の名物メニュー「ナポとん」。大勢の大食漢たちを満足させてきたこの謎のグルメをご紹介しましょう。

寡黙な店主が一人で営むこだわりの店

『とんかつ牧』は寡黙と噂の男性店主が一人で営んでいます。ランチの開店時間と共に店に入ると、こちらを見ることもなく小さな声で「らっしゃい」。その様子に思わず心の中でガッツポーズ。元グルメリポーター、現グルメライターとして、これまで数えきれないほどの飲食店を取材してきた筆者には「寡黙な店主が一人でやっている店は高確率で大当たり(旨い)」という持論があります。

 “感じが悪い”と、寡黙や無口は全く意味が違います。『とんかつ牧』は後者。ワクワクしながら名物メニュー「ナポとん」を注文すると早速、予感的中の兆しが。

 なんと、注文が入ってから大きな豚肉の塊に包丁を入れ、一からとんかつを作り始めたんです。しかも桃色の豚肉のなんと美しいことか……。これは期待せずにはいられません。

 完成が近づくにつれ、食欲をそそる香ばしい香りが漂ってきました。

「ナポとん」は想像以上のボリュームと期待以上の味に驚嘆!


1100円

 こちらが名物の「ナポとん」です。そう、「ナポとん」の正体は、とんかつの上に1人前かそれ以上あるナポリタンがどーんと乗った料理のこと。この姿に興奮しない大人がいるでしょうか。

 筆者は、突然目の前にやってきた意外な組み合わせのわんぱくすぎる料理と、そのボリュームに思わず笑いが出ました。

 大量のナポリタンを持ち上げてみると、下からこれまた大きなとんかつがお目見え。日頃から「カロリーと糖分は多ければ多いほど旨い」の精神で生きていますが、流石に恐れおののく量です。

 せっかくなので最初の一口目から、ナポリタンととんかつを同時に口に入れてみると……合う! これまでナポリタンととんかつを一緒に食べるという発想がなかったので少し戸惑いましたが、これは合います。


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 まず、さすが老舗のとんかつ屋、とんかつが抜群に旨い。さっぱりしつつ、油の甘さをしっかり感じる分厚いかつは噛むほどに旨味が溢れます。そこに酸味強めなナポリタンの風味が加わることで、衣の脂感が程よく中和され、バクバクいけます。トマトの酸味が想像以上に良い仕事をしており、ソースの役割も果たしていました。

 本来とんかつにあるはずがないパスタの食感や、野菜のシャキシャキ食感もまた面白い。おいしい食べ物は世の中に溢れていますが、大人の心の中にいつまでもある子供心をくすぐってくれる良いメニューです。


粉チーズがついてくるので、たっぷり振りかけて味変を楽しむのも良い

 店主によると、「ナポとん」が生まれたのは6、7年前。常連さんたちを招いて店でクリスマスパーティーをした際に、クリスマスっぽいメニューを考えていて思いついたそうです。それが好評でメニューに加えてみたところ話題になり、気がついたらTV番組で取り上げられるほどの名物メニューになったのだとか。

 職人気質で寡黙そうな店主は、勇気を出して話しかけてみると実はとても優しくて、常連さんたちを喜ばせるためにこんなにお茶目なメニューを開発する素敵な方でした。

コスパ抜群! 店主おすすめはランチ限定「とんかつ定食」


1000円

 店主におすすめメニューを聞いたところ、間髪なく教えてくれたのが「とんかつ定食」。大きなかつがセットになって1000円はお安い。分厚いかつの火の通り加減が芸術的で、豚肉そのものの甘さを最大限に感じます。

 ジューシーさが上質な肉を使っていることを物語り、サックサクの衣は薄めなので、食べ進めても胃への負担は少なめ。都心でこの味と量のとんかつ定食を頼めば1600〜1800円はしそうです。

調査結果

「ナポとん」をネタ的メニューだと思ったら大間違い。さすがは60年近くも地元で愛され続けてきた本気のとんかつ屋が作った料理! と唸らずにはいられません。ただし、本当に量が多いので、覚悟してくださいね。

●SHOP INFO

とんかつ牧

住:東京都調布市西つつじケ丘3-25-4
営:日〜土曜11:30〜2:30、17:30〜22:00
休:水曜
TEL:042-487-4178

(撮影・文◎佐々木 舞)

●著者プロフィール

佐々木 舞
「美味しい」を求め、毎月お給料の半分以上が食費に消える元グルメリポーターのwebライター。美味しいモノがあると聞けば躊躇なく国境も越える食マニアで、これまで食べ歩きした国は60カ国以上。日本のご飯が世界で一番好き。そんな私が見つけた絶品グルメをご紹介します。

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