近大ミツバチプロジェクト 耕作放棄地の再生もめざす

2017年8月5日(土)7時13分 Jタウンネット

[Jステーション−広島ホームテレビ]2017年7月25日放送の広島HOMEテレビ「Jステーション」で、近大ミツバチプロジェクトが紹介されました。


甘く濃いハチミツがとれました


近畿大学が進める地域再生プロジェクトの一環として、先月、広島県江田島市でハチミツの採取が行われました。このプロジェクトには耕作放棄地の再生を目指すという狙いもあります。


「これはかなり重たいです」と蜂の巣箱から取り出した枠を手にするのは、近畿大学工学部の山本和彦准教授。「ふたをしてから時間が経つと、色がちょっと茶色っぽくなっている」と言い、江田島市能美町に置かれた巣箱から、ハチミツを採取していきます。


ミツバチは蜜がたまると、蜜蝋で保管します。これを丁寧に取り除いて、遠心分離機へ。すると純度100%のハチミツがとろーりと出てきます。試食した近畿大学大学院システム工学研究科の沖胡由季子さんは、「濃いですね、いつもより美味しいですね」と笑顔に。


糖度を測ってみると、なんと82度。通常のハチミツは78度くらいとのことなので、その濃さがうかがえます。


近大ミツバチプロジェクトが、本格的にスタートしたのは4年前。工学部のキャンパスがある東広島市高屋に巣箱を置いて養蜂を始めました。採取したハチミツのブランド化を目指し、県内企業ともコラボして商品を開発しています。キャンパス以外の場所に巣箱を置いたのは、今回が初めてです。


「江田島の方がかなり暖かいので、蜜の集まり方も多いように思う」と山本准教授。「養蜂することで、何かいろんな展開を図ろうというのが(プロジェクトの)コンセプト。地域活性化の一助になれば」と言います。


水質改善のノウハウを梅林にも


また、江田島市内外の人たちが、手入れができず荒れ放題だった梅林を再生する取り組みに、近大ミツバチプロジェクトも協力することになりました。


そこで一つの実験が行われました。「この辺の木には肥料に加えて、鉄を散布しました」と山本准教授。実は近大工学部では、ハチミツプロジェクトとは別に、鉄粉で海の浄化・活性化を目指す取り組みを、肥料メーカーや製鉄会社と共に進めています。「砂の下はヘドロ層になっているので、硫化水素などが発生します。鉄があれば硫化水素と反応して硫化鉄に変化する。それで水質が改善されることを期待しているのです」とのこと。


今回、その鉄粉を梅の木の一部に撒いてみたというのです。そして梅の実を収穫する時、驚くべき結果が! 「(鉄粉を)撒いたら梅の実が、平均すると一粒の重さが大体30g程度あって、他の(撒いていない所)は22gで8gくらいの差が出た」と山本准教授は言われていました。


枯れる寸前だった梅の木には、元気な若枝も生えてきました。7月はじめには、採蜜の見学会と梅味噌クッキングが行われ、地域がにぎわいました。


来年は、梅とハチミツのコラボも考えているそうで、山本准教授は梅シロップや梅ジャムなどを作りたいといわれていました。多彩な取り組みの成果が今から楽しみですね。(ライター・石田こよみ)

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