なぜその恰好?スピード違反を取り締まるためニワトリのコスプレをするアメリカの警察官
2024年9月25日(水)19時0分 カラパイア
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横断歩道をわたろうとするカラフルで巨大なニワトリと、止まらず走り去る車。
いったい何のネタかと思ったら、アメリカの警察による、新しい体を張った取り締まりなんだそう。
この取り締まりでは、歩行者無視のドライバーを捕まえるため、ど派手でファンキーなニワトリのコスプレをした警官が、実際に歩行者として横断歩道をわたる。
先日サンフランシスコ市内の交差点で、地元警察によるユニークで斬新な取り締まりが実施され、違反ドライバーが次々と捕まった。
見ために楽しい感じだが、そこには真面目な狙いがちゃんとある。
このやり方は、ドライバーの注意を引き、交通ルールの遵守をうながすために考え抜かれたものなのだ。
ユニークで新たな取り締まり方法
カリフォルニア州サンフランシスコ市の警察が今月16日、新たな取り締まり方法を実施した。
その方法とは、警察官がやたらと目立つコスチュームを着て、横断歩道をわたり、道を譲らなかったドライバーを即取り締まるというもの。
州法では日本同様、歩行者優先。ドライバーは横断歩道をわたろうとする歩行者の前で一時停止することが義務付けられている。
なお、ど派手なコスプレにも訳がある。見ために面白いという理由ももちろんありそうだが、本来の狙いはドライバーへの視認性を高めること。
と同時に、これだけ目立つ姿でいれば、違反者が主張しがちな「歩行者が見えなかった」という言い訳を封じられる。こうしたことから交通ルールの意識が高まることが期待される。
目立つコスチュームの効果
警官のコスチュームは数種ある。セサミストリートのビッグバードもあるが、共通するのはどれも非常に目立つこと。
またこの取り締まりの際、警官たちは、ドライバーが横断歩道に近づくときに細心の注意を払っているかどうかを確認している。
その様子を実際に見てみよう。
こちらはカラフルで巨大なニワトリのコスチューム姿のジョナサン・オゾル警部補が、実際にアレマニー・ブールバードの交差点で取り締まりをしているところ。
確かにどうみても見逃すわけない光景だ。
ハロウィンでもないのに、ひどくカラフルでファンキーなニワトリのコスチュームをつけたサングラスの男性が、今まさに真顔で横断歩道を渡ろうとしてるわけだから、確実に止まるはず。
ところが。いざやってきた車はこうだ。
その期待はむげもなく、あっさりスルーされる結果に。手で合図もしてたのに、止まる気配もなくしれっと走り去っちまったよ。
半ばあきれたように車を見送り、ふたたび歩道に戻るオゾル警部補。どいつもこいつもまったくよぉ…って様子で力なく去っていく。 グラサンできめたニワトリも心持ち残念そう。
違反者は即座に違反切符を切られる
だが安心してほしい。この取り締まりでは、違反ドライバーは、即座に他の警官に捕まえられる。
オゾル警部補を無視した車のドライバーも、すぐに違反切符を切られただろう。
この方法に同署のエイミー・ハーウィッツ警部はこうコメント。
同僚たちが轢かれないようにと心配してます。でもすごく目立つからドライバーが見逃すわけないです
オゾル警部補もこう語る。
あの巨大なコスチューム姿が見えないとしたら、我々にとっても深刻な事態になりますよ
効果は出ると感じています。ドライバーはより注意深く、より意識してますよ。特にニワトリを見るとそうなるようです
道を譲る人が1人増えるたびに、安全になる人が1人増えると考えています
取り締まりの成果
なおこの取り締まり方法は、過去6ヶ月間で5回実施されていて、毎回30〜40件の違反切符が切られてる。
違反者に科される罰金は最大で400ドル(約58,000円)ほど。さらにこの取り締まりはドライバーへの警告にもなり、実際にドライバーの注意が向上したという報告もある。
ちなみに日本でも一時停止しなかった場合、3カ月以下の懲役又は5万円以下の罰金等になる。
というわけでサンフランシスコ市警の取り締まり方法は、交通安全の向上やドライバーの交通ルール尊守にも着実に貢献しているもよう。今後も続けていく価値がありそうだ。
今後もしサンフランシスコを訪れたら、こんなコスチュームの警官に遭遇するかもしれないね。