30年間ベジタリアンだった女性、妊娠中に体にヤバイ異変! 突然ハンバーガーを食べたくなり、肉屋に転身、その後も凄い!

2022年10月6日(木)7時0分 tocana


※ こちらの記事は2019年10月30日の記事を再掲しています。


 欧米を中心に多く存在する菜食主義者(ベタリアン)や完全菜食主義者(ヴィーガン)。自民党は2020年の東京オリンピックに向けた菜食主義者のためのガイドライン制定に乗り出すなど、その存在は無視できない規模になっている。


 しかし、こうした流行の中、健康問題のため菜食主義を止める人も少なからず存在する。たとえば、ヴィーガンとして人気を博していたYouTuberのヨヴァナ・メンドーサ・アイレスさんが、こっそり魚を食べていたことが発覚したり、トカナでも報じたように、15年間完全菜食主義だった女性が完全肉食主義に転向し、健康を取り戻すなど……。


 そして今回は、菜食主義者から肉屋に転向した女性が話題になっているのだ。米紙「New York Post」(10月29日付)が報じている。


 オーストラリア・ヴィクトリア在住のタミ・ジョナスさん(49)の人生を変えたのは1つのハンバーガーだった。ジョナスさんは19歳の時にアニマル・ライツの古典的教科書となっている倫理学書『動物の解放』(1975年、ピーター・シンガー著)を読み、菜食主義に目覚めたという。それから2人の子どもを安全に出産したジョナスさんだったが、3人目を妊娠中に異変が起こった。重度の貧血を発症したのだ。


 サプリメントから鉄分を摂取したが効果がなく、タンパク質を摂取する決心をしたそうだ。それが1つのハンバーガーだった。


「ある時思ったんです。ハンバーガー1個食べれば治るんじゃないかって」(ジョナスさん)


 それから徐々に肉を食事に取り入れたことで、貧血は改善された。


「妊娠中は牛や羊を週に1回食べるようにしました。そして、数年後には豚肉や鳥肉も食べるようになりました」(ジョナスさん)


 自分と胎児の健康のためだったとはいえ、動物の権利を主張した『動物の解放』を読み菜食主義者になったジョナスさんに、罪悪感はなかったのだろうか?


「食べるために動物の命を奪うことが不道徳だと思ったことは一度もありません。ただ、動物を残酷に扱ったり、狭い場所に閉じ込めておいたりすることは悪だと思っています」(ジョナスさん)



 確かにジョナスさんの主張は『動物の解放』と照らしても正しい。自由放牧されている家畜は工場畜産の家畜よりも遥かに苦痛が少なく、殺されるまでは快楽の総量が最大化されていると考えられるからだ。


 そこで、ジョナスさんと夫のスチュアートさんは小さな牧場を開き、敬意を持って食用の豚を育てることを決めたのだという。


 ただし、自由放牧された動物が快楽を享受できるのは殺されるまでである。動物の命を奪うことの道徳的問題は残る。このことはジョナスさんにとっても容易なことではない。そこで、豚たちのストレスを軽減するため、彼らにはこれから死が訪れるとは分からないように葬るのだという。恐れも痛みもない状態で豚を殺すこの方法は「最も正当化できる方法」だとジョナスさんは語っている。


 実は『動物の解放』においても、自由放牧されている家畜を苦痛なく殺すことが1つの可能性として言及されている。著者であるオーストラリア出身の哲学者ピーター・シンガーは、自由放牧された家畜を苦痛なく殺せるならば、その肉を食べることに何の倫理的問題もないとする。ただし、このことが許されると、人間はより安易な方法を見つけ出し、条件を緩和させる恐れがあるため、最初の段階からあらゆる肉食は避けるべきだと議論を展開している。


 ジョナスさんの方法は倫理的にほぼ完ぺきだが、もしジョナスさんが今後利益を優先し、“自由放牧”や“苦痛なき死”の条件を緩和させるような態度変更があれば、忌まわしき工場畜産の第一歩を歩み始めることになる。


 ただ、確固とした決意をもったジョナスさんなら心配はないだろう。彼女は肉を食べるようになったが、その心はどんな菜食主義者よりも菜食主義者らしい。ジョナスさんのように家畜に対して敬意を持つ牧場が、少しでも工場畜産に取って代わるようになったら、これほど素晴らしいことはないだろう。


参考:「New York Post」、「シンガーの動物解放論(長岡成夫)」、ほか

tocana

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