高円寺出身者が薦める老舗町中華『七面鳥』の絶品オムライスの魅力とは?
2020年11月23日(月)10時50分 食楽web
高円寺『七面鳥』のオムライス | 食楽web
食べ物の好き嫌いは、多かれ少なかれ子どもの頃の記憶が関係している気がします。嫌いだと思っていたものでも、ふとしたことがきっかけで、俄然好きになる。そういう経験ありませんか?
長年、オムライスが苦手だった筆者は、数年前に高円寺の老舗町中華『七面鳥』のオムライスを食べて、自分でもびっくりするくらいオムライス好きに変身しました。長年、やや苦手としていた理由は、子どもの頃、家族で食べたオムライスが超絶ハズレだったことに起因します。
中のケチャップライスがベチャベチャで玉ネギや鶏肉が生っぽく、卵を剥がし、具材を避けてしか食べられませんでした。以来、苦手意識があったのですが、数年前、仕事で高円寺にある『七面鳥』のオムライスを食べる機会があり、一転してオムライスが大好きになりました。
1959年創業の中華料理『七面鳥』
その仕事は、地元の人に地元の美味しいお店を紹介してもらう、という企画でした。秋の肌寒い夜、店の前で待ち合わせしたのは、高円寺在住の高校生S君。開口一番、「古い昭和の映画に出てきそうなお店で、めちゃくちゃカッコよくないですか?」と頬を赤くしています。暗闇の中、店内の灯りをたよりに浮かぶ『七面鳥』は、確かに映画のセットのようでした。
『七面鳥』のオムライスが美味しい理由
壁にかかっているメニュー。麺類、ご飯もの、定食、一品料理など豊富です
店内に入ると、1人客のおじさんや若い女性、はたまた子ども連れのお母さん、カップル、サラリーマンなど、いろいろなお客さんがいて、カチャカチャと器の音を鳴らし、確かに昔、町によくあった食堂の日常的な時間がそこに流れています。なんという心地よさ。
筆者がキョロキョロしていると、S君が「ビールを飲むなら、入り口にある冷蔵庫から勝手に取って、自分で栓を抜いて、コップと一緒に持ってくるんですよ」と教えてくれます。
ビールと無料のお通しの2品。この日は煮物とほうれん草の胡麻和え
言われたようにビールを取ってきて着席すると、お店の方が頃合いを見計って、お通しの小皿を2つ持って登場。なんとお通しは無料だそう。そして、S君はいつも食べているという「オムライス」を、筆者は「餃子」と「唐揚げ」を注文しました。
「オムライス」630円
そして登場したオムライス。見た目はよくあるうす焼き卵タイプですが、中面はやや半熟気味で、ケチャップライスと一体化して一番美味しい部分だとS君は力説しています。しかも「ここのケチャップライスが美味しんですよ。食べてみてください」と小皿に分けてくれました。
しっとりとした卵にくるんで食べるチキンライスが最高
うーん、オムライス苦手なんだけどホントに美味しいのかな、と半信半疑でいただいてみると、確かに! 中央の卵焼きの卵液がケチャップライスに絶妙に浸透しており、ケチャップライスはベチャベチャでもなく、パラパラでもなく、絶妙なしっとり具合。しかも酸味と甘みのバランスもよく、具材の鶏肉も柔らかくてご飯に馴染んでいます。オムライス好きに変身した瞬間でした。
「唐揚」680円。マヨネーズがとても合います
オムライスだけではありません。「唐揚」はふわっと柔らかくて、口の中で肉汁がじゅわ〜と広がっていく。さらに「餃子」は1個1個が大きくて、かじってみると中の肉と野菜の餡もたっぷり。最高じゃありませんか!
「餃子」380円
「オムライスも餃子も唐揚げも、流行りの味ではないけど、子どもの頃から『七面鳥』を食べているので、美味しさの基準になっている」とS君。お店の方の対応も気持ちよく、愛される理由がわかる気がしました。
(撮影・文◎Jeriko Tsucchina)
●SHOP INFO
店名:中華料理 七面鳥
住:東京都杉並区高円寺4-4-15
TEL:03-3311-5027
営:11:30〜15:00、17:30〜20:45
休:土曜