囲碁の常識破った?老舗が作る「カラー碁石」 ピンクと緑の2色セット、プロ棋士も注目

2018年12月11日(火)20時0分 Jタウンネット


碁石といえば、黒と白と決まっているはずだが、上の写真のようなピンク(桜色)とライトグリーン(若草色)の碁石が販売され、話題となっている。販売したのは、「はまぐり碁石」の産地である宮崎県日向市の老舗「黒木碁石店」だ。


いったいどんな目的で開発されたのだろうか? Jタウンネット編集部は、2018年12月11日、黒木碁石店に電話取材した。


「おしゃれで、持ち運びに便利で、プレゼントにもいい」


電話で答えてくれたのは、黒木碁石店の黒木宏二代表だった。


「一口に碁石といっても、ガラス製やプラスチック製などさまざまですが、はまぐり碁石は高級品とされています。なかでも宮崎県日向市のはまぐり碁石は最高級品として、囲碁ファンにはよく知られた存在です。原材料のはまぐりこそ、現在メキシコ産のものに切り替えていますが、碁石を製作する技術は健在で、最高級品の碁石を生産し続けています」と黒木代表は語る。高級路線を進んでいた黒木碁石店が、なぜカラー碁石を作ることになったのだろうか。


「高級品のはまぐり碁石を作る際に、その規格から外れたものが出てくる。その規格外のはまぐり碁石を有効活用する方法はないか? そう考えていたところ、カラー塗装してみてはどうか、という発想がひらめきました。初心者指導などに使う9路盤(81目)の布とセットで値段も安く設定して、通販ページで試しに5セットだけ売ってみたのです。結果は、すぐに完売でした」

女性の囲碁愛好家たちの反応が速かったという。おしゃれで、持ち運びに便利で、プレゼントにもいいと、好評だった。子どもたちに囲碁教室などで教えているプロ棋士も注目してくれたそうだ。2018年8月のことだ。


手応えを感じた黒木代表は追加生産を決め、カラー碁石「さくらご」として、9月下旬から店頭とオンライン通販の追加販売も開始した。12月11日現在、既に300セット以上売れたという。


「桜色と若葉色の碁石と、藍色の布製碁盤という和の要素を抑えたこともポイントだったようです。碁石は黒と白という常識、いわばタブーを破ってしまったわけですが、あまりの反応の良さに、むしろ戸惑っているほどです」と黒木代表は苦笑する。


黒木碁石店オンライン通販ページをのぞいてみた。日本語版と英語版のバイリンガルだ。「お客様の7割は外国人なんですよ」と黒木代表。典型的な日本文化の一つと思っていた「碁石」の顧客の3分の2以上は、外国人だ。カラー碁石で驚いている場合ではなかった。

Jタウンネット

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