【筆ペンで気軽に水墨画2】味わいが一気に深まる「濃淡」「にじみ」「かすれ」「ぼかし」のテクニック
2024年12月28日(土)12時30分 婦人公論.jp
日本のみならず、近年は海外でも人気が高まっている水墨画。「奥が深くて難しそう」と感じる人でも大丈夫です。肩ひじ張らず気軽に取り組める「筆ペン水墨画」の愉しみを教えます(画◎小林東雲 構成◎浦上泰栄 撮影◎本社・武田裕介)
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「<ステップ1>基本の「点」「線」「面」をマスターしよう」からつづく
ステップ2)表現テクニックを身につけよう
「面」の応用とも言える「にじみ」や「ぼかし」などの表現技法に挑戦。水墨画らしい濃淡の味わいが一気に深まります
【濃淡】
墨の濃淡は水墨画の醍醐味の一つ。穂先につける水や墨の量を調節して、ちょうどいい濃さ、淡さを見つけて
濃淡
(1)先隈(淡)(さきくま)
水筆ペンの先端に淡墨筆ペンをつけて描くと、初めの墨色が次第に淡く消えていく表現ができる
(2)先隈(さきくま)
筆あとの先端を濃くする技法。淡墨筆ペンの穂先の先端に濃墨筆ペンの墨をつけて描く
(3)元隈(もとくま)
絵の先端部を淡く描く技法。淡墨筆ペンの穂先を水でゆすぎ、穂の根元に墨を残して描く
【にじみ】
自然にやさしく広がる墨が、静けさや穏やかさを表現。広範囲の場合は霧吹きを用いても
水筆ペンを使って水をたらし、あらかじめ紙を湿らせておく
水を含ませた淡墨筆ペンの穂先を紙面に置き、好みの大きさに墨を広げる
【かすれ】
筆ペンの穂先に残す墨の量と、筆運びの速さ、強さを組み合わせて、さまざまな「かすれ」を描く
ペン先の墨をティッシュペーパーでぬぐい、墨の量を調節する
勢いよく筆ペンを動かして「かすれ」をつくると、力強い表現に
【ぼかし】
作品に深みや奥行きを生む「ぼかし」は、街並みや自然の景色を描くときに欠かせないテクニック
水筆ペンを使って、絵を描きたい部分の紙をあらかじめ濡らしておく
穂先に水を含ませた淡墨筆ペンを紙面に置き、ゆっくり墨を広げていく
淡墨筆ペンで描いた部分を水筆ペンでなぞり、さらにぼかしを広げる
応用テクニックを使うと奥行きや深みが生まれる
「にじみ」「かすれ」の表現