これで初対面でも強烈なインパクトを残せる…ビジネス数学のプロ考案「すごい自己紹介」の中身
2025年1月22日(水)15時15分 プレジデント社
※本稿は、深沢真太郎『読むだけで数字センスがみるみるよくなる本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu
■表現センスを磨くために数字と楽しく戯れる
数字とはコトバ。つまり数字とは、コミュニケーションと思考で使うもの。
すでに、あなたにお伝えした重要な主張です。
そして次に重要なことは、「コミュニケーション」と「思考」ではどちらのほうがより重要なのか、どちらのほうがセンスを身につけやすいのか、ということではないでしょうか。私の答えは、「コミュニケーション」です。ここでは「表現」という言葉に変換しましょう。
たとえば、日常で行う様々な計算やビジネス資料に書かれた数字を読み解く作業を思い浮かべてください。これらは頭を使う行為、すなわち思考をしているといえます。苦手意識を持っていたり、面倒くさいと思っていたりする人も多いのではないでしょうか。
一方で、「表現」という行為はどうでしょう? 現在の時刻を口頭で伝えたり、自分の電話番号を紙に書いたりする行為はまさに数字を使って表現することですが、ほとんどの人がストレスを感じることなく簡単にできてしまうことのはずです。
つまり、多くの人にとって数字というコトバを簡単に扱えるのは「表現」をする場面であるということです。ならば本稿ではまずその簡単な「表現」からスタートし、表現センスを磨くために数字と楽しく戯れていただきたいと思っています。
人間は「思考」よりも「表現」のほうが
ストレスなくできるというイメージを持っている。
■「あいうえお作文」「語呂合わせ」の効果
実は、かつて私たちはコトバというものを表現するツールとしてとらえ、遊びを通じてそのセンスを磨くことをしていました。
たとえば子どもの頃、「あいうえお作文」をやったことはありませんか?
頭文字「あ」から始まるコトバをつないで、最後は「お」から始まるコトバで結んで作文を考えることを「あいうえお作文」と呼びました。たとえば次のように。
あ……明るくて
い……いつもキラキラ
う……美しく
え……笑顔が素敵な
お……お母さん
写真=iStock.com/Hanasaki
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あるいは、歴史上の年号を覚えるコトバ遊びもありました。
794……泣くよウグイス、平安京
1582……いちごパンツで、本能寺
これは内容は多少違っても、ほとんどの人が大人になった今でも覚えている楽しい語呂合わせです。そして、時代が変わっても、誰もがこのようにして歴史上の出来事を認識しようとしています。この語呂合わせも遊びのようなものです。
本稿であなたに提案するのは、まさにこのようなカジュアルなコトバ遊びです。かつて楽しみながら行ったコトバ遊びを、ぜひ数字を使ってやってみてほしいのです。
数字を使った表現センスは
遊びの中で磨かれる。
■あえて数字を使うことで風変わりな具体的な自己紹介に
コトバ遊び①「カウントダウンスピーチ」のススメ
先ほどコトバ遊びの例として「あいうえお作文」を挙げました。いってしまえば、子どもがする遊びのようなものです。
今から、これと本質がまったく同じ遊びを提案します。私が「カウントダウンスピーチ」と命名する、1分でできるオリジナルのコトバ遊びです。ぜひ、あなたもチャレンジしてみてください。
[カウントダウンスピーチ]
次の「 」の中に、あなたの個性や強みを入れて、自己紹介文を完成させてください。ただし、「 」の中にはそれぞれ必ず3から0までの数字を使うこと。そして実際にスピーチしてみましょう。
3……「 」
2……「 」
1……「 」
0……「 」
実際、私は企業研修などの冒頭で自己紹介をする際に、このカウントダウンスピーチを披露することがあります。おそらく、こんなスピーチから研修を始めるコンサルタントは日本で私だけだと思います(笑)。例としてご紹介しましょう。
スピーチ例
今から、カウントダウン形式で自己紹介させていただきます。
ビジネス数学教育家、深沢真太郎です。
3……「私の提唱するビジネス数学は、合理的、定量的、美的、の3つを大切にした教育テーマです」
2……「2位ではダメだという価値観で生きています」
1……「第一人者と呼ばれることに感謝し、今日もここに立っています」
0……「“数字が苦手”な人を0にすることが、私の使命です」
本日はよろしくお願いいたします。
もちろん、実際に自己紹介でわざわざ数字を使う必要はありません。でもあえて数字を使ってみることでこのように風変わりな、でも具体的かつシンプルな自己紹介が完成します。
ちなみになぜカウントダウン形式なのかというと、そのほうがエンターテインメント性があって楽しめるからです(笑)。
つまり、このカウントダウンスピーチは、数字で表現することの便利さと面白さを誰でも体感できる遊びなのです。この遊びに慣れてくると、数字で表現しようとする“クセ”もついてきます。楽しく「数字」と付き合えるのですから、やってみない手はありません。
■強烈なインパクトとともに100%覚えてもらう
深沢真太郎『読むだけで数字センスがみるみるよくなる本』(三笠書房)
実際、カウントダウンスピーチを企業研修で参加者の皆さんにやっていただくことがありますが、不思議なものです。いつもと違った自己紹介を自らカウントダウンしながらしゃべる皆さんの表情は、照れながらもとても楽しそう。
一瞬で数字と仲良く戯れてくれます。「苦手な数字の研修」に参加している方々とは、とても思えません。
あなたも実際にスピーチの内容を考え、そして客先での自己紹介や飲み会での自己紹介などで使ってみてください。
楽しいことが重要ですから、最高の笑顔もお忘れなく。強烈なインパクトとともに、あなたのことを100%覚えてもらえる自己紹介になることをお約束しましょう。
遊び心のある自己紹介は、
あなたも周囲もイイ気分にさせます。
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深沢 真太郎(ふかさわ・しんたろう)
ビジネス数学教育家
日本大学大学院総合基礎科学研究科修了。理学修士(数学)。国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者。予備校講師から外資系企業の管理職などを経て研修講師として独立。その独特な指導法で数字や論理思考に苦手意識を持つビジネスパーソンの思考とコミュニケーションを劇的に変えている。大手企業をはじめプロ野球球団やトップアスリートの教育研修まで幅広く登壇。SMBC、三菱UFJ、みずほ、早稲田大学、産業能率大学など大手コンサルティング企業や教育機関とも提携し、ビジネス界に数学教育を推進。2018年に国内でただ1人の「ビジネス数学エグゼクティブインストラクター」に就任し、指導者育成にも従事している。著書に『数学的思考トレーニング 問題解決力が飛躍的にアップする48問』(PHPビジネス新書)、『わけるとつなぐ これ以上シンプルにできない「論理思考」の講義』(ダイヤモンド社)、『数字にだまされない本』、『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』(ともに日経ビジネス人文庫)などがある。
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(ビジネス数学教育家 深沢 真太郎)
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