「消耗品は100均で十分」ではお金は貯まらない…本当のお金持ちが実践している「千円札」の正しい使い方
2025年4月11日(金)16時15分 プレジデント社
※本稿は、臼井由妃『幸せなお金持ちほど「千円札」を大事にする 才能も努力もいらない「お金に困らない人」がやっている当たり前』(WAVE出版)の一部を再編集したものです。
写真=iStock.com/masamasa3
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/masamasa3
■お金の不安を解消するには「千円」を大切に使う
「あと10万円、給料が上がったら暮らしに余裕ができるのに」
「毎月5万円、副収入があったら家族の顔色をうかがうことなく、趣味を楽しめるのに」
私たちがお金に思いを馳せる時のほとんどは、数百万、数千万、数億……というような多額ではなく、現実的な数字ではないでしょうか。
「億万長者になりたい」
「長者番付に毎年載るようなお金持ちになる!」
そういう志を否定するものではありませんが、多くを望むよりもお財布にあるお金。なかでも「千円札」が持つ魅力を知るのが「幸せなお金持ち」になる近道です。
「老後のお金の心配が尽きない」
「マイホームのローン返済に退職金をあてたら、残るのは微々たるお金」
「定年延長になったが、いつまで働けるのか保証はない。給与の減額に頭が痛い」
などなどの不安があります。
充分過ぎる預貯金や持ち家があっても、健康な体の持ち主であっても、このような「お金の不安」を多くの方が口にするのですが、予測できない悩みに苛(さいな)まれるよりも、今ある「千円」を、どう活かせるかを考えましょう。
■千円に「3つの視点」持って得られる好循環
日頃は、お買い得な食パンを食べている方が、「千円台の高級食パン」を購入。その美味しさに幸福感が高まった。千円で手に馴染(なじ)む使い心地の良い「ボールペン」を購入したら、仕事の効率アップにつながった。
千円で普段は縁がない「地方新聞や業界新聞」を購入。熟読したら、思いがけない発見があり、自分が抱えている悩みが吹っ飛んだ。千円でできる「投資」や3千円程度から始められる「純金積立」を始めたら、タイミングよく価値が上昇。そのおかげで、経済の動きや社会情勢に敏感になったという人もいます。
「お金がない」「老後資金が足りない」と愚痴っていても、何の解決にもなりません。たった千円、されど千円。その千円を活かすために、「3つの視点」を持つようにしましょう。
視点(1)その千円を何のために使うか?(パーパス)
視点(2)千円をどう動かすか?(プロセス)
視点(3)その結果、どんないいことがあるか?(メリット)
パーパス、プロセス、メリットはもちろん、デメリットも含めて「千円」を活かす。それがしっかりできる人は「千円遣いの達人」。
「幸せなお金持ち」へのチケットを手に入れたも同然です。そして今に感謝しながら、千円を活かすための3つの視点(パーパス・プロセス・メリット)を絶えず確認、アップデートを図りましょう。これはお金に愛され続けるために欠かせないことです。
■まずは「ハンカチ」にお金をかけてみる
手洗いの後、額の汗をぬぐう時、雨の日なら体やバッグに付いた水滴を拭き取る時など、ハンカチを使う場面は多いですよね。幼少期からの習慣で、私は外出する際は「ハンカチ・ティッシュ・お財布……」というように、さまざまな場で活躍する「ハンカチ」を忘れないように確認しています。
外出する際は、皆、ハンカチを常備していると考えていたのですが、最近の「ハンカチ事情」は少々異なるようです。トイレで手を洗った際、濡れた手を服で拭いたり、水気を払ったら、その手で髪の毛を触る。吹き出た汗をTシャツでぬぐっている姿も見かけるようになりました。
本人は無意識にやっているのかもしれませんが、こういう姿は見られています。ハンカチを持っていない(使わない)だけで、「清潔感がない」「だらしない」と悪い印象を持たれているかもしれないのです。
ある統計では「外出時、ハンカチを必ず持っている」と答えた人は48%。何と、二人に一人がハンカチを持っていないという結果に驚きました。
ハンドドライヤーやペーパータオルが備えつけられているトイレが増えたことも影響しているのかとも考えますが、「幸せなお金持ち」に、ハンカチを持ち歩かない人を私は知りません。
そして彼らの目は厳しいですよ。ハンカチを持たないと知ったら、評判が良く、キャリアやスキルに定評がある人だったとしても、自ら近づいたりしません。「ハンカチを持っていない」とわかった時点で、「社会人失格」と判断する可能性すらあるのです。
■いい「ハンカチ」は品格を高めてくれる
幸せなお金持ちは、「愛用品には品格が出る」と考えています。ですから、自分が使うものは、自分の品格を高めるものを選びます。
「幸せなお金持ちになりたい」「お金持ちから学びたい」と望むならば、彼らの前に出した時に恥ずかしくない、あなたの品格を漂わせる「ハンカチ」を選びましょう。
おすすめは、白やクリーム、ブルー、淡いピンク色で、デザインが主張し過ぎない「ブランド品のハンカチ」です。
使うと、手の仕草まで優雅に見えますし、何かあったときに、さっと「ハンカチ」が出てくると、好感度が上がるのは間違いありません。
バッグや靴は値段が張る「ブランド品」も、ハンカチなら千円台から購入することができますよね。「たかがハンカチ」ではありません。それで好感度が上がり、あなたの品格を高める材料にもなる。ハンカチの威力「恐るべし」です。
人前で使う、差し出す可能性のある「ハンカチ」を見直しましょう。もちろんシワのない清潔な「ハンカチ」です。
■ティッシュはあえて高級品を使う
高級なティッシュペーパーは、触れるだけで贅沢な気持ちになります。グリセリンやヒアルロン酸などが保湿成分として配合されているものが多く、天然由来成分にこだわってつくられている「ティッシュペーパー」もあります。
こうした商品は肌に優しいですから、花粉症の方や鼻炎の方には「必需品」ともいえるでしょう。スーパーや量販店で販売されているティッシュペーパーならば、ひと箱150円ほどで購入できますが、高級なティッシュペーパーは、ひと箱千円以上するものもあります。
肌触りは優しいうえに、丈夫なのも特徴。インテリアに溶け込むようなお洒落なデザインや商品名に凝った書体を使うなど、工夫が施され、ラグジュアリーな雰囲気も漂います。
私は7年ほど前までは、量販店で販売されているごく普通のティッシュペーパーを使っていたのですが、講演会で伺った先で「ふるさと納税の返礼品」としても使われているというティッシュペーパーを「先生、使い比べてみてください」と、控室で渡され驚きました。
「これがティッシュペーパー? 今まで使ってきたものとはまるで違う!」私が知っているティッシュペーパーとは、柔らかさや肌ざわりが比べようもないほど違うのです。
頰に触れた質感は、シルクのよう。化粧水で肌を整えたようなしっとり感すら覚えました。その時は主催者のご厚意でいただいたのですが、以来「高級ティッシュペーパー」にハマりました。
■消耗品にこだわると、所作が優雅になる
花粉症でも鼻炎持ちでもありませんが、その感触を知ってしまったら、もう普通のティッシュペーパーには戻れません。「消耗品は安価でお得なものに限る」という私の常識は覆ってしまいました。「高級なティッシュペーパーには、小さな幸せが詰まっている」今ではそんな思いでいます。
目にする、手にする、肌に触れる、使う、捨てる……プロセスのすべてにおいて満足感を覚えます。扱う所作も自然と優雅になるから不思議。暮らしのクオリティーが高まっていくのも感じています。
写真=iStock.com/Cavan Images
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「たかがティッシュペーパーでそんなに違うものか」と思う方もいらっしゃるでしょう。消耗品は度々使うからこそ、良い物を使えば満足感が蓄積され、充実感が広がるのです。そういうものを使える幸せが呼び水になって、もっと大きな幸せに辿り着けるのだと感じています。
高級外車やマイホーム購入で得られる満足感と、高級なティッシュペーパーで得られる満足感とでは規模は違いますが、継続的かつ習慣的に続けられる「高級なティッシュペーパー」購入で得られる満足感のほうが、生活全体の質を高めるのにも役立つ。消耗品の贅沢は、決してムダにはなりません。
■「靴磨き」にも投資をしよう
スーツやネクタイ、バッグや時計などには気を使っても、靴には無頓着な方が多い気がしています。実際、大企業が集まるビジネス街でも、靴を手入れしないまま履き続けている方を見かけます。しかしあなたの「靴」は、見られていないようで見られています。
「靴を見れば、社会的に地位があり信用が置ける人であるか?」「出世していく人であるか?」がわかるからです。
私は「ピカピカに磨かれた靴の人」を見かけたら積極的に親しくなります。そういう人は、分野や業界は違っても、ほとんどの場合成功して管理職やトップに上り詰めたり、起業して成功を収めたりしているものです。さらに、気づきや刺激を与えてくれる「キーマン」になる確率が非常に高いからです。
それに「ピカピカに磨かれた綺麗な靴」を履いているのは、ものを大切に扱う心の表れであり、それは他者への気配りにも通じます。
私が知る限り、幸せなお金持ちになる人は若い時から、靴のお洒落を欠かしません。足元を見れば暮らしぶりがわかり、仕事の姿勢も靴から読み取れます。
丁寧にメンテナンスが施された良質の靴がもたらす効果を、彼らは知っているのです。一日履いた靴はほこりを払い、汚れをとり、次の日は休ませる。靴磨きやワックスで、日々の手入れも怠りません。そして定期的にプロに靴を磨いてもらう、大切な靴の「休息の場」も設けています。
■手入れされた靴を履くと、自信がついてくる
自分で磨くと、ただ光らせることに注力してしまいがちです。すると、大切な靴の寿命を縮めることにもなりかねません。
そこでお気に入りの靴とさらに長くつきあえるよう、ただ磨くだけ、光らせるだけといったその場しのぎの手入れではない「一流のサービス」を靴に受けさせるのです。
彼らの靴へのこだわりは並外れているといってもいいでしょう。手入れされた靴を履く人は、所作に品が漂います。足元に気を配っていると、自然と姿勢が良くなり自信がみなぎり、仕事ができる人とみなされ、成功を収め、お金にも恵まれる、いい循環ができます。
「足下を見る」という言葉がありますが、一流ホテルや高級ブティックでは、まずはお客様の足元をさりげなくチェックし、履いている靴でその後の対応ががらりと変わるとさえ言われています。
それほどステータスを表す象徴といえる「靴」なのですから、定期的にプロに手入れを委ねてみませんか。相場は千円台~1万円ほどと幅がありますが、少なくとも月に一度はプロの手を借りるといいでしょう。
メンテナンスショップや靴磨き専門店、一流ホテル、宅配でお願いする方法や、会社に靴磨き職人さんを迎え、営業や販売等の外回りの社員の靴や幹部社員の靴を磨いてもらうサービスを利用している経営者もいます。
彼曰(いわ)く「福利厚生の一環みたいなもの」。靴磨きが「福利厚生」とは面白い発想ですが、愛情を込めてメンテナンスを施された靴を履き働く社員は、お客様への姿勢や仕事への意気込みがおのずと変わってくる。それは数字になって表れてくると言います。
■一冊千円台の読書を惜しまない
令和5年度の「国語に関する世論調査」(文化庁)によると、一月に1冊も本を読まない人が62.6%とのこと。逆にいえば、37.4%の人は、月1冊は本を読んでいることになります。
臼井由妃『幸せなお金持ちほど「千円札」を大事にする 才能も努力もいらない「お金に困らない人」がやっている当たり前』(WAVE出版)
月1冊読めば、1年で12冊。月2冊ならば24冊。まったく本を読んでいない人と、月1冊でも読書をする人とでは、読解力や想像力、語彙力、知恵や知識、教養や品格など、大人が持つべきものに、大きな差がついてきます。
読書が習慣になっていないという方でも、充分挽回できます。まずは月1冊、千円台の投資をしてみましょう。
書店に行ったら、ジャンルを決めず、ベストセラーやロングセラーにとらわれず、一通り見渡した後に、惹(ひ)かれたタイトルや気になるカバー、装丁やキャッチコピーに目が奪われた本、子どもの頃読んだ懐かしい絵本や趣味を極めた専門書など、自分の直感で「手元に置きたい」「読みたい」と思ったこだわりの1冊を選びましょう。その1冊によって、これまで思いもしなかった世界が広がっていくこともあります。
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臼井 由妃(うすい・ゆき)
エッセイスト、ビジネス作家、経営者、講演家
33歳で結婚後、病身の夫の後を継ぎ専業主婦から社長に転身。独自のビジネス手法で成功を収め、多額の負債を抱えていた会社を優良企業へと育てる。その手腕がさまざまなメディアで紹介され、日本テレビ系で放送された人気番組「マネーの虎」に出演するなど、好評を博す。著書も多く、『仕事・人生・人間関係がうまくいく「すなお」の法則』『デキる女は仕上げがうまい』(ともにあさ出版)『やりたいことを全部やる! 時間術』(日経ビジネス人文庫)等。
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(エッセイスト、ビジネス作家、経営者、講演家 臼井 由妃)
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