マーモットが三つ巴のストリートファイト、だが彼らなりのルールがあってちゃんと守っている

2025年5月27日(火)12時0分 カラパイア


Comical fight between three marmots/Youtube


 中型のリス科げっ歯類、マーモットたちが路上で戦いを繰り広げるストリートファイトはネット上でも人気のコンテンツの1つとなっている。


 今回目撃されたのは、血気盛んな3匹のマーモットの戦いの様子。ただやみくもに戦っているように見えるがよく見ると彼らなりにルールを守っているようだ。


 それは「戦うときは1対1で」というもの。社会性の高い動物であるマーモットたちは、このルールに則って勝負に挑んでいる。


 ルールやマナーを破ることも珍しくない人間社会よりもよほど秩序があるとも言えるかもしれない。


石畳の上で始まった3匹のマーモットのストリートファイト


 通行人が目撃したのは石畳の上にいた3匹のマーモット。最初にそのうちの2匹が取っ組み合いの喧嘩を始めた。ややこしいのでA,B,Cとしよう。


 マーモットAとBが対戦している間、Cは手出しをせず、じっと見ている。だが二足立ちで組み合っていたAとBが離れると、すかさずCが動き出した。



Comical fight between three marmots/Youtube


 今度はBと今まで傍観していたCとのタイマン勝負が始まる。BとCは首元をつかみながらの激戦を繰り広げる。Bは休むことなく戦い続けているが大丈夫か?


 すると一旦戦いを休止していたAが復帰し、そこに加わり始めた。



Comical fight between three marmots/Youtube


 おっとここで三つ巴の戦いになるのか?と思いきや、これは彼らにとって正しい戦い方ではなかったようだ。


 三つ巴になりかけたのもつかの間、今度は最初にBと戦ってたAとCのタイマンが始まる気配に。しかしBはそれをよしとしなかった。


 Bがここは俺にまかせろ、と言わんばかりにCを制したのだ。



Comical fight between three marmots/Youtube


 そして再びAとBの戦いが開始される。Cはおよびじゃないのね、とその場を立ち去っていく。



Comical fight between three marmots/Youtube


 見方によっては、AとBにとっては一時休戦したもののまだ決着がついてないところにCが加わった体になってたのかも。


 ならばCはAから「まだ済んでねえ!引っ込んどけ」と凄まれ、Bからも「ちょ、まず俺ら終わってからな」と諭された可能性もある。


 最初は2匹の戦いを停めるつもりで喧嘩魂に火が着いたのか、2匹のバトルに刺激され、とにかく誰かとタイマンしたくなったのか。なんにせよ、また傍観者に戻ったCの姿がちょっとせつない。


原則1対1、そのルールはきちんと守るマーモットたち


 3匹が入れ替わり立ち替わり戦うものの、「1対1」が守られている。もしかしたら、彼らなりの暗黙のルールが存在しているのかもしれない。



マーモットの持つ高度な社会性と戦いの意味


 マーモットは、ヨーロッパ、アジア、北アメリカの高山帯や草原地帯に生息するリス科マーモット属(Marmota)のげっ歯類である。


 集団生活を行う社会性の高い動物であり、コロニーと呼ばれる家族単位の群れを形成しながら暮らしている。


 マーモットたちは、鳴き声や姿勢、動作を用いた高度な非言語コミュニケーションを行うことが知られており、争いもまた社会の一部として機能している。


 マーモット同士の喧嘩は、縄張りの主張や群れ内の順位の確認、繁殖相手をめぐる対立、あるいは若い個体同士の模擬戦闘(遊び)である場合が多い。


 今回の映像の場合、争いがエスカレートして本気の攻撃に至ることが少なく、「見せ合い」「力比べ」としての側面が強い。なので模擬戦闘の一種かもしれない。


 模擬戦闘は、群れの結束力を高め、グループ内の社会的な絆を強化する役割を持つ。また、戦いに慣れることで、共通の敵に対して力を合わせて立ち向かうこともできるという。


 これは「儀式化された戦い(ritualized fighting)」とも呼ばれ、チンパンジーやカラス、イヌ科動物など他の社会的動物にも見られる行動である。



Comical fight between three marmots/Youtube


 しかし一方で、繁殖期や縄張りをかけた本気の対立では、争いがエスカレートして致命傷を負うこともある。


 実際に、野生下ではマーモットファイトで命を落とす個体も報告されている。


 動画や画像の背景、登場個体の体格や毛色から推察するに、この3匹はおそらくヒマラヤマーモットの可能性が高そうだ。


 この種は、標高3,000〜5,000mの高地に生息しており、チベット高原やネパール、中国西部、インド北部などに広く分布する。


 がっしりした体躯と丸みを帯びた顔立ち、長めの被毛が特徴で、高山地帯でも生き抜く適応力を持つ。


 また、非常に用心深く、複数の見張り役が協力して外敵を察知する高度な連携プレイも見せる。

カラパイア

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