PCR検査を「入院を要する肺炎患者に限定」報道は事実誤認 国立感染症研究所、マスコミに苦言「新型コロナ対策に悪影響」

2020年3月2日(月)11時17分 BIGLOBEニュース編集部

出典:GISAID Initiative

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国立感染症研究所は1日、新型コロナウイルス感染症をめぐる報道で、同研究所職員の発言趣旨とは事実と異なる報道があったとするコメントを公表した。


国立感染症研究所によると、一部報道では、北海道に派遣された職員がPCR検査について「入院を要する肺炎患者に限定すべき」と発言し、「検査をさせないようにしている」との疑念が指摘されたという。しかし、同職員が行ったのは感染伝播の状況を把握することを目的とした積極的疫学調査における一般的な考え方をもとにしたアドバイスと説明。「医療機関で感染の疑いがある患者さんへのPCR検査の実施の必要性について言及することは一切ありません」と否定した。また、同職員には、医療機関を受診する患者へのPCR検査の実施可否について「一切、権限はございません」とした。


<職員の発言概要>

・感染者の範囲を調査により特定し、対応を行っていく積極的疫学調査のあり方についてアドバイスを行った

・検査に関する議論の中で、「軽症の方(あるいは無症状)を対象とした検査については、積極的疫学調査の観点からは、「PCR検査確定者の接触者であれば、軽症でも何らかの症状があれば(場合によっては無症状の方であっても)、PCR検査を行うことは必要である」と述べた

・「一方、接触歴が無ければ、PCR検査の優先順位は下がる」と述べた


また、このほかにも同研究所が「検査件数を抑えることで感染者数を少なく見せかけようとしている」「実態を見えなくするために、検査拡大を拒んでいる」といった「事実と異なる内容の記事が散見」されると指摘。「国民に誤解を与え、迅速な対応が求められる新型コロナウイルス感染症対策への悪影響」を及ぼしているとマスコミに苦言を呈した。

BIGLOBEニュース編集部 BIGLOBEニュース編集部RSS

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