九州から関東でヒノキ花粉の飛散が増加 西・東日本の本格飛散は4月中旬まで
2025年4月9日(水)11時50分 ウェザーニュース

2025/04/09 11:30 ウェザーニュース
ウェザーニュースが発表した花粉の最新見解によると、現在、九州から関東にかけてはヒノキ花粉が本格的に飛散しています。北陸の一部や長野県では、スギ花粉からヒノキ花粉へ移行し始めており、東北ではスギ花粉の本格的な飛散が続いている状況です。
本格的な花粉の飛散は、西日本と東日本では4月中旬まで、東北では4月下旬まで続く予想です。
2024年春と比較すると、3月までのスギ・ヒノキ花粉の飛散量は、西日本を中心に大幅に増加し、東日本や北日本では減少したことがわかりました。
■ポイント■
・特徴:強い寒波で遅い飛散開始・飛散量:3月までの全国の花粉飛散量は昨年比1.4倍
・症状:前年比で飛散量が大きく増加した西日本ほど「つらい」人が多い傾向
【現在の飛散状況】
西日本からヒノキ花粉の飛散が増加中
現在、九州から関東ではヒノキ花粉が本格的に飛散しています。北陸の一部や長野県ではスギ花粉の飛散量が減少し、ヒノキ花粉の飛散が増えてきています。
一方、東北ではスギ花粉が本格的に飛散している状況です。
北海道のシラカバ花粉はまだ飛散が始まっていません。
【今後の飛散予想】
本格的な花粉飛散は西日本・東日本では4月中旬まで

<スギ・ヒノキ花粉>
今後、九州から関東では4月中旬までヒノキ花粉の本格的な飛散が続く予想です。
東北南部ではスギ花粉が減少し、まもなくヒノキ花粉の飛散量が上回る見込みです。スギ花粉に比べて総飛散量は少なくなりますが、4月下旬にかけてヒノキ花粉が本格的に飛散する見通しです。
東北北部ではスギ花粉の本格的な飛散が4月下旬まで続くとみています。
<シラカバ花粉>
北海道ではこれからシラカバ花粉のシーズンを迎え、4月下旬以降から各地で飛び始めます。
本格的な飛散は道南や道央で4月下旬から5月上旬、道北や道東では5月上旬から中旬で、ちょうどゴールデンウィークと重なる見通しです。5月下旬には飛散量は少なくなる見込みです。
【今シーズンの特徴】
強い寒波で遅い飛散開始 3月に入って一気に飛散ピークに

今年のスギ花粉は気温の変動が大きく影響しました。
2月の寒波で飛散が遅れたものの、2月中旬の寒さが緩んだタイミングで九州や四国、関東を中心に飛散開始となりました。
2月下旬から3月上旬にかけては季節外れの暖かさで、近畿から東海、北陸、東北の広い範囲でスギ花粉の飛散が始まり、すでに飛散が開始していたところでは本格飛散に突入しました。
今年は飛散開始から本格飛散までの期間(日数)に地域差があり、早い所では翌日に本格飛散になった地域もあれば、20〜30日かかった地域もありました。
なお、平年は飛散開始から本格飛散開始までは1週間程度かかりますが、今年は全国平均(北海道を除く)で9日程度となっています。
花粉症の症状の発症時期にもばらつき

飛散時期による花粉症の発症時期への影響を調べるため、スマホアプリ「ウェザーニュース」で調査(※2)を実施したところ、「例年通り」と答えた人が最も多く53%、次いで「早かった」が32%、「遅かった」が15%でした。
2024年と比べると、「早かった」は9ポイント減少し、「例年通り」は5ポイント、「遅かった」は4ポイント増加しました。
今年は気温の変動が大きく、安定しない日が続きました。この気温の不安定さが、スギやヒノキの花粉の飛散開始時期やピークに影響を与え、結果として花粉症の症状が出始める時期にも個人差が生じたと考えられます。
※1 花粉飛散の平年:2015〜2024年の過去10年平均
※2 スマホアプリ「ウェザーニュース」にて「今年の花粉症、症状が出た時期はどう?」と質問し(選択肢:“早かった”“例年通り”“遅かった”“花粉症ではない”)、“花粉症ではない”の回答を除いて集計(調査日:2025年4月5日、回答数:9,962)。
西日本を中心に前年比で大幅増、東京は低温で前年比減

ウェザーニューズ独自の花粉観測機「ポールンロボ」による観測では、2025年2月1日から3月31日までの全国の花粉飛散量は前年同時期の138%となりました。
特に前年の飛散量が少なかった西日本では全域で前年を大きく上回り、福岡県では500%超えの飛散量を観測しました。
一方、東北では前年を下回った地域が多くなりました。前年の飛散量の反動が今年の飛散量に反映された結果と考えられます。
東京都の飛散量は前年の64%にとどまりました。2月の寒波の影響で飛散開始および本格飛散のタイミングが遅れた影響によるものと考えられます。
花粉症のつらいと感じる人は西日本を中心に増加

花粉症の症状のつらさはどうだったのか、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられた症状報告を集計しました(※3)。集計の結果、地域ごとで異なる傾向が見られました。
症状がつらいと感じた人の割合を2024年と比較すると、東北北部は減少した一方で、北陸・長野や中国・四国、九州では約10ポイントも増加しており、花粉症の方にとって過酷な春となったようです。
期間全体の花粉飛散量は、特に西日本を中心に2024年よりも多く、症状がつらいと感じる方も多かったようです。
※3 スマホアプリ「ウェザーニュース」の「花粉飛散情報」において、2025年2月1日〜3月31日に花粉症のユーザーから寄せられた症状報告(のべ90,739通)のうち、“とてもつらい”“つらい”の回答を合計し、割合で表示