日本を低成長に陥れ、企業をぬるま湯につけた主犯は誰か?

2025年4月20日(日)7時0分 ダイヤモンドオンライン

日本を低成長に陥れ、企業をぬるま湯につけた主犯は誰か?

写真はイメージです Photo:PIXTA

円安や低成長など日本経済は、急激に貧しくなった。この大きな原因は金融緩和政策だったと野口悠紀雄氏は語る。日本企業をぬるま湯につけ、生産性を落とさせた大失敗を解説する。※本稿は野口悠紀雄『日銀の限界 円安、物価、賃金はどうなる?』(幻冬舎新書)の一部を抜粋・編集したものです。

日本人の購買力減少、留学もできないその原因とは何なのか?

 日本円は、この数年間で急激に価値が低下した。2021年秋頃までは1ドル=105〜110円の間で推移していたのだが、2022年3月頃から急速に減価し、2022年10月には150円に近づいた。その後円高になったが、再び円安になった。

 これが日本に深刻な問題をもたらしたことは間違いない。輸入物価の高騰により、国内物価が高騰した。日本人の購買力が著しく減少し、海外の高価なものを買えなくなった。そして、外国からの労働者が日本に来ない、日本人が留学できない、などの問題が発生した。日本は急速に貧しくなったのだ。

 一体なぜ、このようなことが起きたのか?その原因は何か?ここから抜け出すにはどうすればよいのか?

 日本が金利を上げれば問題が解決するということには直ちにならない理由として、「金利を引き上げると、さまざまな問題が発生する」ということがある。

 この問題を考えるためには、「自然利子率」という概念が手がかりになる。「自然利子率」とは、経済の構造によって決まる利子率である。実際の利子率を金融政策によってこれより低くすれば景気刺激的になり、高くすれば景気抑制的になる(自然利子率の名目値は、「中立金利」と呼ばれる)。


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