関税巡る日米交渉の合意について「非常に楽観的だ」…グラス新駐日大使、石破首相と初会談
2025年4月22日(火)20時16分 読売新聞
会談前に握手する米国のグラス新駐日大使(左)と石破首相(22日、首相官邸で)=川口正峰撮影
石破首相は22日、米国のジョージ・グラス新駐日大使と首相官邸で初めて会談し、日米同盟の深化に向けた連携を確認した。首相は、米国の関税措置を巡る日米交渉に関し、日米双方の利益になる協力のあり方を見いだしたいとの考えを伝えた。グラス氏は会談後、記者団に、トランプ米大統領が日米交渉の合意を期待していると明かし、「私は非常に楽観的だ」と述べた。
首相は会談で「日米同盟を強固にし、米国と日本が世界のために何ができるかについての議論を深め、良い成果を得たい」と呼びかけた。グラス氏は「米国と日本は非常に長い歴史を持っている。友情を強化していきたい」と応じた。
関税措置を巡る日米交渉については、首相が「日米双方の利益になる幅広い協力を進めていきたい」と語り、グラス氏が賛同した。グラス氏は記者団に「いかにして日米両国の経済を強くし、協力し合えるかを協議している」と説明し、合意に向けて協議が進展するとの見通しを示した。日本政府は、交渉カードの一つとして、米国産のコメの輸入拡大案を示す方向で検討している。
実業家のグラス氏は昨年の米大統領選でトランプ陣営の資金調達に貢献し、トランプ氏と近いとされる。日本政府には、日米交渉でグラス氏が橋渡し役を果たしてくれることへの期待もある。グラス氏は会談後、X(旧ツイッター)に「日米関係の新たな黄金時代が始まっている。日米の連携、経済、自由で開かれたインド太平洋の安全保障を強化していくことを楽しみにしている」と投稿した。
会談では、北朝鮮による日本人拉致問題も議題となった。首相は解決への協力を求め、グラス氏は全面的な支持を表明した。グラス氏は拉致被害者の家族との面会にも意欲を示した。