暴力団幹部とみられる50代男、横浜で警官3人にけが負わせ車で逃走…埼玉・狭山の殺人事件に関与か

2025年4月23日(水)0時39分 読売新聞

男が逃走した現場付近を調べる捜査員ら(22日午前10時38分、横浜市神奈川区で、本社ヘリから)=林陽一撮影

 22日午前6時30分頃、横浜市神奈川区松本町の住宅で、埼玉県警が殺人容疑で捜索に入ろうとした際、この家に住む50歳代の男が車で逃走した。制止しようとした警察官3人が急発進した車に振り切られ、軽傷を負った。埼玉、神奈川県警は、警察官に対する殺人未遂と公務執行妨害の疑いで男の行方を追っている。

 捜査関係者によると、逃走した男は、暴力団幹部とみられる。2023年1月に埼玉県狭山市内で暴力団関係者の男性(当時55歳)が銃撃されて死亡した事件への関与が疑われている。

 警察官が男の自宅前で捜索の立ち会いを求めると、敷地内に止めてあった車に突然乗り込んで発進させ、振り切られた3人が打撲などを負った。車は白色のセダンで国道1号方面へ逃げたとみられる。男は短髪で眼鏡をかけているといい、身長は1メートル75ほどで黒っぽいウィンドブレーカーを着ていた。埼玉県警は捜索時の態勢などについて明らかにしていない。

 埼玉県警から通報を受けて神奈川県警は緊急配備をかけて男の行方を追ったものの、有力な情報はなく、発生から2時間ほどで解除した。埼玉県警は防犯カメラの解析などから、逃走経路の特定を進めている。

 現場は東急東横線反町駅から北西に600メートルほどの住宅街。近くに住む30歳代の女性は、外からの騒がしい声で目覚めたという。夫が午前6時35分頃に撮影した動画には、捜査員とみられる6人ほどのスーツ姿の男性が白いセダンを取り囲み、うち1人がドアに手をかけて停止させようとしている様子などが映っていたといい、女性は「こんなことがあるなんて怖い」と表情をこわばらせていた。

 近くの小学校に子ども2人を通わせているという30歳代の母親には、学校から連絡用アプリで登下校時の警戒を呼びかけるメッセージが届いた。母親は「状況が分からず、子どもたちだけで歩かせるのは不安だった」と話し、学校まで迎えに行ったという。

 男が関与した疑いのある狭山市の殺人事件では、自宅マンションに帰宅した男性が上半身の複数箇所を撃たれ、現場から実行役とみられる2人組が、黒っぽいスクーター型バイクで逃走していたことが防犯カメラの映像や目撃情報で判明している。埼玉県警が捜査本部を設置して調べている。

逃走で地域に不安、過去にも

 事件の関係者が逃走して地域に不安を与えた例は過去にもある。

 神奈川県愛川町では2019年6月、保釈後に窃盗罪などで実刑判決が確定した男が、刑務所収容のため自宅を訪れた検察事務官らに包丁を振り回して抵抗し、車で逃走した。男は逃走5日目に同県横須賀市で公務執行妨害容疑で逮捕された。

 18年8月には、大阪府警富田林とんだばやし署に勾留されていた男が、面会室で弁護士と接見後、仕切り板を壊して行方をくらました。府警は約3000人態勢で捜索を続け、49日目に山口県内で窃盗容疑で現行犯逮捕した。

 愛媛県今治市では18年4月、松山刑務所大井造船作業場から受刑者の男が脱走し、約3週間にわたり逃亡した。男は瀬戸内海の島の空き家に潜伏するなどした後、泳いで本州に渡って逃走を続けたが、広島市内で身柄を確保された。

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