万博に現れた巨大「いのちのカート」、その正体とは?…制作者「食について思い巡らせて」
2025年5月2日(金)13時58分 読売新聞
高さ3・9メートルの巨大な「いのちのカート」(4月18日、大阪市此花区で)=秋月正樹撮影
大阪・関西万博で、放送作家・小山薫堂さんが手がけるテーマ館「アースマート」に、巨大なショッピングカートを模した作品「いのちのカート」が登場し、来場者の目を引いている。日本人1人の10年間の食料消費を表現しており、食品ロスなどの問題を考える場となっている。(大槻浩之)
「アースマート」はスーパーマーケットをイメージし、日常の食について考えるパビリオン。白く光り輝く「いのちのカート」(高さ3・9メートル、幅1・8メートル、奥行き3・5メートル)は「いのちの売り場」ゾーンに置かれ、ひときわ目立つ。
小山さんが代表を務め、展示全体を担う会社「オレンジ・アンド・パートナーズ」(東京)が、国連食糧農業機関(FAO)の統計をもとに、日本人1人の10年間の食料消費を算出。カートのかごの大きさ(約11立方メートル)で表現している。
大阪府豊中市の女性(59)は「食事は毎日とっているが、10年分になるとかなり大きくなると実感した。食材は必要分だけ購入し、廃棄をなくしたいと思った」と話した。
「いのちのカート」は、小山さんが副学長を務める京都芸術大の学生有志37人が、木材や針金、和紙を使うねぶたの技法を用い、約1か月かけて制作した。
制作を統括した若狭綾乃さん(20)は「視覚的にインパクトのある作品になった。多くの人に見てもらい、食について思いを巡らせてほしい」と話している。