西成児童7人負傷、容疑者はストレス発散や相談が苦手で1年前には自殺図る…父親が明かす

2025年5月3日(土)5時0分 読売新聞

児童らをはねた車両(白いSUV)周辺を調べる捜査員ら(1日午後、大阪市西成区で、読売ヘリから)=中原正純撮影

 大阪市西成区の市立千本小学校前で車が児童の列に突っ込み、7人が重軽傷を負った事件で、目撃者が「直前にブレーキランプは点灯していなかった」と大阪府警に証言していたことが、捜査関係者への取材でわかった。府警は、殺人未遂容疑で逮捕した無職矢沢勇希容疑者(28)(東京都東村山市)の運転状況を詳しく調べている。

 矢沢容疑者は1日午後1時35分頃、同区の市道でスポーツ用多目的車(SUV)を運転し、下校中の同小2、3年の男女の列に突っ込んで7人に重軽傷を負わせたとして現行犯逮捕された。府警は重傷1人としていたが、新たに1人の骨折が判明し、重傷は2人となった。

 捜査関係者によると、目撃者の男性は、矢沢容疑者の運転について「私の方に近寄ってきた後、道路の反対側にハンドルを切り、ブレーキランプが点灯しないまま、再び反対側にいた児童たちの方に突っ込んだ」と説明。現場にブレーキ痕はなかったという。

 矢沢容疑者は府警の調べに「全てが嫌になり、数人の小学生をひき殺そうとした」と供述。また、「放射線技師として勤務していたが、4月下旬に退職した」と説明したという。

 矢沢容疑者の父親(62)は2日、読売新聞の取材に対し「なぜ子どもを狙ったのか。被害者には申し訳なくてしょうがない」と語った。

 父親によると、矢沢容疑者は大学卒業まで両親と埼玉県越谷市で暮らした。小学生からサッカーに打ち込んだが、高校時代は人間関係に悩み、心療内科に通院。ストレス発散や周囲への相談が苦手だったという。

 放射線技師として就職したのを機に東村山市で一人暮らしを始めたが、2024年1月に自殺を図り、救急搬送されたという。父親が最後に会ったのは一緒に食事をした約1年前で、「ちゃんと食べているか」と尋ねても何も答えなかったという。

ヨミドクター 中学受験サポート 読売新聞購読ボタン 読売新聞

「容疑者」をもっと詳しく

「容疑者」のニュース

「容疑者」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ