「永田町でエンジニアチームを」 安野貴博氏が新党「チームみらい」で参院選出馬表明、会見で唯一答えに窮した質問とは
2025年5月8日(木)16時15分 J-CASTニュース
2024年に行われた東京都知事選に政治経験なしで出馬し、約15万票を獲得したAIエンジニアで起業家の安野貴博氏が2025年5月8日、新党「チームみらい」を結成し、自身も比例代表で夏の参院選に立候補することを表明した。
「地盤も看板もカバンもないチャレンジではありますが、勝機は十分にある」
安野氏は8日、都内で記者会見を開き、思いを語った。
「この度、私安野貴博は、新たに政党『チームみらい』を結党し、来たる7月の参議院選挙に全国比例で出馬することにいたしました」
「昨年夏の都知事選挙出馬と同様に、組織票や、あるいは後ろ盾が全くない、いわば地盤も看板もカバンもないチャレンジではありますが、勝機は十分にあると考えております」という。
安野氏はこの1年間、地方自治体や各政党の議員らと仕事をする機会を持つ中で、3つの問題点に行き当たったとした。
第一に挙げたのは、「行政の現場におけるデジタルリテラシー」の低さだ。デジタルを使いこなそうとする意識が民間に比べ「遥かに低い状況」だったことに、危機感を覚えたという。
続いて、熱意を持って仕事を進めている官僚や行政職員が多かったことから、かえって「問題の根の深さも感じました」とした安野氏。「熱意もやる気もある人が揃っている中で、現状の形態感が生まれているのだとすれば、それは構造的な問題だなと感じました」という。
最後に言及したのは「外から何かを変えることの困難さ」だった。「やはり政治の世界では議員と、それ以外の人に大きな線が引かれてるように感じました。永田町では議員でないと聞いてもらえない話がある。そういう風に感じました」とし、自らが議員になることが必要だったとした。
「既存政党に入るような形では、良くも悪くも様々な既存の利害関係がございますので、我々の考えや改革を早いスピードで進められないのではないか」と考え、政党を立ち上げることを決めたという。
「永田町でエンジニアチームを作ります」
安野さん率いる「チームみらい」の目標は「テクノロジーで誰も取り残さない日本を作ること」と主張した安野氏。現在の政治の話題はお金の再配分、再分配に偏り、未来の成長に関する議論が不十分ではないかとした。
「その場その場の対応だけでは、進行する物価高やインフレに対する根本的な解決策にはならない」との考えから、「成長戦略と、柔軟かつ迅速に変化に対応できる社会システム」に注力する政党を目指すとした。
具体的には「年1億円以上ある政党交付金を用いて、永田町でエンジニアチームを作ります」といい、政治にテクノロジーを取り入れ、デジタル化を推し進めるとした。
候補者は、比例代表・選挙区を含めて10人以上の候補者を擁立する方針で、今後は公募も検討する。候補者については具体的な名前は出していないものの、エンジニアをはじめ「基本的に社会の第一線で活躍している方」で、「テクノロジーに明るい方」だとした。
「大文字か小文字か、決めてなかったかもしれない」
記者からの質問にも、よどみなく答えていた安野氏だが、終盤にはやや言葉に詰まる場面があった。
英字新聞の記者から飛んだ「チームみらい」の英語表記について、公式の取り決めがあれば教えて欲しい、との質問だった。
安野氏は、「決めておりまして、チームは『T・E・A・M』ですね。みらいは『M・I・R・A・I』ですね」と返答。記者が「大文字ですか?」と続けると、安野氏は「あー、えっとですね......。大文字か小文字か......大文字か小文字か、決めてなかったかもしれない」と言葉に詰まり、「またご連絡させていただきます」とした。
司会から「今決めていただいても」とするも、「考えて、熟慮の末決めます、ハイ。すみません」と照れ笑いを浮かべた。