「あまりに露骨な選挙対策に見えた」与党の“現金給付案”はなぜ批判されたのか?《池上彰氏が解説》

2025年5月23日(金)7時10分 文春オンライン

Q  与党内で浮上していた「現金給付」案、なぜ批判?


 長引く物価高やトランプ関税への対策の一環として与党から出ていた、「全国民に一律で現金を支給」という案が見送りの方向に。石破首相も4月14日の衆院予算委員会で「現時点において考えていない」と発言しています。その背景には「世論の反発があった」という見解が多いようですが、なぜ、現金給付には批判が多く集まったのでしょうか。(20代・男性・学生)



石破首相 ©時事通信社


A 「票を買収するのか」という反発が出るのは当然のことです


 これは、あまりに露骨な参議院選挙対策に見えたからです。


 建前としては、物価高で苦しんでいる人たちの助けになればということですが、今年7月には参議院選挙があります。「現金給付」となると、その準備がありますから、実際に給付されるのは選挙直前になるでしょう。「現金で票を買収するのか」という反発が出るのは当然のことです。


 しかも、もし現金給付となった場合、「その財源はどこにあるのだ」ということになります。 要は「金で買収されないぞ」という国民の健全な意識が勝ったのだろうと思います。


(池上 彰)

文春オンライン

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