愛子さまとの分担業務が順調の雅子さま「心のケアが大事」新ライフワークで抱える緊要命題
2025年5月23日(金)8時0分 週刊女性PRIME
日赤名誉総裁として赤十字大会に出席された雅子さま。激務の中、お元気そうな表情
「国母としての存在感を醸し出されていました」
5月13日、東京都で開かれた『全国赤十字大会』に出席された雅子さまについて、『皇室の窓』(テレビ東京系)で放送作家を務めるつげのり子さんはそう語る。
雅子さまが関心を示された“言葉”
「赤十字大会とは、赤十字の活動に貢献した個人や団体へ表彰を行う式典で、日本赤十字社(以下、日赤)の名誉総裁である雅子さま、名誉副総裁である紀子さまらが毎年出席されています。日赤の名誉総裁は代々、皇后が担われており、雅子さまは令和のお代替わりに伴い、美智子さまからそのお役目を引き継がれました。
4月は硫黄島ご訪問、『大阪・関西万博』ご視察、園遊会へのご出席など多忙な日々が続き、ご体調が不安視されていた雅子さまですが、無事に今回の式典を終え、皇后としての務めを果たされました」(皇室ジャーナリスト)
名誉総裁としては、5回目の赤十字大会となった今回。前出のつげさんは、雅子さまに変化が感じられたという。
「名誉総裁として初めて式典にお出ましになった2019年は“私がここにいていいのだろうか”といった不安が伝わりました。しかし、今回は時折見せられる慈愛に満ちた微笑みが印象的で、皇后や名誉総裁というお立場が板についてこられたのだと感じました。お役目に慣れたというだけでなく、雅子さまが使命感を持って式典に臨んでいらっしゃるからだと思います」
当日の式典中、赤十字の活動に貢献した代表2名がそれぞれの取り組みについて発表する場が設けられ、雅子さまはその際、“ある言葉”に強い関心と共感を示されていたという。
「代表2名による発表を雅子さまは真剣な眼差しで、時折頷きながら傾聴されていました。特に医師の稲田眞治さんの発表中、大きなリアクションをお見せになったのです。
稲田さんは昨年、石川県で発生した地震と大雨被害を受け、現地で救援活動を行いました。現地での活動について、稲田さんが“心のケアを重点的に行う方針を採択した”と説明すると、雅子さまは同意を示すかのように、かなり深く、何度も頷かれていました」(皇室担当記者)
健康にかなりのご関心。万博での意外な素顔
式典終了後に稲田さんと懇談された雅子さま。そこで“心のケア”について言及があったと稲田さんは振り返る。
「雅子さまから“救援活動を行う上で、困難だったことはありますか?”というご質問をいただきました。現地では地震後の復興途上、大雨被害が発生し、落胆している人が多くいました。
そんな中、どんな支援をすれば力になれるのかを現地の人と一緒に考え、よりよい救援救護につなげるという、被災者に寄り添う姿勢が大切であり、難しくもありました。このようにお答えすると、雅子さまからは“発表で心のケアが大事と聞いていましたので、そうした心遣いが大切なのですね”とご返答がありました」
雅子さまは2004年に適応障害を公表され、いまだご体調には波がおあり。だからこそ“心の健康”に共感を示されたのだろう。
「今回の赤十字大会に限らず、最近の雅子さまは“心身の健康”というテーマに敏感でいらっしゃるようにお見受けします。4月に陛下と『大阪・関西万博』を視察された際も、数あるパビリオンの中から『大阪ヘルスケアパビリオン』へ足を運ばれているのです」(前出・皇室担当記者)
この時、両陛下へのご説明を担当した大阪ヘルスケアパビリオン館長の西澤良記さんは、雅子さまのご関心の高さに驚いたと明かす。
「両陛下にはまず、自身の健康データをもとに25年後の自分のアバターに出会う体験をする『リボーン体験ルート』について、ご説明させていただきました。すると、陛下から“このアバターを生成する際に、どのような健康データを測定するのですか?”とご質問をいただき、“心血管や脳など7つの項目を測定します”とお答えすると、皇后さまから“それは健康チェックになりますね”とご返答いただきました。
また、再生医療のコーナーでは、皇后さまがiPS細胞で作られた心筋シートを非常に興味深いご様子で、時間をかけてご覧になっておられました。両陛下ともヘルスケアに強いご関心をお持ちのようで、とても光栄に思いました」
雅子さまを支える愛子さま
赤十字大会と万博で垣間見えたご様子から、「雅子さまは“心身の健康”に関する活動を皇族としてのライフワークにされる可能性がある」と前出の皇室担当記者は語る。
「雅子さまは適応障害を患われて以降、公務へのご出席が困難となる日々が続きました。だからこそ、“心身の健康の重要性”を痛感しておられ、今後は心や身体の不調で苦しむ人々に手を差し伸べることを、皇后としての命題になさることも考えられます。
全国の病院への慰問など、健康に関する行事へのお出ましが増え、これまでになかった“令和カラー”を押し出した皇后像が見られるかもしれません」(同・皇室担当記者、以下同)
皇后として新しい一歩を踏み出される予感が漂う雅子さま。それは、愛子さまの存在も大きく影響しているという。
「愛子さまが大学を卒業し、成年皇族として公務を担われるようになって今年で2年目。徐々に慣れてこられたようで、単独での地方公務や、式典でのスピーチを精力的にこなされています。
5月18日と19日には石川県を訪問し、地震や大雨の被災地をお見舞いされました。被災地訪問など、これまで雅子さまが担われていた活動を愛子さまと分担されることも増え、負担は軽減されたように思います」
愛娘との公務分担は、雅子さまに刺激をもたらしていると前出のつげさんは語る。
「愛子さまが日赤での職務と公務を両立されるようになってから、おふたりは信頼し合う同志のような関係性になられたのではと思います。お立場上、雅子さまも愛子さまも周囲には相談できないこともおありでしょう。
そんなおふたりだからこそ、共感できる話があるのだと拝察いたします。そして、愛子さまと意見交換をすることで雅子さまの心身も活性化されているのではないでしょうか」
これからは愛子さまの支えのもと、新たな緊要命題を果たされるに違いない。
つげ のり子 西武文理大学非常勤講師。愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』など