山手線が始発から運転見合わせ、通勤ラッシュ直撃で19万7000人に影響…パンタグラフ変形・架線切断も確認
2025年5月23日(金)11時54分 読売新聞
山手線などの運行状況を知らせるJR浜松町駅の案内板(23日午前8時6分、東京都港区で)=西孝高撮影
JR山手線は23日、前夜から行っていた架線の復旧作業などに時間がかかり、内・外回りの全線で始発から運転を見合わせた。午前8時26分に大幅に運行本数を減らした上で、全線で運転を再開したが、通勤ラッシュを直撃し、約19万7000人に影響が出た。
JR東日本によると、22日夜、山手線のパンタグラフから火花が出ているのを車掌が見つけた。車両点検を行ったところ、計20編成の山手線でパンタグラフの一部が変形しているのを確認。外回りは終電まで運転を取りやめた。
その後の点検で、新橋駅付近の架線が切れているのが確認された。JR東は復旧作業を進めたが、変形したパンタグラフが付いた電車を線路から撤去する作業にも時間がかかり、一部区間で並走する京浜東北線も品川—東十条駅間で始発から午前6時まで運転を見合わせた。
JR東は、架線の切断は、電線と金具の接続部に不具合があった可能性が高いとみて、原因を調べている。
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新橋駅では朝から、「山手線は車両、架線点検の影響で大幅に遅れて運転しています」とのアナウンスが流れ、運行状況に関する掲示の前で足を止める駅利用者も見られた。振り替え輸送の手続きのため、駅員室にはひっきりなしに多くの人が立ち寄っていた。
駅近くで働く東京都福生市の会社員女性(47)は、山手線の代わりに京浜東北線を利用して通勤したという。「いつもより早く家を出ないといけなくて、朝から大変だった」と疲れた表情で話した。
秋葉原駅の山手線ホームでは、運転再開後も電車の到着を待つ人が列を作っていた。田町駅近くの病院に行くという、東京都千代田区の会社員男性(66)は「運転再開のニュースを見て駅に来た。昼頃まで運転再開はしないと思っていたので、とても助かる」と話していた。