今春卒業した大学生の就職率は98%、高水準の「売り手市場」続く…ただし大企業は「狭き門」

2025年5月23日(金)11時26分 読売新聞

厚生労働省

 厚生労働、文部科学両省は23日、今春卒業した大学生の就職率(4月1日時点)が98・0%だったと発表した。過去最高を記録した前年より0・1ポイント下がったが、学生優位の「売り手市場」は続いている。

 就職率が2年連続で98%以上となるのは、現在の調査を開始した1997年卒以降で初めて。私立大に限ると、前年比0・2ポイント増の98・1%と過去最高だった。

 少子化を背景とした若手人材の不足と、景気回復による企業の採用意欲の高まりが背景にあり、厚労省の担当者は「就職率は非常に高い水準で推移している」としている。

 就職率は、就職を希望する学生(全体の75・6%)のうち、実際に職に就いた人の割合。調査は、国公私立大62校から4770人を抽出して行われた。

 ただ、「売り手市場」でも、学生が大企業に入りやすくなったわけではない。

 リクルートワークス研究所の調査では、今春卒の大学生に対する求人倍率は、従業員数5000人以上の企業で前年より0・07ポイント減の0・34倍だった。1人の募集枠に約3人の学生が応募している状況だ。

 一方で、従業員数300人未満の企業の求人倍率は6・50倍と4年連続で前年を上回った。就職希望の学生1人に対し、約7社が求人している計算になる。

 同研究所の永沼早央梨・主任研究員は「若手の人材不足は少子高齢化による構造的な問題で、就職率は今後も高い水準で推移すると見込まれる。内定を得やすい状況では、学生は知名度や待遇の良い企業を志望する傾向があるため、大企業が『狭き門』であることは変わらない」とみている。

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