被災者の着物の帯集めた「鳳龍」、大阪・関西万博で披露…内部には輪島の倒壊家屋にあった土や木材

2025年5月26日(月)22時51分 読売新聞

能登半島地震などで保管ができなくなった着物の帯を集めて制作されたオブジェ(26日午後、大阪市此花区で)=近藤誠撮影

 昨年の能登半島地震や奥能登豪雨で家屋が被災するなどして保管ができなくなった着物の帯を集めて制作されたオブジェ「鳳龍ほうりゅう」が26日、大阪・関西万博の会場内にあるEXPOホール「シャインハット」前で披露された。

 不死鳥と呼ばれる鳳凰ほうおうの翼と龍の蛇腹をイメージし、高さ3メートル、幅1・8メートル。内部には、石川県輪島市の倒壊家屋にあった土や木材が入れられ、苦難を乗り越えて復興に向かう思いが込められている。

 この日上演された神楽公演の監督を務めた舞台演出家、表博耀ひろあきさんが、NPO法人「日本きもの文化振興会」(金沢市)の篠原勉理事長らと企画した。

 被災者から寄贈された着物や帯計約5500点の中から、帯50本を使用。表さんがデザインを担当し、裁断した帯を香川県の装飾刺しゅうの伝統工芸士・石川稔さんが縫製して作り上げた。

 展示はこの日限りで、来場者が立ち止まって写真を撮ったり、作品に見入ったりしていた。大阪府寝屋川市の女性(75)は「みんなで能登を再生したいという気持ちが作品からにじみ出ている」と話した。

 石川県七尾市の自宅が被災し、約50点を寄贈した安田美和子さん(57)は「作品に生まれ変わって万博で展示され、きっと着物も喜んでいる」と話している。

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