駅で見つけた自販機 出てきたのは…「迷わず買った」

2025年5月27日(火)19時36分 grape

街中や建物の中など、さまざまな場所に設置されている、自動販売機。

飲み物や食べ物を手軽に買うことができるので、便利ですよね。

近年では、今まで自動販売機では手に入れられなかった商品が中に入った、珍しいものも多くあるようです。

自動販売機で手作りパンが購入できる!

『パン好き』の筆者が仕事の帰りに、神奈川県横浜市にある馬車道駅を利用した時のこと。

久しぶりに同駅に降りたこともあって、駅構内には見慣れない自動販売機がたくさん並んでいました。

眺めていると、気になる『ロッカー型自動販売機』を発見!看板に『こだわり手作りパンの自販機』と書かれていたのです。

中に入っているのは、自動販売機の正面に店舗を構えるベーカリーカフェ『Vie De France』のパン。

同店が閉店後、売れ残ったパンを割引した価格で自動販売機に入れ、販売しているようです。

本来なら、廃棄として捨てられてしまうパンを、安く手に入れられるといいます。

「SDGsに貢献でき、店の手作りパンを安く買えるなんて、一石二鳥ではないか!」…そう考えた筆者は、迷わず自動販売機の前でパンを選び始めました。

自動販売機には、『400円』『600円』『800円』のボックスがあり、店員が値段に合った商品を袋詰めしてくれています。

商品名は分かりませんが、外からでもどのようなパンが入っているかは分かる状態です。

筆者は600円ぶんのパンを購入。キャッシュレス決済専用で、クレジットやバーコード支払いが選択できました。

仕事帰りのまさかの出会いに、気分が高揚した状態で帰路に着いた、筆者。

帰宅後、楽しみに袋を開けると『なると金時ブレッド』『こしあんぱん』『ブドウパン』の3つが入っていました。

店舗によって値段は異なりますが、『Vie De France』のこれらのパンを普通に買えば、900円程度はしそうです。

店こだわりの手作りパンで仕事の疲れを癒す、至福の時を過ごすことができました。

3つとも消費期限が、購入した同日の23時だったので、早めに食べなければいけませんが、味は抜群のおいしさです!

『手作りパンの自動販売機』が果たす役割とは…?

興味が湧いた筆者は、同自動販売機を設置する取り組みを行っている『ヨコハマSDGsデザインセンター事務局』に取材し、話を聞きました。

同事務局は横浜市内外の事業者や市民と連携し、2030年までに達成すべき17の目標が掲げられているSDGsの達成や、食品ロス削減に向けた取り組みを推進しています。

筆者が利用した自動販売機は『食品ロス削減SDGsロッカー』というもの。

2025年5月現在、神奈川県横浜市内に7か所設置されているそうです。

——どういった経緯で、今回の取り組みが始まったのでしょうか?

ロッカー会社から「食品ロス削減に関して、何か一緒にできないか」とお話をいただいたことから、『フードロスロッカー』の設置を考えました。

ベーカリー店というのは、パンを店内に並べておかないと売れないので、営業終了のタイミングで捨てるパンが出てきます。

「それを、ロッカーで売ればいいのではないか」という話から『食品ロス削減SDGsロッカー』が始まりました。

このような経緯で、2024年1月から設置が始まった『食品ロス削減SDGsロッカー』。

同市にある市営地下鉄関内駅内に設置されているロッカーのパンは、毎回売り切れるといいます!

駅内にあるので、仕事から帰宅する人などに好評をいただいています。

ロッカーからベーカリー店を知る人も多くいるので、営業時間内の店舗の来客数が増えたという話も聞いております。

市営地下鉄関内駅内の『食品ロス削減SDGsロッカー』

「仕事帰りの時間だと、なかなかベーカリー店に立ち寄れない…」という人も、夜遅くに手作りパンを買うことができますね。

筆者が購入した時にも、スーツを着た男性や年配の女性など、幅広い利用客がいました。

また、自動販売機はベーカリー店にとっても、店舗の宣伝になっているとのこと。

ほかにも、ロッカーの設置によって、さまざまなメリットがあるようです。

子供を育てている人だと、ベビーカーで狭いベーカリー店に立ち寄るのが難しい場合があります。そのような人からも、「ベーカリー店のパンを手軽に購入できるのでありがたい」といった声が上がっております。

廃棄のパンが減るだけでなく、街づくりの観点から見ても、利点が多い『食品ロス削減SDGsロッカー』。

最後に、同自動販売機の今後について、聞きました。

ロッカーのパンが毎回売り切れていることで、フードロスをなくすことに貢献できていると考えています。今後も設置場所を増やしていく予定です。

また、この取り組みが注目を集めることで、フードロスそのものへの関心が広がっていけばいいなと思います。

ベーカリー店のように、日常的にフードロスが生まれている店があります。

私たち一人ひとりが「売れ残ったパンはどうするのだろう」などと、少しでもフードロスを意識して暮らしていくことが、SDGs達成への第一歩になるでしょう。


[文・構成/grape編集部]

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