非常に強い台風7号が小笠原に接近 お盆に本州上陸の可能性
2023年8月11日(金)11時30分 ウェザーニュース
2023/08/11 11:00 ウェザーニュース
非常に強い勢力の台風7号(ラン)は、8月11日(金)10時には小笠原諸島にかなり接近していて急速に発達中です。昨夜から小笠原諸島は風速25m/s以上の暴風域に入っています。
来週は本州に接近・上陸する可能性が高くなっているため、今後の進路等に警戒してください。
▼台風7号 8月11日(金)10時推定
中心位置 父島の東南東約80km
大きさ階級 //
強さ階級 非常に強い
移動 北 ゆっくり
中心気圧 940 hPa
最大風速 45 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 65 m/s
速度が遅く影響長引くおそれ
台風7号の進路にあたる海域は海面水温が29℃前後と高くなっていて、風の鉛直シア(高さによる風の向きや強さの違い)が小さく、発達しやすい環境です。11日(金)〜13日(日)頃が勢力のピークになるとみられ、その後も強い勢力を維持したまま14日(月)から16日(水)にかけて本州に接近、上陸する可能性があります。
偏西風の影響を受けずにゆっくりと本州に近づくため、台風が最接近となる前の段階から風雨が強まり、広い範囲で荒天が長引くおそれがあります。お盆休みの期間に交通機関への影響が拡大したり、停電などが発生することも懸念されます。旅行や帰省、イベント参加等を予定している方は今後の情報にご注意ください。
連休中は高波が続く 海のレジャーは注意
本州の沿岸でも日に日に波が高さを増してきます。明日12日(土)昼の波の高さは、四国から北日本の太平洋沿岸で2〜3m、関東の一部や伊豆諸島など午後になると4mに達する見込みです。
台風が近づく前からうねりを伴った高波や離岸流等で水難事故が起きやすくなるため、晴れていても海のレジャーは控え、海水浴場など遊泳禁止の措置がとられている場合は、指示に従うようにしてください。
進路は依然として定まっていない
参考 世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果
この図の細い線1本1本は世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にはかなりの幅があるということをイメージするために掲載しています。
これらのメンバーを比較すると、北西に進んだあと本州の南で進路を北寄りに変える傾向は揃っているものの、北上に転じる場所で差が大きく、関東付近へ北上してくるものから西日本を北上するものまでかなりの幅があり、まだ予測の不確実性が高く、あらゆる可能性が排除できないということが読み取れます。
進路次第で各地への影響は大きく変わってきますが、どの進路を通ったとしても国内のどこかでお盆休みの期間中に影響が大きくなることはほぼ確実といえます。次第に予想も確度が高まってくる見通しですので、今後の情報に注意してください。
台風の暴風域に入る確率
120時間以内に台風の暴風域に入る確率が25%以上である府県予報区
東京都
伊豆諸島北部 30 %
伊豆諸島南部 38 %
小笠原諸島 100 %
福井県 27 %
山梨県 26 %
長野県 32 %
岐阜県 33 %
静岡県 40 %
愛知県 40 %
三重県 46 %
滋賀県 34 %
京都府 31 %
大阪府 33 %
兵庫県 30 %
奈良県 40 %
和歌山県 43 %
徳島県 28 %
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風7号の名前「ラン(Lan)」はアメリカが提案した名称で、「嵐」を意味するマーシャル語(北西太平洋のマーシャル諸島のことば)からとられています。