週刊地震情報 2024.11.17 青森・陸奥湾の地震で震度4 48年ぶりの規模
2024年11月17日(日)10時45分 ウェザーニュース
2024/11/17 10:02 ウェザーニュース
この1週間に国内で観測された有感地震の回数は、前の週に比べて若干少ない水準です。東北から関東にかけての太平洋沿岸で地震が多く、奄美地方でもやや目立っています。震度3以上の地震は4回発生しました。(11月11日〜17日10時の集計)
国内:陸奥湾のM4.6は1976年以来の規模
陸奥湾の地震
16日(土)21時22分頃、青森県の陸奥湾を震源とするマグニチュード4.6、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。この地震で青森県平内町で最大震度4、外ヶ浜町、野辺地町、横浜町、佐井村で震度3を観測しています。
陸奥湾を震源とする震度4以上の地震は、気象庁の詳しい記録が残る1919年以降では初めてで、マグニチュード4.5以上の規模は1976年11月29日のマグニチュード4.9以来、48年ぶりです。地震のメカニズムは北東ー南西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。
陸奥湾では数年に1度くらいのペースで有感地震が起きていて、2018年には3回の震度3の地震が発生しました。下北半島の沿岸で発生する地震が最も多く、1976年は1年ほどにわたって群発地震の活動が継続しています。
青森県内では青森湾西岸断層帯や津軽山地西縁断層帯が知られていて、前者に関してはマグニチュード7.3程度の地震が今後30年以内に発生する確率が0.5〜1%と推定されています。(地震調査研究推進本部による)
国内:関東で未明にぐらり 千葉県東方沖でM5.1
千葉県東方沖の地震
16日(土)2時58分頃、千葉県東方沖を震源とするマグニチュード5.1、深さ約30kmと推定される地震が発生しました。この地震で千葉県銚子市、旭市、茨城県神栖市で最大震度3、千葉県北東部から茨城県南部の広い範囲で震度2を観測しています。
千葉県東方沖を震源とする震度3以上の地震は今年7月(マグニチュード5.2、最大震度4)以来、4か月ぶりです。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。
千葉県東方沖では陸のプレートにフィリピン海プレート、太平洋プレートがそれぞれ沈み込んでいて地下構造が複雑です。今回の地震は深さがフィリピン海プレートの沈み込む境界に近いものの、横ずれ型のメカニズムと解析されていることから、プレート境界で発生した地震とは異なるタイプと考えられます。
世界:キューバの南でM6.8
世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しています。最も大きな地震はキューバの南で発生したマグニチュード6.8です。
日本時間の11日(月)未明、キューバの南を震源とするマグニチュード6.8、深さ約14kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。
今回の震源は北米プレートとカリブプレートの境界付近です。キューバの南ではトランスフォーム断層が形成されていて、横ずれ型の大きな地震がしばしば発生します。
今回の震源の少し西では2020年にマグニチュード7.7の地震があり、そのほかにもトランスフォーム断層の活動によってマグニチュード7クラスの地震が起きています。ただ、規模の割に大きな津波は発生しにくいタイプです。
出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。