老化予防、カルシウム摂取が同時にかなう…ダイエット中も毎日おいしく飲める"ヘルシー飲料"

2025年3月28日(金)16時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Wand_Prapan

健康のためにはどんな飲み物がお勧めか。チョコレート愛好家の市川歩美さんは「健康に気を使う方や、チョコレートの味が好きな方に、カカオ分の高いチョコレートを使ったチョコレートドリンクはぴったりな飲み物だ」という——。

※本稿は、市川歩美『味わい深くてためになる 教養としてのチョコレート』(三笠書房)の一部を再編集したものです。


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■「チョコレート=太りやすい」の真の意味


「チョコレートを食べると太る」と、ひと昔前はよくいわれました。もちろん、どんな食べ物でも食べすぎれば体重が増える可能性は高くなります。これはチョコレートに限ったことではありません。


チョコレートには砂糖や脂肪が含まれていますので、やはり食べすぎには注意しましょう。カロリーの摂取量が増えれば、太ることにつながります。


私は、仕事柄チョコレートを常に味わっていますが、「最近、食べすぎかな」と感じたら、すぐに食生活全体を見直してバランスを整えるようにしています。チョコレートを味わわない日はほとんどありませんが、その種類と量にはかなり注意を払っています。


一粒ずつ小分けにされたチョコレートやチョコレートアイスは、食べる量を簡単に調整できるのでとても便利です。また、チョコレートを使ったフローズンドリンクもサイズを選べることが多いので、そのときの体調に合わせて、量を決められるのがうれしいですね。


チョコレートとのいい距離感を見つけることが、いつまでも仲よく付き合うための秘訣です。みなさんも、チョコレートと上手にお付き合いくださいね。


■カカオバターは太りにくい⁉


ダイエット中だけれども大好きなチョコを食べたい方に、ここで朗報を一つ。チョコレートに含まれるカカオバターは、じつはほかの油脂に比べて体に吸収されにくいとされています。つまり、太りにくい油脂なのです。


普段食べているチョコレートにどんな油脂が使われているかは、パッケージの原材料表示を見ればわかります。多くのチョコレートにはカカオバターが使われていますが、ほかの油脂が加わっている場合もあります。


例えば、成分表に「植物性油脂」と書かれている場合、カカオバター以外の油脂が使われていることを意味しています。


■チョコレートでダイエットは可能か


たまに「チョコレートでダイエットできるのですか?」と聞かれることがありますが、これは答えが難しく、一概には言えません。


チョコレートは砂糖と脂質を含んでいるので、食べすぎには注意するべきだとお伝えしました。ただ、さまざまな研究や事例、専門家の書籍を調べてみると、人によっては食べるタイミングやチョコレートの種類をよく選ぶことによって、若干のダイエット効果があるかもしれない、という結果もあるようです。


比較的太りにくいチョコレートは、カカオ分70%以上のハイカカオチョコレートですが、どんなに健康にいいとされているチョコレートでも、食べすぎれば太りますし、体のためにならないのは言うまでもありません。


体重が増える原因は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることです。余ったエネルギーは体に、脂肪として蓄積されてしまいます。


2014年、ドイツで発表された「チョコレート・ダイエット」が、じつはウソだったことが判明した出来事をご存じでしょうか?


「毎日ダークチョコレートを食べると体重が減る」と発表された研究論文が、なんとでっちあげだったのです。当時は、世界中でニュースになりました。


写真=iStock.com/SIphotography
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SIphotography

「チョコレートでスリムに」だなんて夢のような話ですから、多くのメディアが飛びつき、その結果誤った情報が世界中に広まってしまったのです。


この出来事から、私たちは「○○がダイエットにいい」「○○が体にいい」といった情報には、冷静に向き合う必要があることを学びました。


ダイエットを考えるうえでは、やはり一日の運動量や体調をしっかり見極め、チョコレートを取り入れたバランスのよい食生活を心がけることが大切です。


■「ココア」はカカオのいいとこどり


1996年、日本ではココアブームが巻き起こりました。ある人気テレビ番組で「ココアが健康にいい」と紹介され、またたく間に全国の店の棚からココアが消えてしまったのです。


あの騒動から30年が過ぎようとしていますが、ここ数年は再び「ココアって本当に体にいいんですか?」という質問をよく受けるようになりました。


カカオポリフェノールなど、カカオの健康効果が世間的にも知られるようになってきたので、「そういえば、ココアもカカオからできているんだっけ?」と気づく方が増えたのかもしれません。


写真=iStock.com/MarioGuti
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/MarioGuti

■ココアには油脂が入っていない


結論からいえば、ココアは体によいとされる飲み物です。なぜなら、ココアには、カカオに含まれる健康成分、抗酸化作用を持つカカオポリフェノールや食物繊維が多く含まれているからです。


ココアとは、カカオ豆からカカオバター(油脂)をぎゅっと絞り出したあとに残る固形分「ココアケーキ」を、パウダー状に加工したもの。カカオの健康成分は、この固形分に集まっています。


油脂をほとんど摂ることなくカカオの健康成分を摂取できるのは、ココアならではの特徴です。


自宅には常にココアをストックしている私ですが、選んでいるのは砂糖が入っていないカカオ100%の純粋なココアです。カカオ100%のココアは、砂糖を入れるとき、ときどき黒糖に替えたりとアレンジもしやすいのでおすすめです。


■あなどれないチョコレートドリンクの摂取法


ココアとともに、カカオ分の高いチョコレートを使ったチョコレートドリンクも素晴らしいです。こちらも健康に気を使う方や、チョコレートの味が好きな方にぴったりな飲み物です。


チョコレートドリンクは口の中で風味が一瞬で広がり、固形よりも摂取するのがラクです。さらにココアもそうですが、チョコレートドリンクをミルク(牛乳)ベースで作ると、カルシウムも摂取できるというメリットもあります。


私はミルクが好きなので、大抵はミルクを使いますが、水でも問題ありません。カカオの風味をしっかりと楽しみたいときや、さっぱりとした味わいを求めるときには、水で作るのもおすすめです。


寒い冬には、私はホットチョコレートにシナモンをひと振り加えます。スパイスの香りに癒やされて、体がさらに温まります。


■アステカ帝国の皇帝も愛飲していた


コーヒーショップは日本中にあるのに、どうしてチョコレートドリンクショップは見つからないのかな……。私はよく、そんなことを一人で考えています。


もし、ココアやハイカカオのチョコレートドリンクをコーヒーのように手軽に提供してくれるお店があったら、日本人はもっと元気になるんじゃないかなと思います。


特に、東京・丸の内のようなビジネス街にあれば、日本のビジネスパーソンのエネルギーはさらにアップしそう、なんて想像しています。



市川歩美『味わい深くてためになる 教養としてのチョコレート』(三笠書房)

仕事の場などで「私は、長年ほぼ毎日欠かさずココアかハイカカオのチョコレートドリンクを飲んでいます」と話すと、よく「だから歩美さんは、いつも元気なんですね」なんて、おっしゃってくださる方もいます。


大東カカオの創業者、故・竹内政治さんが約40年ココアを毎日飲みつづけ、健康を維持されていたことは前にもお伝えしましたが、私が尊敬するある女性も、毎日欠かさずココアを飲んでいらっしゃいます。彼女は人生の先輩ですが、いつも美しく聡明、そしてお元気です。


さらに、15世紀から16世紀にかけて栄えたアステカ帝国の皇帝は、健康のためにカカオをすりつぶしたドリンクを一日に50杯も飲んでいたと伝えられています。


ココアやチョコレートドリンクを気軽に飲める時代に生まれた私たちは、運がいいのかもしれません。これからも私は楽しんで飲みつづけたいと思います。美味しくて健康にいいなんて、最高ですからね。


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市川 歩美(いちかわ・あゆみ)
チョコレートジャーナリスト
大学卒業後、民間放送局に入社し、長年ラジオディレクターとして多数の番組企画・制作を行う。5歳頃から筋金入りのチョコレート好き。90年代にフランス・パリのチョコレートの美味しさに衝撃を受け、本格的なチョコレート愛好家となる。放送局の仕事を離れた後、メディアや企業のオファーをきっかけにチョコレート関連のコーディネーター、ジャーナリストとしての活動をスタート。現在は、日本唯一のプロのチョコレートを主なテーマに掲げるジャーナリスト・コーディネーターとして各種メディアに情報を発信。チョコレートのトレンドと情報の源流を作っている。著書に『チョコレートと日本人』(早川書房)など。
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(チョコレートジャーナリスト 市川 歩美)

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